東でモギュテク　向島百花園（墨田区　東向島）

2021年5月3日 23:37

我が愛しの百花園。

東京都には都立庭園が9か所ある。六義園、浜離宮恩賜庭園、小石川後楽園などが有名なため、都立庭園と聞くと多くの人が広大な場所を想像するのではないだろうか。
ところが東向島にある向島百花園はサクサクと歩けば10分～15分で周ることができてしまう小さな庭園だ。

昔は狭いし地味だなあと思い、数年に一度思い立って訪れる程度だった。その印象がガラリと変わったのは、年間パスを購入して定期的に足を運ぶようになってからだ。たった半月空くだけでにその様相をがらりと変えるのだ。

大輪の朝顔とユニークなヘチマのなる夏は、抜けるような青空と入道雲に彩られる。ノスタルジックな昭和の夏。

翌月には早くも秋の装い。紅葉が美しい。小道の両側にススキが生い茂り、見事なハギのトンネルをくぐりうっとりとする。

冬支度で木々には雪つりが施され、春の七草・椿・早咲きの桜。しっとりとした冬を過ぎれば花の春。

限られたスペースで季節の移り変わりを楽しむ。ああ、日本庭園の素晴らしさはこういうところにあるのか。わかるまで随分と年月がかかってしまった。庭園の手入れをしている方に素直に感想を伝えると「そうなるように作っているからね」と少し微笑んで答えてくれた。

コロナ禍ということで向島百花園は年明けから長期休園中。見に来る人はいなくても木々や草花の成長は止まることはないはずで、そろそろ藤棚が見ごろなのに寂しいな。ツイッターの公式アカウント（あたたかいお人柄を感じさせる。大ファンです）が公開してくれる写真を見て、再開を心待ちにしている。

Come to the garden. Flowers are still.

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