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サテライトを通過してWSOP 2024 $10,000 Dealer's Choiceに出場した話

現在盛り上がっているWSOP 2024ですが、私の参戦は先日終了しました。ミックスゲーム好きのアマチュアプレーヤーの私は、今回はDealer's Choiceに狙いを定めて参加しました。簡単に参戦記を書いていきたいと思います。

Dealer's Choiceとは

Dealer's Choiceとは、21種類のゲームから参加者が1周ごとにゲームを選んでいく方式です。ゲームの一覧は下の画像をご覧ください(公式ストラクチャーからの抜粋)。NLHやPLOなどの基本ゲーム、BadeuceyやBadaceyなどのミックスゲーム界隈で人気のゲーム、Limit Ohama Highや2-7 Razzといったもはやここくらいしか出てこないのでは?と感じるゲームなど様々なゲームがあります。珍しい形式で、大型トーナメントではWSOPくらいしかないと思います。

Dealer's Choiceのゲーム一覧

ミックスゲーム好きにはたまらない種目で、マニアックな人気のあるトーナメントです。今回の$1,500イベントでは530人の参加がありました。反面ディーラー泣かせのイベントで、一定数のディーラーがゲームを理解することを諦め、参加者がゲームを回しているような状態になります。(ときどきノンネイティブの私が回さなければならないときもありました)

$1,500イベントへの参加

満を持して望んだDealer's Choiceの$1,500イベントでは、Day 1の中盤までは良い感じで進んでいたものの、終盤でチップを減らしてしまい、原点ちょい上くらいでDay 1を終えました。長く同卓して隣だった有名女性プレーヤー(かつこのイベントのブレスレット保持者)のCarol Fuchsと仲良くなりました。

このイベントは有名プレーヤーが多数参加することも特徴で、Robert MizrachiやEli Elezraとも少しだけ同卓しました。あと隣の卓にはPhil Hellmuthが長く座っていました。

Day 2は1周目のPLOであえなくバストしてしまいました。

$10,000イベントのサテライトに参加

Dealer's Choiceの熱が冷めやらない私は、$10,000イベントのサテライト($1,100)に参加することにしました。ちなみに私はただのアマチュアプレーヤーなので、ダイレクトバイインなどすることができません。

今年のWSOPでは、サテライトはすべて「ランドマークサテライト」という形式になりました。これは、初期スタックの10倍に到達したらその時点でサテライト通過(チップは回収される)という形式です。このサテライトは15,000点スタートなので、150,000点に到達すると通過となります。

長くプレーしたいので開始時間に間に合うよう着席しましたが、さすがに特殊なイベントなので、参加者が少なかったです。10分ほど待って4人×2卓くらいからようやく始まりました。

15,000点スタート

序盤ミスプレーもありチップを減らしてしまい少し落ち込んでいたところ、なんとここで2人ミックスゲームにあまり詳しくない参加者が入ってきました。1人はNLH以外本当に何も知らない(オマハすら知らない)プレーヤーで、もう1人はもう少し知っている感じでしたが初めてのゲームが多そうでした。実はWSOPでは、知らないゲームのトーナメントに参加してしまうというのはときどきあることです。とはいえDealer's Choiceは最も複雑なゲームをおこなうトーナメントなので、間違って入ってしまうのはかなり不運です。

かわいそうだと思いつつも、申し訳ないですがこちらにとっては大変「おいしい」シチュエーションです。当然のようにBadaceyのように複雑なゲームが選ばれていき、2人は多少粘るも飛んでしまいました。私はこのあたりでチップを結構増やしました。

その後、PLO8(Pot Limit Omaha Hi-Lo 8 or better)のラッキーリバーで大きく増やし75,000点(原点の5倍)になったあたりから、「これはいけそうだな?」と思い始めました。参加者は最終的に40名で、3名がサテライト通過($10,000)、1名が端数の$9,500くらいを受け取ることになりました。

このランドマークサテライトという形式では、原点の10倍以上のチップを稼ぐ意味はありません。なので、10倍が見えてきたら分散を増やしすぎないことが重要になります。特にこのDealer's Choiceという形式では、ゲームチョイスにより分散を調整することができるので頭に入れておく必要があります。

100,000点あたりでは相手が苦手そうにしていたPLO8をまだ選んでいましたが、130,000点あたりになったときにはRazzを選んで調整していました。私の左のプレーヤーと波長が合ったのか、同じようなゲームを選んでくれたのがありがたかったです。

結果として、Razzの次に左のプレーヤーが選んでくれたStud Hi-Lo Regular(ロー側に条件のないStud Hi-Lo)で150,000点に到達しました。最後は150,500点と神レベルの点数調整を披露しました。(ショート吸収だったのでたまたまです)

150,000点到達!


通過者がもらえる紙

その後通過者に対する説明を頑張って聞き取り、トラブルがありつつもなんとか手続きを進めて参加登録ができました。ちなみにダイレクトバイインせず、賞金として$10,000を受け取ると課税されてしまうので注意が必要です。

初めての$10,000イベント

$10,000イベントに参加するのは初めてだったので、さすがに高揚したのを覚えています。帰りがけにこれまで何度もすれ違うもお話する機会のなかった木原さんをお見かけしたので話しかけてみました。突然すみませんでした。木原さんも出る可能性が十分あるイベントですが、この時点では$10,000 Omaha Hi-LoのDay 3に進出していたようで、とりあえず頭には参加しなそうでした。

$10,000イベントへの参加

サテライトの翌日、$10,000 Dealer's Choiceへの参加となりました。さすがにホテルでの出発時は落ち着きがありませんでした。

60,000点スタート

そしてなんと、開始時にDaniel Negreanuと同卓となりました。彼のVlogにちらっと映り込んでいます。残念ながら、私がテーブルムーブとなったので同卓は長くは続きませんでした。

楽しみにしていたイベントですが、残念ながらレベル5という早期での敗退となってしまいました。チップを43,000点くらいまで減らしたときに自分で選んだBig-O (5 card Pot Limit Omaha Hi-Lo 8 or better)で飛びました。

UTGからA26TKという良いハンドでオープンするも、おじさん〜おじいちゃんくらいのプレーヤー(CO)から3betを食らいます。ラスベガスでは、おじいちゃんのレイズは原則としてめちゃくちゃ強いです。AA2, AA3, AA4くらいを想定しました。これらにはA268Kはややアンダードッグです(イクイティ40%くらい)。とはいえ降りるわけにはいかないのでコール止めします。

フロップはK82のツートーン。フラッシュドローは持っていません。チェックしたらポット7割くらいのベットを受けました。スタックサイズ的に、オールインかフォールドしかないかなというシチュエーションになります。

こちらはトップ&ボトムの2ペア、ロードローは一応A6がありますがあまり意味はなさそうです。強いとは言えませんが、かといって2ペアは2ペアなのですぐ降りるようなハンドでもありません。いろんなハンドに対するイクイティを計算し、オッズが合って(しまって)いると判断してオールインしました。

具体的には、相手がAA2なら勝っていることが多い、AA3ならばやや負けているがオッズは合っている、フラッシュドローがあったり上2ペアやセットがあるとオッズは合っていない、総合的にはオッズがたぶん合っている、みたいな計算です。あとで計算機を回しましたがだいたい合っていました。

相手はスナップコールしてAA36T(フラッシュドローなし)をショウしました。こちらのイクイティは47%程度。計算は合っていました。

残念ながらターンでAが落ちてほぼ終了となり、リバーで何も起きずバストとなりました。一飛びくらいだったのではないかと思います。

このハンドについては特に悔いはありませんが、それ以前のPLOやOmaha Hi-Loでうまくプレーできなかったのは悔やまれます。

私のDealer's Choice 3戦はこんな感じで終了しました。サテライト通過は嬉しかったですが、本戦のどちらかでもっと上にいきたかったなと思います。

ちなみに$10,000イベントは面識はないのですが後輩の後輩(??)のような感覚を持っているりゅうたろうさんが3位になりました。私もこのレベルに上がれるよう今後もがんばっていきたいです。

おまけ:ゲームチョイスの集計

おまけとして、私が参加した卓でどのゲームが選ばれたのか、集計してみました。人気だったのはBig-O, Badeucey, PLO, Stud Hi-Lo Regularでした。

ゲーム選択数

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