新潟記念2020 ほぼ全頭精査

アールスター

・小倉記念出走馬のうち3頭が小倉日経OPに続戦(中2週)も全頭掲示板外。またG2以上の実績馬に乏しいレースであり、G3の中でも下の方の面子でのレースだった。
・4走前の3勝阪2000は先行して捲られたが差し返して3着と強い内容。この時の出走馬はインビジブルレイズ(次走白富士S1着)のほか5着プレシャスブルーと12着ウインクルサルーテが次走で勝ち上がりを決めており、3勝クラスとしてはレベルの高いレースだったと言える。
・直線の長いコースは1勝クラスの中京と新潟以来で、いずれも2着だが、小頭数の上面子レベルも特別目を見張るものはなく参考外。
・今回は前走に比べて実績のある面子になっており厳しいか。

アイスストーム

・3勝クラス以上の1800mでは2勝。東京のOP戦も勝っている。一方2000mでの成績は振るわないが、面子が比較的揃った19’中日新聞杯で3着。
ただしこのレースは内外で馬場に見た目以上の差がありそうなレースで、サトノガーネットと共に大外から突っ込んできただけともいえ、強いレースはしているものの2着ラストドラフトを交わせてないあたり微妙。
・一方で2走前のOP戦メイSは、その後2着のソーグリッダリングが同条件の20’エプソムCで2着、ザダルが新潟のOP戦関越Sで勝っており、1800m戦では相当強い。
☆総じて今回買うべきではない。1800m以下で。

アイスバブル

・19年、20年と目黒記念で2年連続の2着。何れもその距離では実績のある面子が揃っていた。
・2000mでのレースは19’小倉記念と19’中日新聞杯がある。前者は極端な高速馬場ではなかったにも拘らず逃げた馬がかなりのハイラップを刻み、それに先行した結果垂れてしまったもので、後者は上記の通りの馬場で内にいたため、どちらも適性外と断ずるには渋いレース。
☆力はG2で勝ち負けのレベルにあり、伸びる馬場を通って差してこられれば面白い存在。

アクート除外対象

インビジブルレイズ

・アールスターの項でも触れた通りの成績のあと、20’新潟大賞典5着、20’エプソムCで大敗し今回のレース。好成績時の実績としてはOPクラスの下の方だろうか。
・前走の20’エプソムCの敗因は不良馬場もあるが、ここに出走した馬では20’関屋記念を勝ったサトノアーサーが6着、20’小倉記念2着馬のサトノガーネットが9着のほか巴賞勝ち馬や小倉日経OP勝ち馬などもいて非常にハイレベルなレース。また3勝クラスの1600m戦で勝ち馬から6.5差つけられたレースなどもあり、そもそも重馬場が苦手なのだろう。
・2走前の新潟大賞典の5着は出走馬のその後の成績が振るわないが、14着ダイワキャグニーがそのエプソムCで勝っている。ただこれはダイワ側の問題で57.5という斤量に泣かされたのと新潟が苦手なのがありそうで、やはり新潟大賞典組は総じてレベルが高くないと言わざるを得ない。
☆前走の成績から人気落ちするなら紐で入れると面白そう。軸にはできない。

ウインガナドル

・前走新潟1800mの関越Sを2番手から進めて2着好走。ただ逃げ馬がかなり飛ばして逃げた上開幕2週目でまだまだ内でも走れる馬場、さらに後続が控えすぎなレースで実質この馬の単騎逃げのようなレースであり、あまり評価できない。
・現状新潟は内外の差が広がっており、強く前を主張するこの馬にとっては馬場的に不向き。
☆今回は消してよさそう。

カデナ

・前走20’宝塚記念は12着と大敗。ただ17’天皇賞(秋)でも惨敗しており、そもそも重馬場が苦手と割り切ってよさそう。
・前々走20’大阪杯の4着だが、最終3Fが11.3-11.2-11.7で若干脚が止まっており、そこに最内から突っ込んだ結果の4着。ラッキーライラックとクロノジェネシスはともかく3着のダノンキングリーはペースがやや壊れ気味で、そこをいいパフォーマンスを発揮したのにもかかわらず差し切れなかったのは脆さか。
・19’新潟記念のような大外ぶん回しができればとは思うが、休み明けであまり動かないのがどうか。
☆総じて評価の難しい馬。軸候補ではあるが。

ゴールドギア

・基本的には後ろから競馬をする馬で、勝った2走前の3勝東京2400mを含め3勝クラスでは上がり最速をマークし続けている馬。
・ただし勝ったレースのレベルは微妙。3走前に5着に来たレースは勝ち馬キングオブコージが20’目黒記念を勝ち、下位着順のナイママやヴァンケドミンゴらも次のレースで勝ち上がりを決めたハイレベルなレースだが、その時は0.9差でそこまで。
・OP戦以上になると3歳戦の18’NZTで上がり最速4着に来たのを最後に上がり最速も出せない状況が続いている。
・ただし長い脚を求められる東京や中山外回りではしっかり脚を使えており、一方で小回りかつ直線の短い函館や中山内回りでは振るわないという性質の馬。長い直線でのびのび走らせられれば。
☆人気薄の穴馬としては面白い存在。軸にはできない。

サトノガーネット

・前走の小倉記念はアールスターの2着。アールスターの項でも述べた通り、ここは相手関係が格段に強化される。
・2000mという距離は新馬戦を除くと5戦。大敗の18’秋華賞と20’金鯱賞はいずれも理由付けができ、前者は内外で伸び方にやや差があった最後方待機から早めに動いていったが途中で脚が止まってしまった。後者は道中の流れが極端に遅く、後ろからの馬には向かない展開。
・それ以外の3戦はいずれも決め手が差し追込みで、外差しになった新潟の馬場に合う。
・相手関係は厳しくなるが、適条件で走った時のパフォーマンスはかなり高い。前走の反動と輸送の影響次第。

サトノクロニク

・20’AJCCで復帰後は最高着順5着(AJCC)、最高着差0.6(L・メトロポリタンS)と特筆すべき点はない。ただし4走前のAJCC、3走前の日経賞は面子が揃っており、20’天皇賞(春)2着のスティッフェリオ、同3着のミッキースワロー、20’京都記念3着のステイフーリッシュなどと走った。
・日経賞の大敗は全体的に外伸びの馬場だった中終始内目を通ったことと、3コーナーあたりからの早め仕掛けになったロングスパート調の競馬に対応できなかったこと。
・長期休養前に2000m戦である17’チャレンジCと18’小倉記念をそれぞれ1着と2着としているが、後者のトリオンフ以外はそこまでメンバーレベルが高くない。
・叩き一発目で動く馬ではあり、AJCCも長期休養明けを考えるとG2での5着は好走と言ってよい。
・近3走が適距離より若干長かったとするならば2000m戻りで大穴になる可能性はある。

サトノダムゼル

・前走は新潟1800mの3勝クラスを勝ちあがり。ただこのレースは2勝クラス上がりの馬が1人気、この馬が2人気、10か月前に東京の3勝1800mで3着に来た以外はこのクラスで4着だらけの馬が3人気と面子レベルに疑問。
・その前の2着もやはり面子レベルとしては高くない。勝ったサムシングジャストはクイーンSで見せ場なく9着に敗れている上、2着以下の勝ち上がり馬もこの馬のみ。
・秋華賞はさすがに限定戦とはいえG1なだけありメンバーが揃っており、そこでは2.0差13着としてしまっている。また前傾気味のラップになったにもかかわらず、前にいたビーチサンバ(2-1-1-1、上がり37.0)やダノンファンタジー(3-3-3-2、上がり37.3)より上がりの脚を使えていない(10-12-12-11、上がり37.4)ところも不満。
・ハンデ戦なので軽斤量が味方する可能性はあるが、基本線は消しでよさそう。

サンレイポケット

・前走は東京の3勝2400mを勝利。6月のレースでまだその後走った馬が少ないが、このレースの3着馬と5着馬が福島の3勝2000mに続戦していずれも2桁着順。このレースが不良馬場だったのも影響しているかもしれないが。
・2走前の京都3勝2000m戦はメンバーが強く、1着ヒンドゥタイムズは続戦の七夕賞4着、3着サマーセントは次走マーメイドSを勝ち、4着ドリームソルジャーも勝ち上がりを決めている。
・また長期休養明けの19年10月以降、2000mという距離では出走4レースで2勝+2着2回と極めて安定。1勝クラスで負けたハンターバレーもこの距離ではやれる馬で、それに頭差に迫る競馬なら上々。
・勝っているのが東京や中京という長い直線を擁するコースなこともあり、この新潟は合いそう。
・相手は強いがハンデ戦なので軽い斤量で走れるのは強み。輸送も苦にしないタイプなので、是非狙いたい。

ジナンボー

・前走七夕賞は出遅れもあり0.9差9着。同レース14着のアウトライアーズと13着のノーブルマーズが高速馬場だった小倉記念でそれぞれ3着と5着に来ており、良馬場でハイパフォーマンスを発揮する馬にとっては厳しい馬場だったか。
・2走前の大阪杯では6着。逃げるダノンキングリーのペースに付き合って逃げたが、3走前の小倉大賞典(3着)の時よりも厳しいペースでの逃げになり、最後は脚が残っていなかった。
・昨年の新潟記念で2着。メンバーはある意味今年以上に揃っており、次走天皇賞(秋)4着のユーキャンスマイルとデッドヒートを演じ、エリザベス女王杯4着のセンテリュオや富士S勝ちのレイエンダなどは突き放している。
・基本的に後ろから競馬してもどうにもならない馬だが、昨年のように直線の早いタイミングで外に持ち出す走りができるのであればあまり関係ない。
・コース実績もあり、素直に軸候補。

ピースワンパラディ

・前走はハイレベルなエプソムCで7着だが、その着差は0.4秒と接戦。ただこの馬の場合重馬場・不良馬場でよく走っているため、参考程度。
・気になるのは2度走った3勝クラスでの相手が全体的に弱く、1戦目4着でその後2着→4着→1着で勝ち上がり、小倉日経OPでも2着に好走したボッケリーニくらいしか目立った活躍馬がいない。
・馬場がある程度重くなれば重い印を打ちたい。良馬場なら抑え程度に。

フリーフリッカー除外対象

ブラヴァス

・前走の七夕賞で2着好走。重馬場巧者かどうかは微妙なところだが、阪神や札幌で勝っているあたりパワー寄りの馬か。
・3走前の3勝阪神2000mを勝った時の面子は揃っており、2着ヒンドゥタイムズは次走で勝ち七夕賞でも4着、4着トーラスジェミニも次走で勝ち函館記念4着、6着ミスディレクションも次走勝ち、7着ドリームソルジャーもOP馬になっており、9着から11着の馬もこのレースの後3勝クラスで馬券内に来ている超ハイレベルレース。
・開催時期以外全くの同条件である今年の新潟大賞典で4着。函館記念2着のドゥオーモやエプソムC1着のダイワキャグニーなどがいるが、今回の面子に比べると手薄感はある。
・19年11月の京都2勝クラスのレースと阪神2勝クラスのレースを比較したに、後者の方がメンバーが揃っていたが勝利しており、前者は0.0差とはいえ敗れている。さらに一つ前の10月京都2勝クラスはメンバーが揃っておりそこでは0.3差4着。坂がないところだと他の馬に速度負けする可能性はある。
・消しとまではいかないものの、不安要素も少なくない。馬場が乾くようなら軽視したい。

プレシャスブルー

・前走の函館記念は0.7差9着。最後方からの競馬をしたドゥオーモが2着に来るなど展開は後方に向いていたが、この馬は来れなかった。敗因の一つに輸送による-20の馬体減りがありそうで、同様に輸送で-12とした5走前の阪神3勝クラスも0.3差5着としている。
・一方で関東に帰ってきたり、滞在競馬になると露骨に状態を回復するのがここ1年の傾向で、4走前は2着トーセンスーリヤ、3着ハナズレジェンド、4着ウインガナドル、9着テーオービクトリーが勝ち上がり、6着イェッツトは2戦後に2着とした後札幌記念で5着と好走するなどのレベルの高い面子の中勝っている。2走前の新潟大賞典は福島から新潟への輸送なので、比較的優しいものだった。今回は函館から新潟への輸送で心配。
・ここ1年の1800m戦は3戦2勝+2着1回だが、2000mになると新潟大賞典の3着が最高。とはいえ上がりは使えている上前述の輸送の兼ね合いもあるので一概にこの距離が長いとは断言できないが。
・穴としては面白いが、馬体重が回復しているのが絶対条件か。

メートルダール

・最後に掲示板及び馬券内に来たレースは19’AJCCの3着。この時の1着シャケトラは次走19’阪神大賞典で1着、2着フィエールマンは19’天皇賞(春)を勝っており、これらと0.1差は間違いなく好走と言ってよい。
・近走も展開がかなり遅くなり後ろから運んだこの馬には辛かった函館記念を除けば大敗と言えるほどのレースはない。
・2月にOP東京2000mで出走予定があったらしいが鼻出血で断念。19’福島記念~新潟大賞典の間が空いているのはその影響か。その新潟大賞典は鼻出血の影響で追い切り不足だったようだが、1年前の同レースとほぼ変わらずの走破タイム。前走は距離が長すぎたか。
・適正条件は、長い脚を活かせる左回りの中距離。19’金鯱賞はダノンプレミアムやリスグラシューをはじめとする超ハイレベルレース、続く19’新潟大賞典も豪G1馬メールドグラースや日経賞のミッキースワロー、目黒記念のルックトゥワイスなど、金鯱賞ほどでないにしろレベルは相当高い。
・このレース最大の大穴。今回も面子は揃っているが上記2レースほどではなく、久々に適正条件のレースをいい過程で走れそう。

リープフラウミルヒ

・前走クイーンSは7着だがその着差は0.3。19’ローズS2着、秋華賞でも5着好走のビーチサンバや19’府中牝馬S1着のスカーレットカラー、重賞2勝のフェアリーポルカなどハイレベルな面子に混じってこの成績は好走といえる。
・一方で2走前のマーメイドSでは見せ場なく凡走。中団から進めたにもかかわらず、逃げたナルハヤと同程度の脚しか使えていないのも不満。
・この日の阪神の馬場は前日に降った雨がまだ相当残っていた馬場だが、どちらかと言えば重馬場は苦手な傾向にある。また阪神2000mという条件もこの馬には悪かったか。
・現状2000m戦は上記の11着しかないが、阪神と新潟では性質がかなり異なるため、本当に2000mが長かったのかどうかは不明。
・前走の面子が揃っているとは言ったものの牝馬限定の話で、混合戦になった時にどうかと言われると微妙。
・紐には入れてもよいかもしれないが軸にはできなさそう。

ワーケア

・実績は19’ホープフルS3着、弥生賞2着。前者を勝ったコントレイルは言うに及ばず、2着ヴェルトライゼンデもダービー3着。
・ただ後者の弥生賞2着は怪しく、同レース1着のサトノフラッグはダービーで大敗し、4着ブラックホールは既に札幌記念で古馬の壁に当たってしまった。この馬自身もダービーでは1.0差8着と振るわない成績。
・ダービーから新潟記念に出走した馬にブラストワンピースがいるが、あちらの場合18’NHKマイルカップ2着のギベオン相手に18’毎日杯で0.3差つける完勝し、ダービーでもワグネリアンや皐月賞馬エポカドーロ、菊花賞2着のエタリオウなどに0.2差以内の僅差で、明らかにワーケアより実績的に上。
・3歳馬なので何とでも言え、例えば早枯れのハーツクライ産駒というマイナスの着眼点もあれば、ダービーは距離が長かったので2000mに戻った今回ならというのも一理ある。
・ただいくらでも難癖付けられる馬を軸にはしづらいので、消すかどうかはさておき重い印は打たない。

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