見出し画像

私の青春~そして狂った恋愛観への始まり 第二章


彼との付き合いは順調だった。身も心も完全に許し、ずっと傍で腹を出して甘えた犬のようだった。

彼との付き合いは公認になり、若さもあったのか、甘さもあったのも事実。家で騒動からあまり日が経たない頃、生理が来なかった。
直感で妊娠したと思った。すぐ彼に言って、まずは病院に行くことにした。学校帰りに学生服の服の二人が産婦人科にいるのは今思えばさぞかし目立っただろう。
結果、私は妊娠していた。16歳の私には産む勇気も育てる自身もなかった。きっと彼もそうだった。
そしてなにより親には言えなかった。

中絶する方向で彼はお金の工面(カンパ)、手術の同意書には彼は未成年だから無理なので知り合いの成人に頼んだりと。学区の高校性の噂は早いからすぐに広まった。
手術までの間、産めないお腹の命に私ながら何度も涙した心で謝った。情緒も不安定になった。

彼は毎日体調を気にかけてくれてはいた。それも切なかった。手術直前の帰り道バス停まで送ってくれた彼に私はまた言いかけて『なんでもないバイバイ』と別れた。
バスを降りてバスの真後ろに原付の彼が居た。私は驚いて泣き出してしまった。私の様子がおかしかったからと。『どうした?不安だからだよね。』
彼には病院でのカメラでぴょこぴょこ動く赤ちゃんをみて産めないのは分かってるけど、どうしてもそれが辛い。どうにもできなくて申し訳なくてでも、産めるかって言ったら
自信なくてでも好きな人の子だからもうどうしたらいいかわからないと。
その日はどれだけ泣いたか分からない。彼からは後日手紙をもらった。いつか結婚して~って内容だった。

賛否両論あると思う。私もあの選択が正しかったなんて胸を張るつもりもない。自分の中にできた傷は責任をもって背負っていくつもりでいる。

手術中は全身麻酔なんだけど、私は泣いて少し暴れて抑えられたのをうっすら記憶している。
麻酔から覚めると枕元には病院の方が用意してくださった小さなおにぎりがあった。
こんなに悲しくてもお腹は空くし、なんなんだろう。小さな一口で食べたおにぎりが喉を通らないつっかえた感じ。泣きながら食べたおにぎりの味を今も覚えている。

術後のしんどい体で普段と変わらぬ風に振舞うのは大変だった。
ただ、うちの母は凄かった。術後に出血があるのでつけていた分厚いナプキン。通常の生理用品と違いたまたま母も生理だったのか汚物入れを見て気付いたのだ。
多い日用とは異なる、出産した人ならわかるかもしれない。
術後翌日にバレたのだ。
そして彼は呼び出し。
どうして言わなかったと泣かれた。だから言えなかった。どのみち泣かれた。泣きたいのは自分で親にまで泣かれたらもうどうしたらいいのか分からないから。
でも、親ならそう思うよね。親になって痛いほどわかる
若い二人で良い付き合いをしてると思うから、これを理由に仲が悪くならないよう、今後はもう親にもう大人な付き合いをすることと言われた。
罵倒されぶっ飛ばされるくらい覚悟していた彼、私も少し意外だった。

付き合って早々この出来事もありつつ、彼とは変わらず過ごしていた。
月日が長くなればなるほど、いつか彼と結婚して親になりたい。その想いは強くなっていた。

彼は人をつまらないことで裏切ったりしない、ましてや浮気なんて皆無だと思っていた。それでも自分に自信が持てない私はどこかで怯えていた。
ある日、彼の友達と三人で帰宅中にその友達がおそらくわざといたずら心なのか彼と女の子の話をした。
なんてことない話だったのに私は気分を害し拗ねてしまった。その理由を言えばいいのにプライドが許さない。電車を下車した後も彼が話しかけるのを完全に無視した。
最初は問いかける彼。それでも無視する私。彼も諦め、私のカバンに入れてた荷物だけ返して~帰るからと(学生カバンは持ち歩かない人(笑))
それでも無視した。なんだか背後に嫌な感じたことない雰囲気を感じた...。
背後から私の左にちょうど位置していた電柱にものすごい音がした...彼がウキウキと貰って喜んでいた松嶋菜々子のクルクルされていたポスターがクルクルではなくなり
ベッシャっとなる勢いで投げつけられたのだ。あまりの驚き(たかがポスターでこんな音するのかとポスターの無残な姿に怯えた)振り返ると...
彼は絵にかいたようなヤンキーに変貌しているではないか!!昔見たビーバップハイスクールそのものだ。
待ちゆく人にがんたれ、異常なまでのがに股で闊歩!!人様に危害がと恐怖よりも私が理由なこの状態に焦った。
とにかく謝った。元々やんちゃなのは聞いてたけど、いつも優しいから見たこともない彼に怖くなった。とても冷たくあしらわれつつも謝り、ただ必死についていった。
子犬のように...どうにか1日で収まったものの、なんだかこの日を境に少し彼に遠慮?顔色をみてしまう私のようになったのも事実。


休みでも会える限り会っていたけど、私の知らない部分は常にあった。
激やせした夏(どうやら薬?ガス?シンナー?のどれか)
地元の先輩後輩、なんやら地元のしがらみ


でも何でもかんでも知られたくないのかも、うざがられたくない。付き合って長くなるにつれて私は彼との接し方が分からなくなっていたのだ。
高3になり進路を決める際、彼は言っていた。自分一人なら保育士とかなりたいけど、今大学でないと色々選択肢もないからとまさかの大学受験をすると予備校に通った。私は勉強もしたくないし受験もいまいち分からないし、推薦でまさかの短大落ちて、もうこうなったらカリスマ店員とかを夢見るどうしようもない子だった。
結果、親にどこでもいいから行きなさいとAO入試であっさり短大へ。
彼はまさかの北海道の短大へ(そこから編入予定~と)まさかの遠距離だった。突然の決定。
北海道なんて一言も聞いてない。決定してから言われるなんてどうしようもできない。泣いた。けど、どうしようもないことだった。
ねえ、私はさみしいのが一番嫌で近くにいてくれないと駄目だったんだよ。
ただいてくれれば、私貴方だけを見れてたのに...

私の青春~そして狂った恋愛観への始まり 第二章  ~完~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?