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ゴブリンモード

今年最後の変化は、新聞を取り始めたことだろう。1週間ほど前から朝刊を取り始めた。昔、父が会社に行く前に必ず読んでいた新聞。前職の職場にはメジャー5紙の新聞がそろっていて、毎日読んでいた日々。私にとって新聞はなんでも検索できるネットニュースより、信頼感があり、何より自分が知っていることや探していること以外の事も教えてくれる「発見」を楽しめるメディアなのだ。

 さて、そんな新聞から、今日面白い言葉を発見した「ゴブリンモード」。
意味は、悪びれることなくわがままに怠けたり、だらしない姿勢。もしくは、欲張りなことだそうだ。たいていの場合は、社会規範や社会的期待を拒否する振る舞いと、オックスフォード大学出版社が作成している英和辞書には示されている。この言葉は、多くの国でロックダウンや行動制限が解除され、頻繁に外出できるようになった一方で、“普通の生活”に戻ることに抵抗している人の気持ちをよく表していると言葉だという理由で2022年の流行語として選出されたそうだ。

 最近の自分の生活を振り返ると、まさにゴブリンモードだった。娘を幼稚園に送り届けた後には、1時間の散歩に出かけ、高齢者の方々とすれ違うたびに挨拶を交わす。仕事は在宅で、化粧はお肌ケアを考えて速攻落とす。服もジャージに着替えている。なるべく家から働きたい。無駄な人込みを避けたい・・そんな意識がかなり強い。でも、こんな自分の状態をゴブリンと表現できるなんてことは、考えもしなかった。そもそも、ゴブリンってヨーロッパで伝承される伝説の生き物で、ロードオブザリングでしか見たことがない。しかし、実際に世界中にゴブリンがいるようだ。ビジネス界でも有名なメタバースという言葉を抜いての堂々の1位獲得。コロナ禍で、よっぱどゴブリン族が増えたのだろう。

 そして改めて、私というゴブリンは悟った。私はゴブリンで居続けたい。自分の楽な服で仕事し、好きな時間に息抜きし、集中して考えた自分の思考をアウトプットしたい。もちろん、人がいることで受ける刺激はたくさんあるが、これまでの自分を振り返ると、自分よりも他人の意見を優先する傾向が強かった。それだと、ぶつけ合える意見を持てずに、結果的によいものも生まれない。人間社会は毎日忙しく、立ち止まって自分の考えを考えたりする暇さえないことがある。コロナはそんな日々をスローにさせ、人に考える時間を与えてくれた。そんな機会は、めったになりことなんだと思っている。だからこそ、その過去を生かし、私は今日もゴブリン全開モードでいきたい。

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