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【蓮ノ空感想文】メンバーの「大人」な魅力

はじめに

私は29歳である。
世間的にはまだ若い方だが、ラブライバーとしては年長になる。というか、なってしまった。仲間が次々去ってしまったのだ。

嫌われているわけではない……とは決して言えないが、年をとるにつれ同年代は確かに減っていく。
それは就職、結婚などのライフイベントにより時間がなくなる、新しいことに手を出しにくくなるといった事情もあるが、私が最近ひしひしと感じるのがジェネレーションギャップである。

女性アイドル界隈は代謝が激しく、ファン層が常に若い。
推し方、時間のかけ方、情熱ともにいい意味で青く、激しいため年齢的に少し落ち着いてくると、ついていけない感じがする。

私もまだ若いとは思いつつ、去年までなかった身体の不調がポツポツ出てきた。
肝数値がちょっと悪いほか、少しだけ……ほーんの少しだけ、髪が薄くなってきた。少しだけだぞ!!

まあ、私も昔は(金銭的に)無謀な推し方をしたものである。それはそれで楽しかったので、皆様におかれましてもラブライブ!でかけがえのない青春を燃やしていただきたく。青春モラトリアム人間がお勧めします。

学校の持つ「おとなしさ」

長々と言い訳めいたことを言ってしまったが、ここからが本題。

すっかりラブライバーオジサンとなった私は、蓮ノ空をガッツリ応援している。
蓮ノ空といえばラブライブ!で一番若いグループだ。もちろんメンバーもファンも若く、ライブ会場なんかではピチピチピチッとした若さに圧倒される。

だが、蓮ノ空にはオジサンにも推しやすい大人な魅力があると思う。

それが蓮ノ空の「おとなしさ」だ。オヤジギャグではない。

まず、舞台の蓮ノ空女学院が、伝統ある学校である点。
偏見だが、こういった学校は地域の信頼が厚いとか、長いこと伝統を守ってきたとかで、校則やマナーが厳しいところが多い。
その中でも蓮女は全寮制であり、理念は「厳粛な規律と、確固たる伝統」。成績もトップクラスを求められ、入学試験は難しい。要は、とっても厳しい学校である。

これが何を意味するかというと、生徒一人一人に規律と聡明さ、自分で考える(考えられる)自主性が求められるのである。彼女たちを見ていると、若いのに落ち着いているという印象を受ける。

まあ若干1名(と国語でもう1名)、ファンからも成績を不安視される方がいるにはいるが、驚くほど素晴らしい歌詞を書いたり客観視ができたりと、あくまでお勉強ができないのだろうと感じさせる。めぐ党として精一杯擁護をさせてもらいましたよ、党首。

このような学校であるから、活動記録(ストーリー)や配信にも「危うさ」がない。
全員に自主性と聡明さが備わっているため、誰かが全体を振り回すことはないし、問題が起きても考え抜いて正解を導き、無事着地するのだろうと不安なく構えられる。

学校、そして生徒がもたらす「おとなしさ」。これが私には心地がよく、穏やかに応援できる素地となっている。

制服のデザインも秀逸だ。
調べると制服のえんじ色は、落ち着いた印象、知性や優雅さの中に情熱や華やかさを感じる、日本伝統の色だという。まさに蓮女にぴったり。

そして何より…スカートが短くない!私はこれに一番カルチャーショックを受けた。
まあ、一般の基準で言えば膝上も若干短めではある(厳しい学校なら尚更だ)が、とびっきり短いのを見慣れている我々からすると「おぉ、長い」と感じてしまうのは、なんとかバイアスなのでしょうか?

これらの要素から、私はなんとなく「街中にいる賢い学校の生徒」という印象と、安心感を覚えるのである。例えば、バスに蓮女の生徒が何人か乗ってきたとしよう。それを見た時、あなたならどう思うだろう。
私は「騒いだりせず、端の方からちょこんと座るんだろうな」と思うのだろうな…と勝手に妄想するのである。まあ、全寮制なので滅多に会うことはないのだろうが。

まだ聖地巡礼に行けていないのでなんとも言えないが、「石川県金沢市」が与える印象も大きいだろう。ものづくりの街、伝統と文化の街……このイメージが私にある。逆説的だが、蓮ノ空を置くならこの都市がピッタリだろう。

キャストについて

ここまで学校について触れてきたが、キャストについてもひとつ。
キャラだけでなく、キャスト全員に落ち着きが備わっているのも特筆すべき点である。

「いやいや、落ち着いてるか?」と思う諸兄もいるだろう。
彼女たちは確かにうっさいかもしれない(失礼)!でも、その中にも不思議と落ち着いてみられる魅力があるのだ。というか、全体的に見てそんなにうるさくないと思う。

年頃のはつらつさはあるが、見ていて本当に「ヒヤヒヤしない」のだ。「この子、失礼なこと言い出さないかな?」「周り見えてる?」と、ビビりながら見たことはない。どうやら、それぞれが持つ習い事やキャリアの賜物のようである。

語りたいことはたくさんあるが、ここではみらくらぱーく!を取り上げたい(ごめん)。

私が全くみらくらぱーく!を知らなかった頃、去年の2人を見て「あー、よくある感じね」と思っていた。よくある感じというのは、元気な大学生みたいなノリということである。2人とも静かなスリーズブーケや最年長のいるDOLLCHESTRAと比べれば目立つと言えば目立つ。

アイドルなんだから、元気ではつらつとした大学生のノリを見せてくれた方が良いかもしれない。しかし、オジサンにもなると応援する方にもある種の落ち着きというか、いい子ちゃんを求めてしまうのだ。

しかし、みらぱ!のことを深く知ると実は「いつもの」ではないことに気づく。

菅叶和さんはとっても元気で、よく笑いよく食べる愉快な子なのだが、茶道の家系であり母、祖母に指導される経験を持つ。おかげで家族のことを「母」「祖母」と呼び、また家族に動画をウォッチされていることもあり礼儀についてはかなりしっかりしている。育ちの良さが垣間見えるのである。

豪快な笑い声でこちらもニコニコできる裏で、「失礼なことはしないだろう」「したとしても絶対に無邪気だよ」という安心感をもって見られる。これはなかなか両立しない。稀有な才能であると声を大にして言いたい。

月音こなさんは未だファンから「一番危うい」と目されているが、私は別にそうでもないと思う。若干お口が悪いのはキャラクターとして認知されているし、それを期待しているファンもかなり多い。我々は「危ういと思わされているだけ」なのだ(そうか?)。
私のフォロワーは「ツイ消しされたり舐めたクチきかれたりして、情緒を振り回されたい!」と語っていた。私?ノーコメントで。

情緒振り回されるなら危険度マックスやん、と思われるかもしれないが、意外とそうでもない。ラジオや配信などの媒体を聴く限り、相当言語化能力に優れていることが分かる。
歌詞や台詞について誰よりも深く理解していて、自分のものにしている。会話の中でも切り返しや話題の転換が頭一つ抜けており、チームの潤滑油となっていると思われる。

正直、かなりの切れ物だ。行動や言動も多分、計算づくなのだと思う。靴を脱ぎ忘れるのも計算。たまに気持ち悪いのも、計算。

このようにみんな元気な中にも育ちの良さ、教養・洞察の深さがにじみ出ていて、ヒヤヒヤすることなく安心して見やすい、オジサン向けのコンテンツだと思う。

共通して言えるのは、みな気配りを欠かさないこと。これはメンバーがYouTubeやXのスペースなどの媒体でも活動し、言動が見えやすくなったという点もあるのだろうが、皆キャストやファンへの感謝を欠かすことなく、謙虚に活動しているのが分かる。むしろこちらの方が返したいのに、恩を返そうとしてくる。

本当にみんな、いい子だよねぇ…。

おわりに

総括に移ろう。
スクールアイドルでありながら、浮いた感じもなく落ち着いて見られるのが蓮ノ空の魅力であると感じる。
アニメならそういったキャラを作れば良いのだが、まさかキャストまでこの傾向があるとは思わなかった。上品に推させてもらっています。

蓮ノ空はコンテンツの供給量が多いため、忙しいオジサンには手に負えないと思うかもしれない。
しかし、リンクラもアップデートが入り後追いで情報を得やすくなったし、4月で新年度となり、いったんリセットしたと見ることもできる。

今年度から追えばみんなと同じ新鮮な視点で見られるし、昨年度の活動に興味を持てれば「過去」の活動記録や配信を見れば良い。私はもう、今から全部追う必要もないと思っている。

私も少しだけラブライブ!にはブランクがあったが、蓮ノ空で復帰できた。これもひとえに、紡がれる物語のクオリティの高さと、これまで書いてきた「おとなしさ」による。
年長者でも、安心して見ることができるのが蓮ノ空の魅力だ。気負うことなく、ぜひ応援してほしい。

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