思考回路まとめ
意味のわからない文章が好きだ。
支離滅裂でまとまりのない、書き殴るという言葉で表現されるような文章が好きだ。
書いた人物が何を考え、何故そんなに勢い任せに書いたのか、一番伝えたかったことは何か、そういうことに思いを馳せる時間が何より好きだ。
同期の斉藤君(仮)は話をすることが苦手だ。会話から察するに幾つかの可能性が考えられるけど、一番シンプルな原因は自信のなさだ。どの言葉をどう伝えたら受け取ってもらえるのかを経験から導き出す事が少しだけ苦手なのだ。話題を切る事も苦手だ。どこまで話せばいいのかがわからないから、相手の関心から外れた話題をいつまでも一方的に話してしまう。
同期の藤島さん(仮)は人を笑わせる事が得意だ。本人も意識して笑顔にしようとする。その為なら多少の恥じらいにも動じず、すぐに実行する。他人の感情の機微に敏感に反応して、どうしたら笑顔になるのかをいつも考えているのだ。
この文章を読んだ時、斉藤君(仮)はおそらく藤島さん(仮)と比較して「劣っている」と評価されてしまうと思う。確かに対人能力という視点で見た場合には劣っているのかもしれない。
では斉藤君(仮)を斉藤君(21歳)、藤島さん(仮)を藤島さん(48歳)にしてみよう。
斉藤君は恐らく社会経験も殆どなく、ただどう伝えたらいいのかがわからないのではないか、みたいな空気になる。
反対に藤島さんはまあそんな人もいるよね、みたいな納得になる。
話を戻す。
内容の本質をどう読み解くかで、見え方が全く変わってしまう事がある。僕の考えでは、二人が相手にどう思われたいのかに差は無い。
どちらも相手にとって「好ましい」話し相手でいたいだけなのだ。
斉藤君は手段を知らないだけで必死に相手に話題を振っているし、その話を盛り上げようとさらに必死になった結果として、相手の表情を見る余裕が無い。
藤島さんは経験により手段を知っていて、どう話題を振ればどんなレスポンスが来るのかを予想できる。だから相手の表情を見る余裕もあるし、相手側の話題を拾う事も、それを広げる事もできる。
重要なことは、相手の感情を深く知ろうとすること。何を考えて、どういう返事が欲しくて、何をすると喜ぶのか。その反対も然り。
この殺伐とした現代社会において、他人への関心は日々薄れているように思う。SNSの普及で、顔の見えない隣人の存在がただの風景になっている。だからこそ思考を止めてはいけない。何故を突き詰めていけば人は新しい何かを見出すし、それは相手や物事を理解しようと歩み寄ることに他ならないから。
Peace
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