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《Writers Lab》あの歳の自分

20歳まで残り2週間。テレビでショッキングなニュースを見た。海外で起きた恐ろしい出来事。何が起きているのか、理解が追いつかず、テレビ画面に釘付けだった。

19歳、自分のことでいっぱいいっぱいな頃だ。余裕が無いのは今だって変わらないけれど、あの時、いよいよ大人になるあの時、それは今とは違った不安や希望が渦巻いていた。

飛行機がビルに突っ込むショッキングなニュースに心がいろんな感情で揺らされながら、僕は《peace song》という歌を書いた。押し潰されそうな中で必死に《希望》を書いた。


 21歳の春、《夜桜》という歌を書いた。夜中にサビが浮かんで、ギターを持ち歌った。その瞬間、花火が上がって驚いた。4月1日、旧静岡市と旧清水市が合併し上げられた記念の花火だった。あの時作ったものを37歳の僕が物語としてアレンジしたのが短編《夜桜》

短編《夜桜》は37歳、烏森柘榴さんの朗読によって音声化され、自分1人では到底創ることのできないほどの作品となった。

18歳で書いた曲《元気でいますか》も37歳、小宮千明さんの朗読によって音声化され、掛け替えのない作品となった。

烏森柘榴さんの《夜桜》小宮千明さんの《元気でいますか》は37歳の僕が手にした宝物だ。

37歳の僕を振り返ると、とてもとても恵まれた歳だった。自分の書いたものに命を吹き込んでもらう、という素晴らしい体験を沢山した歳だった。尊敬できるアクターやライターに出会えた歳だった。それはつまり、全てボイスブックコンテンツ“Writone”で起きた奇跡なわけで。僕の37歳はWritoneと過ごした歳だった。



振り返る。今この瞬間も、そしてその次の瞬間も、きっと“今”のことでいっぱいいっぱいなんだろうけれど。時々少し、振り返ってみる。僕はどんなふうに生きてきただろうか、振り返ってみる。あの時あんなことをしたな、この時こんなことをしたな。いっぱいいっぱいの日々の中で、僕は何を精一杯やったかな。あぁ、あの歳の僕はあんな事を精一杯やったんだったな。

さぁ、今を、38歳の僕をいつか振り返った時に思い浮かぶものは何だろう。誇りに思うことができるものを残したいな。いっぱいいっぱいの日々を、精一杯頑張ろう。



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進藤海/六月雨音/ようじろう/小宮千明/モグ。4人のライターがそれぞれの担当曜日に、ジャンル問わずそれぞれの“書きたいこと”を発信。

ボイスブックコンテンツ《Writone》より集まったライターによるリレーマガジン。

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