何も見ずに3分でNewDays一店舗の年間売上出してみた【もぐらのケース③】
こんにちは!
外銀・外コン複数内定者21卒のもぐらです。「これを読んだ1人でも多くの人が、ケース対策を通じてコンサル企業から内定をもらう/経営施策分析のプロフェッショナルになる」をモットーに、「もぐらのケース」を提供しています。
もぐらのnoteを読むのが初めての方は一度以下の記事を読んでから読み進めて頂けると幸いです↓↓
何も見ずに3分でディズニーランドの年間売上算出してみた【もぐらのケース①】
一人でも多くの方に届き、新卒・中途問わず、これを読んでくれた方の手助けに少しでもなってくれれば幸いです。(また、あくまで内定者ですので、つたない部分等あるとは思いますがご容赦ください。フィードバックや要望等は大歓迎ですので、TwitterのDMでもnoteのコメントでも気軽にご連絡ください!)
では本題!
超オーソドックスなお題ですね!全てのケース問題に通ずる基本中の基本だと思います。
※記事を読む前に上記目安回答時間内で一度自分なりに回答を作ってみることをお勧めします。解いた後に、このnoteの解説と自身の解答を比較すると、より理解が深まると思います。
また、この時期であれば変数だけ考えてあとをないがしろにして解説に進むのもやめましょう。浅い思考、表面上だけ賢ぶってる人間になってしまいます、、
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このケースは、常に全体感を見据えつつ、各変数や数字感の精度をできる限り論拠を基に解説していますので、特に普段「詰める」弱さ、「検証」の面倒さを感じる人はぜひ読んでください。
では、さっそく回答を始めていきましょう!
本題は、以下の手順に沿って進めていきたいと思います。
はじめに、
①前提・定義確認
まず前回確認しましたが、売り上げといっても定義の仕方が色々あるので、しっかり前提・定義を確認しましょう。
今回、店舗は山手線沿線の主要駅に入っている店舗(レジ複数個)であると仮定します。
また1日とは、ある平日の1日と仮定します。
続いて、、
②分析アプローチ洗い出し&分析
前提条件を整えたあとは、アプローチ方法の洗い出しに移りましょう。
今回の場合は上のようになるでしょうか?極めてオーソドックスですね。コンビニに限らず通常のTo C事業の売上推定系はまずこの式を最も高次の変数としておきましょう。
では、1日の売り上げを求める際は、ア)1日の来客者数と、イ)1人あたり単価を求めればよいということになります。
③変数のモデル化
ア)1日の来客者数
1日の来客者数の推定方法とその精度がこの場合最も重要な局面であると考えられます。どんな推定方法があるでしょうか、、
①仮定した主要駅の利用者数からコンビニ利用率を推定する。
この場合、駅利用者数(ex.改札通過率、電車総収容人数、徒歩圏内からの通勤人口などのモデルから推定、別機会があれば扱います)を求めた上で、コンビニ利用率を求めなければなりません。つまり、2つの主要な変数の分散が大きくなり推定値が大幅にずれる可能性があります。
②マクロ的な観点から推定する。
コンビニでの総消費額からの割合の算出、コンビニ利用者人数のうちのNewdays割合等ありますが、今回は特に立地と店舗形態が特定された非常にミクロ的な推定である以上、わざわざ変数が荒くなりがちなマクロ的観点からの推定においても不適格であると考えます。
③レジの稼働状況から利用客数を推定
最終的にここに行きつき、満足している人も多いのではないでしょうか。しかし、1点注意して頂きたいのは、
あくまで複数のアプローチを検証した上で、③のモデルに至ったことを面接官に示すことです。
正直、もぐら自身(なんで1人称もぐらやねん)、このコンビニ推定の類においてレジの処理人数からの推定が有効なアプローチであることは百も承知です。ただ、なぜわざわざ上記の他のアプローチを紹介したかといえば、あくまで「ケースを解くこと」ではなく、「ケース面接を突破すること」を主眼に置いています。
ケース面接において面接官に説明するとき、「1つのモデルに最初から突っ込んで深堀する」場合と、「複数のモデルを提示したうえで最適アプローチを論拠とともに選択し深堀はじめる」場合ではどちらが「有能そうに見える」「説得力がある」かは一目瞭然ですね(結構大事なこと言ってます)。常にメタの視点から物事を捉えられといいですね!ま、もぐら、目ほぼないんですけど。。ヨホホホホ
(Clear throat)
はい。では、③を深ぼります。
ウ)営業時間
営業時間は、山手線利用者の主要利用時間帯をターゲットとする顧客の利用時間であると推定し、7時~24時であると仮定します。
エ)レジの1時間あたりの最大処理可能人数
1人の通常の利用者をさばくのに必要な時間を算出します。
山手線沿線であることから、コンビニ利用者の9割以上が何らかの交通系ICカード(suica, PASMO等)を保有していることから一人をさばくのに必要な時間は比較的短く、通常の利用客であれば15秒と仮定します。
また、たばこやホットフードの利用、ポイントカードなど利用する顧客も多くいますよね。この場合、+15秒くらいかかりそうですがNewDaysは、
①急いでる利用者数が多いことから上記利用者数が少ない
②基本的にポイントカードを提示する必要がない(JREポイントというポイント制度があるが、suicaで支払うと自動でポイントがつく)
の要因から、期待値+5秒(1/3の人が該当)とし、平均20秒と仮定してます。
つまり、レジが3つある場合の最大処理可能人数は、
で、で540人/hということになります。
オ)稼働率 & イ)1人あたり単価
最後にオ)稼働率を推定し、ア)1日当たりの利用者数が算出され、次にイ)1人あたり単価を推定するのですが、今回は、いずれの変数も営業時間帯と連動して変動することから、営業時間ごとのオ)稼働率 & イ)1人あたり単価を以下のように算出して、仕上げたいと思います。
通勤時間帯の特性ごとに、大きく4つの営業時間帯に分解し、それぞれにおいて、レジ稼働率と1人当たり単価を算出しました。
数字の論拠が細かくなりすぎるので、オ)稼働率とイ)1人当たりの単価についてはの詳細は記載しませんが、
オ)レジ稼働率においては、通勤者数の時間別分布にアラインし、
イ)1人あたり単価については、各時間帯の利用者の特性別に各商品ジャンルの購入率と購入量の期待値を計算し以上のような値を算出しております。
また、コンビニの各商品ジャンルとは以下のように設定しております。
以上の表から算出すると
1日当たりの売上は、約52万円と導き出されました!!
私のモデル化のプロセスを整理すると、置いた変数の縮図とその値は以下のようになります。
今回は、いかにNewdaysの特徴を生かし切るかが、オーソドックスな問題で差別化するためのカギかもしれません。
あなたが解いたフェルミが、「Newdays」ではなくて、「一般的なコンビニ」で成り立ってしまっていませんか??今一度振り返ってみてください!
実際の1日あたり売上をNewDaysの運営会社、JR東日本リテールネットの出している資料から検証してみましょう。
(引用元:https://corp.j-retail.jp/company/shueki.html)
2018年で考えてみると、NewDaysの売上高は1,018億円、店舗数は492店舗なので一店舗あたりの年間売り上げは約2億円、1日あたりでみると、約56.5万円ですね。
これはかなり筋がいいですね!(*^^*)
(※もちろんしっかり解いた後にはじめて検証しております)
皆さんはどのように考えましたか?ぜひ考えてみて、もし良ければDM・LINE@でどしどし教えてください!
上の図にはKIOSK(駅のホームにあるレジが一つの小さいコンビニ)のデータも載っていますね。KIOSKの2018年の売上高は211億円、店舗数は299店舗なので一店舗あたりの年間売り上げは7,057万円、1日あたりで見ると、約19万円になります。
先ほど、NewDays一店舗の売り上げをレジ三つ分で推定し、約52万円と算出されましたが、レジ一個だとすると1日の売り上げは約52万/3 = 約17万 となるので、ほぼKIOSKの値と一致しそうです。だからといって今回考えたモデルが通じるとは限らないのですが一つ面白いことがわかりましたね。
おまけ:コンビニや、キヨスクの一店舗あたりの売り上げは?
せっかくなのでコンビニの売り上げも見ておきたいなと思います。
(引用元:https://www.ssnp.co.jp/news/distribution/2019/10/2019-1024-1653-14.html)
上記の下から五行目、全店平均日販を見るとわかるのですが、主要なコンビニの一店舗の1日の売り上げは
セブンイレブン:65万9千円
ファミリーマート:54万円
ローソン:54万3千円
(NewDays:56万円)
ですね!NewDaysと大体同じくらいの値になるようです。
NewDaysは普通のコンビニと違って全て駅にあるので売り上げにも違いがあるのかと思っていたのですがこの考察からは読み取れませんね。
依然として立地に強みがあるので、その強みを活かせばまだ売り上げを伸ばせそうな気がしますね、、。あなたがNewDaysの運営側だったらどんな施策を打ちますか?ぜひ考えてみて教えてください!
(リツイート数次第で「Newdaysの売り上げ向上施策」書こうかな( ̄▽ ̄))
また、この値で注目すべきはセブンが他コンビニと比べて10万円も一店舗あたりの平均日販が大きいことでしょうか。なぜ何でしょう??
これも考えてみるといいケースの練習になると思います。
ヒントは売り上げを求める式にあります。
ケースの練習をする時は、実際のデータと照らし合わせること、そして、関連事項にも視野を広げて調べることを癖にしましょう!その少しの努力が差をつけると思います!
以上ここまで読んで頂きありがとうございます。もし、「この考え方どうですか??」「このモデルはちょっと違うんじゃない??」等あればなんでもどしどしDM・LINE待ってます!
サポートも嬉しいですが、自分のnoteをTwitterでシェアやリツイートして頂けると飛んで喜びます!!