オンコリスバイオファーマ 2020年12月期中間決算説明会動画書き起こし

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え~浦田でございます。
本日はお暑い中、またコロナウイルスが拡大している中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。
私、プレゼンの時だけはマスクを外させていただきたいと思います。
なかなか声の通らない場合がありますのでご容赦いただきたいと思います。
それでは2020年12月期中間決算の説明会を始めたいと思います。

で、本日は上半期トピックスをお話しさしあげて、まぁこれあの営業上の問題ですが、テロメライシン、次世代テロメライシン、コロナウイルス治療薬、あるいはOBP-601の状況、そして最後にテロメスキャンの状況をお話ししまして本日の会を終わりたいと思います。

まず、今期の上半期の決算でございますが赤で囲ってある通りでございまして、売上高1億3600万円、営業利益・経常利益・当期純利益ともに6憶6000万円程度の赤ということになっております。
この数字は下の段にございますように2019年の上期6億2100万円の売上に比べますと4億8000万円ほどの下振れになっております。
参考までに2018年、その1個前におきますと9000万円でございますので、まぁだからいいという訳ではないですけども・・・
今期の売上でございますけども、まずOBP-601の新規ライセンス、後程お話しますけれどもアメリカのトランスポゾン社への契約‪一時‬金の収入、それからもうひとつはメディジェン、テロメライシンの提携先がございますが、そちらからのテロメライシンの開発協力金が入っております。
それ以外に702次世代テロメライシンの岡山大学からの業務請負収入が入っておりまして、合計1億3600万円というふうになっております。
その内、研究開発費は上期で4億2000万円程使っておりまして、先と比べますと3億4000万でございますので、より研究開発が増大してるといいますか・・・研究開発が進められてるというふうに考えております。
上半期終了時点での現預金は26億円超でございました。

今後、これから当期の新しいアチーブメント等をお話しさしあげるわけですが、ここにございますようにオンコリスバイオファーマという東京の会社以外にすでに3年前に、右にございますタリア・ビランという、元ヤンセンあるいはメルクのオンコロジーグループのリーダーでございました彼女がオンコリスUSAの社長で就任しております。
今期はこの左側にございますフランク・トゥファーロという人間ですが、彼はアメリカの腫瘍溶解ウイルスの非常に進んだ会社でございますDNAトリックスという会社で昨年まで社長を務めていた人間でございます。フランク・トゥファーロと私、前職の頃から知り合いでございまして、腫瘍溶解ウイルス、まぁ最初はヘルペスウイルスやってきたんですけど、その後アデノに変わりまして、アメリカで非常にいい成績ですね、特に脳腫瘍領域でフェイズ2まで終えて非常に良い成績で終わったんですけども、今後いろんな提携をする或いは最終的な臨床試験に入るということで、彼は後任にバトンタッチしてフリーになったんですけども、一緒にやらないか?ということで入ってきてもらったわけでございます。
こういった体制で今後我々のパイプラインをドンドン進めていってライセンスに繋げていきたいというふうに考えております。

当社創薬の状況ですけれども、もうみなさんご存じのようにウイルスというものを、キーワードを中心としまして、「がん」それから「重症感染症」ということでこれまでやってまいりました。「がん」というのはテロメライシンとか或いは第2世代のテロメライシン、OBP-702ですね、こういったものが中心で開発されておりまして、一方「重症感染症」はこれまでOBP-601というのが抗エイズ薬として‪一時‬はBMSブリストルマイヤーズスクイブ社とライセンス関係にあったんですけど、残念ながら一旦戻ってきております。
今回、重症感染症としましてOBP-2001という化合物が特定されてまいりまして、これもコロナウイルスに対する治療薬として開発を今急いでるところです。
で今回、OBP-601につきましては、トランスポゾン社と提携することによって新たに神経変性領域ですね、ALSやアルツハイマー病とか、それ以外の神経難病に対する開発がいよいよ始まるという段階にきておりまして、新たな創薬ターゲットが出てきたわけですが、これは我々があえて神経変性疾患をこれから幾つかそろえていこうという状況にはまだないということでございます。
あくまで「がん」と「重症感染症」を中心に当社では進めていきたいと考えております。

現在、左側の方の天秤ばかりがあるんですけども、非常にお金がかかっている状況でございます。
テロメライシンの商業向けの製造、これに関しましても中外さんとの約束で我々が主導で製造方法の確立あるいは大量製造の方法、いわゆるプロセス改良、こういったものは我々中心でやっていくということなので、まだここには少しお金がかかってまいります。
それ以外にございますように、702あるいは2001の開発費が出てくる、こういうふうになりますので、収入よりも開発費の方がかかるという状況ですけども、今後3年間のあいだにテロメライシンは中外製薬では鋭意承認に向けて開発が進められておりますし、こういった将来のライセンス料も含めてロイヤリティを期待しておりますし、702も早く臨床の結果を出してライセンスに結び付けたい、当然コロナの化合物も早めに提携関係を結べればというふうに考えておりますので、収入の方が開発コストよりも上回る日が来るように我々は努力していきたいと考えております。
 

さて、テロメライシンの状況でございます。
アチーブメントとしましては左上にございますように、今年6月、6月だったな・・FDAから食道がんに対するオーファンドラッグ指定を受けまして、これは大変名誉なことなんですけれども、アメリカでも食道がんに対する治療薬、局所の治療薬はない、こういう状況でしゃんとがんばって許可とってきなさいよって、その代わり7年間の先発権あるいはFDAからの優先的な助言・相談を受けられるということでございますので、このへんはオーファンドラッグ指定を充分に駆使して臨床試験を進めて行きたいというふうに考えております。
一方でこの下にまいりましてハンルイ、中国の抗がん剤メーカーですが、6月にやはりライセンス関係を解消しております。理由としましては、前もお話ししたと思うんですけども、臨床入りの計画が2年以上遅れておりまして、なかなか先が見えないという状況が続いておりました。ただ、テロメライシンの効果とか安全性とか、あるいは製造上に問題があったわけではなくて、あくまで両社で話し合って、ハンルイ社もPD1抗体の開発が非常に金がかかると、こういう状況の中で提携を解消したわけでございますが、こうなりますとテロメライシンのテリトリーは中外さんが今、日本・台湾でのライセンスを持っておりまして、それ以外はオプション権として中国・香港マカオ以外の世界の権利を、オプション権を中外さんが持っているということで中国をどうするかというところで、我々も今後も中国企業と組んでいくのか、あるいは中外製薬さんを中心とした国内の製薬メーカーに持っていただくかいろいろ話しています。
で現在、契約先を探索中というよりも、具体的に、えー、まぁ、デューデリジェンスに入ってきている状況でございまして、できるだけ早い段階で中国のテリトリーにつきまして相手先を決定していきたいというふうに考えております。
それから右上にまいりまして中外製薬の状況でございますが、現在食道がんを対象に開発が進められております。
まず放射線併用のフェイズ2、これも中外製薬さんで進められているんですが、みなさんご存じの通りでコロナの影響でいろんな医療器具が不足するということ、もちろん治験なんかやってる場合じゃないよっていう時期がありました、段々解消されてきてるようでございますけれども、中外製薬としては2022年の承認申請予定、このスケジュールには変更がないというふうに聞いております。
もうご存じのように2019年には先駆け指定が下りておりまして、これを利用して中外製薬さんはPMDAと相談をしながら、こういう状況でございます。
それ以外にもここにございますように、日本国内で放射線化学療法、まぁCRTって言ってるんですけど、ケモラジなんて言うんですけどケモラジと併用で食道がんのファーストライン狙いといいますかね。中外製薬さんは食道がん以外にもどんどん効能追加をしていこうというような開発計画になっているようでございます。
一方当社でございますが臨床試験としましてはここにありますように、アメリカでのケモラジ併用試験、これがいよいよスタートするという段階ですが、これもニューヨークが中心ですのでまだまだアメリカも、治験は充分できる状態だよとは聞いてるんですけども、やっぱりややスローな感じでスタートされております。
それから肝臓がんは韓国・台湾でやったものは全部終了して年内にファイナルレポートになります。
胃がん、あるいは頭頚部がん、こういったものもいよいよフェイズ2で、胃がんは前から進んでいたんですけども、頭頚部がん、契約が若干遅れていたんですけども、いよいよ契約が整うことになり//これ以外にも先ほど申し上げましたように、当社ではGMPサンプルというか商業用の大量製造に向けてのプロセスバリデーションといったことを、ロンザという会社と行っているという状況でございます。
このようにテロメライシン、まだまだやることがたくさんございまして、なんとかいい結果に導かせて、世界展開、世界のオプション権の更新まで持っていきたいというふうに考えております。

で、テロメライシンのパイプライン、これの全ての総合でございますけれども、状況がこのようになっておりまして、一番上のフェイズ2//2022年に放射線併用が日本国内で承認申請される予定になっております。それ以外にもフェイズ2は胃がん、それから頭頚部がんとか肝細胞がん、こういったもので進められてるというふうな状況になっております。

つづいて次世代テロメライシンOBP-702の状況でございます。
これも何度か皆様にプレゼンさせていただいてきたものでございますが、このテロメライシンというウイルスがもともとあって、これにアドべチシンという昔あったp53の遺伝子治療というのがあるんですけど、これをハイブリッド型したウイルスがこのOBP-702、右側にある図でございまして、テロメラーゼプロモーターがあって増殖カセットがあって、尻尾の方にp53という強力ながん抑制遺伝子が入っているわけでございます。
で、あのまぁ、特にp53に着目するというのは、もうがんの研究の非常にファンダメンタルなとこでございまして、特にがん患者の3~4割でp53の遺伝子欠損とか異常がある、それでがんが酷くなるという方がたくさんいらっしゃるんですね。こういった患者様に対してテロメライシン以外のp53という遺伝子を入れることによって、テロメライシンの活性の10倍から30倍強力にする、こうしたものが702でございまして、簡単に言うと、こういったテロメライシンががん細胞に感染するとがん細胞を殺していくんですけども、、、

ところがこの間質細胞というのがございまして、テロメライシンはこの間質細胞を破壊してさらに侵出していくという力が弱いわけです。
この間質細胞をキャンサー・アソシエイテッド・ファイブロブラストなんて言いまして、がん関連の繊維芽細胞なんですけど、こういったものががん組織にいっぱいあって、こういったものががんの治療の邪魔になっていくわけですね。膵臓がんですとか卵巣がんというのは、こういう間質系の細胞が非常にリッチでございまして、こういう細胞は既存の抗がん剤もあんまり効かないわけです。
一方この702というのは、これまでの岡山大学の検討結果ではがん細胞を強力に殺すだけではなくて、この間質性細胞、キャフ(CAF)ですね、こういったものも破壊する、それで外にどんどん飛び出していくということがわかっておりますので、より強力ながん殺傷効果が期待できるというふうに考えておりまして、、、

特に702ではアンメット・メディカル・ニーズながん、当然そういったがんを狙うわけですけども、特に局所で悪いことしてるものを狙うということはテロメライシンの頃から同じなんですけど、やはりなかなか狙い難かったがんに対して我々はチャレンジしていきたいというふうに考えております。特にp53の遺伝子欠損でがんになったような人もたくさんいらっしゃいまして、そういったものが右にあるような膵臓がんとか直腸がん、骨肉腫、乳がん、あるいは脳腫瘍といったものがあるわけですけども、これ全部やるわけにはいきませんので、できる限りいい、早く効果が出るようながんを狙っていきたいと思っております。
今年につきましては702について神戸の、我々のリサーチラボがあるんですけども、ここでウイルスのGMP製造用のリサーチ・ウイルス・バンク(RVB)の製造に我々が成功したということでございます。これをすでに一部のサンプルで毒性試験は開始されておりまして//ウイルスが出来てくれば当社は毒性試験やその他のいろんな試験をやっていくということで//これはアメリカでやると思います。フェイズ1をアメリカでこなした後で、いよいよ日本で、アメリカのフェイズ1の結果を見たうえで日本国内で治験申請をして、おそらく岡山大学がまた中心になると思うんですけど、国内での効果を確認という段取りになっていくというふうに考えております。いよいよ702の開発が本格化されてまいりました。

実際どうするかというと、今までのエビデンスから考えていきますと、膵臓がんというのがひとつありまして、難治性のがんで、いろんな製薬メーカーが膵臓がんでチャレンジしているんですけど、割とうまくいかない、いまだにケモセラピーしかありませんし、見つかった段階でほとんどがステージ3bかステージ4になっているということで、余命が非常に短いと、こういったものに対して局所再発あるいは進行性の膵臓がんに対して、胃カメラを使って胃の部位から702を膵臓のがん局所に注射をするというプロトコルがすでに考えられておりまして、化学療法との併用をおこない、ある程度がんを縮小させた後でPD-(L)1抗体でフォローすると、こういったプロトコルになるようなんですけど、すでに動物実験なんかは進んでおりまして、今後患者の生命予後を延長できるような薬にしていきたいというふうに考えております。
それ以外にやはり局所で悪いことして特に強力な局所効果が必要とされるのが直腸ないしは肛門のがんでございまして、こういったがんも深くまでがんが浸透してると肛門自体を取ってしまわなきゃいけない、肛門を取ってしまうとお腹にこういった人工肛門、ストーマというのをつけなければならなくて、非常にQOLが悪くなるんですが、こういった直腸がんに対して我々もうひとつチャレンジしていきたい、局所の再発/進行性のがんですけども、ケモラジとの併用というのが、ケモラジというのがスタンダードなセラピーになっておりますので、これに上乗せを検討していきたいと思っております。

それ以外に、さらに岡山大学の検討結果ですけども、骨軟部肉腫いわゆる昔からいう骨肉腫といって、筋肉にできる、全身の筋肉にできるがんがあるんですけども、ユーイング肉腫なんていって若い人に起こるんですけども、とにかく取っていくしかないという状況でございまして、こういったものに対してもテロメライシンを応用していきたい、ただ全身わりと全体にできるのでたくさん注射するというよりも、骨肉腫というのは免疫誘導しやすいというふうに言われてまして、ある程度局所で治療しながらPD-(L)1抗体なんかと併用して効果を狙っていこうということで、これも今アメリカでKOLとの話し合いになってきております。
こういったような形で開発を進めて行きたいというふうに考えております。
今年のアチーブメントとしては岡山大学がメインなんですけども、もう702に関しては、もう4つの論文が出て、メカニズム解明をしたとか、あるいはオステオサルコーマ骨肉腫に対して効きますよ、ニューロブラストーマですから脳腫瘍に対しても効果が非常に強くでましたよということ、当然膵臓がんに対しては、あるひとつのシグナルですね、ERKというシグナルを利用して効いているんだよというような、メカニズム解明の論文が出ております。
とにかく早く製造が終わって、INDができるようにするというのが当面の我々の課題でございます。

 次にコロナウイルス治療薬の状況でございます。

コロナにつきましてはいろんなニュースが、ニュースでもマスコミで出てるんですけども、まだまだ安心はできない状況でございまして、感染しても重症化しないじゃないかとか、死亡率は低いじゃないかとか、とはいっても世界的な規模でみるとまだまだパンデミックは止まらないわけでございまして、こういったものにとにかく早く、スピード重視で開発していきたいというふうに考えております。
あのーまぁ、ワクチンというものも当然たくさん出てきているんですけども、ワクチンも作るのは簡単ですけども、これが本当にエフェクティブに発症を予防するようなワクチンになるかどうか、かなり時間はかかることでございますし、ワクチンも100%ではないのでやっぱり感染してしまって、これから中等症・重症化する人に対する手立てというのがないわけですから、我々はこういった治療薬は非常に重要だと思っております。
鹿児島大学との共同研究、これまでC型肝炎、B型肝炎などで鹿児島大学といろいろ化合物を試してきたんですけども、今回このSARS-COV2というコロナウイルスに非常に強く効くというものが出てまいりまして、レムデシビルと劣らぬ活性を持つものが出てきました。
で、その第一次スクリーニングで挙がってまいりましたのが、このOBP-2001というものでございまして、詳細な構造式はまだ特許の関係上、全部はお出しできないんですけども//特定されております。
現在、大量製造法の検討に入っておりまして、毒性試験もすでに一部は始まっております。で、あとはメカニズム解明でございまして、これまでの結果ではレムデシビルとは違うメカニズムでウイルスの増殖を抑制してるということがわかってきております。
なんとかAMEDなどの助成金を利用していきたいと思います。
現在この2001というのが特定されておりまして、来年もう治験申請ができる予定になっております。特に毒性試験等はわりと短期の投与になりますので比較的軽く済むのではないかというふうに考えております。
ただこれが絶対的にいい化合物かどうかということは、まだわからないので今バックアップ化合物のスクリーニングもやっております。//明らかに活性強いものが出てまいりましたら当然今の2001にするのか、あるいは新しいものにするのか、あるいは両方とも持っていって、とにかく早く臨床に到達するものを優先するのか、こういった判断時期が来るのではないかというふうに考えております。
これまで毒性試験等でなにか臓器障害が起こるとか、大量投与でなにかが出るというような状況はございませんので、安全性上はあんまり問題ないだろうというふうに考えております。
血中半減期もだいたい‪5時‬間ぐらいございますので、経口投与ができるんじゃないかというふうに考えております。//

これ、みなさんご存じのようにいろんな阻害剤あるいはワクチンが出てるんですけども、少なくともレムデシビルなんかはもともとエボラの治療薬でございましたので、特にコロナに特異的なものではないわけですね。
それ以外にもインフルエンザ薬を流用しようとか、あるいは抗エイズ薬のプロテアーゼ阻害剤を流用しよう、あるいはプロテアーゼ阻害剤ですねカモスタット、まぁこれ私が小野薬品時代にやったやつなんですけども、クロロキンのようなものを流用しようと、ドラッグリポジショニングのような考えで開始されてるんですけど、我々は最初からコロナでスクリーニングアップされた化合物を早めに、来年、あるいは遅くとも再来年の初めには臨床で使っていると、臨床試験やってると、こういう状況にしたいと思っております。それでもまぁ遅いと思いますので、もっと早く臨床に上げれるような方法を考えていきたいというふうに思っております。//

これもみなさんご存知のように病気ごとにですね、予防薬やワクチンはみなさんよくご存知の状況で、ただなかなかワクチンを作っても抗体が長続きしないんじゃないかとかいろんなこと言われてる、これからの結果待ちですけど非常に重要な領域でございます。
軽症から中等症はこういった低分子が狙うんですが、特に最近ではメルクが核酸誘導体で臨床に入ったというふうな情報も入っておりますし、塩野義さんもおそらく同じようなインフルエンザ系の薬で入ってくると思うんですけども、この辺競合がございますが、軽症から中等症で狙っていきたい、要は症状が出て早く病院を退院できるように、あるいは隔離が早く短くなるようにといった、そういう薬を狙うわけです。
レムデシビルはだいたい中等症から重症が狙われてるわけですけども、こういった本当に重症で使うようなサイトカインストームの薬とか、あるいは抗体血液療法、これもなかなかコストが高いのでそう簡単には使えないと思うんですけれども、あと血栓予防剤、このへんはかなり病態が進んでからのものでございますので、我々のようにコロナウイルスに特異的な増殖阻害を狙って早期に使えて、尚且つ経口投与ができる、在宅治療ができる、こういったところが非常に重要な領域だというふうに考えております。
特に最近、ある病院の院長先生といろいろお話したときに、最近はもう手術する時もお医者さん側がコロナ持ってるのか患者さんが持ってるのかわからない状況で、オペすらするのがもう本当に怖いというお話を聞いております。そういう方に対してもこういった低分子経口薬、レムデシビルでもいいんですけれども、ある一定期間治療してウイルスが陰性になってからでないと安心してオペができないというような現状を聞いております。そういったことを考えましても一刻も早く臨床に入って、え~まぁなんて言いますかね~先駆けみたいな、あるいは条件付きな承認を得て、安全に使えるようにしていきたいというふうに考えております。

このように特異的な阻害剤であり、経口投与ができて、レムデシビルと作用点が違うので併用ができる、そうするとよりしっかりコロナウイルスを抑えることができるようになるのではないかというふうに考えております。
こういったことをやるというのは我々としても大袈裟な言い方ですけども、健康な健全な医療と早く世界の経済を元に戻したいという気持ちでがんばっていきたいというふうに考えております。

 え~次に、すいませんたくさんございまして、OBP-601でございますね。

これはもともと核酸系の低分子化合物でございまして、もともとHIVの基本治療薬にするということで開発してまいりましてブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMS)さんと2014年前半ぐらいまで提携してやってきたんですが//いよいよ新しいメカニズムがわかってまいりまして、このトランスポゾンという会社と神経変性疾患領域で開発するということで提携をしてきました。
この601の大きなメリットというのはブリストル・マイヤーズ・スクイブさんと組んできたおかげで前臨床試験がほとんど終わってると、長期の毒性試験、あるいは含原性試験まで終わってるということで、これは非常にアドバンテージになるということ、それから大量製造法ももう既に出来てるということで、一刻も早く臨床試験に入るということで今トランスポゾンが動いてます。
トランスポゾンはもともとこのアクセリウス(Axcelius社)というベンチャーキャピタルが出資してできた会社で//で、オンコリスからものの権利を持ってく、もちろんその後ろにはイェール(Yale大学)がついてるんですけども、あとメカニズムに関してはブラウン大学が持っておりまして、こういった状況でやっていきます。
で、社長のエックアード・ウィーバーという人間ですけども、もともとこのドメイン(DOMAIN社)というベンチャーキャピタル、1985年にできたわりと大きい有名なキャピタルらしいんですけども、そこにいました。彼はMD(医学博士)でございまして非常にサイエンスには長けております。
トラックレコード(経歴・実績)ではシンダックス(Syndax)というような会社をIPOさせたり、あるいはM&A、ここにございますようないくつかの会社をM&Aに成功に導いてるというトラックレコードを持っておりますので、まぁあの怪しげな男ではないというふうに、私もちゃんと一回日本で食事もして面会しておりまして、先一昨日(さきおとつい)もちゃんとテレカンファレンスをやってちゃんと資金集めと開発計画がうまくいってるということを確認しております。
なんで抗エイズ薬がこんな神経変性に効くと考えたかという根本になる論文なんですけども//これはもしかすると抗エイズ薬というのは、いわゆるアルツハイマーを中心とした神経変性病を抑制しているのではないかと、この引き金でブラウン大学の研究が始まったわけです。

で、トランスポゾンというのは、よくレトロトランスポゾンなんていわれるんですが、我々のゲノムの40%ぐらいを占める領域でございまして、かつては「みなしごの遺伝子」といって、なにやってるかよくわからないと、ただあちこちにあるっていうのがわかったわけですね。
このレトロトランスポゾンという、このゲノムがあるんですが、これがある病気の引き金になると転写が起こって、またRNAになって逆転写が起こって、さらにこのトランスポゾンがゲノムのあちこちに突然こう現れてくる//浮遊する遺伝子とかいろんなこと言われていてですね、ある場所からゲノムのあちこちにこういったところがトランスポゾンが見えてくる、それがどんどん増えてきてDNAが異常な働きをして、それがインターフェロンなどの産生を促して神経変性が起こるというふうな学説を唱えてるグループがあってこれに乗ったわけですね。
この部分で特にこの601逆転写酵素阻害剤、これRNAからもう一回DNA作るんですけど、ここを601が強力に阻害する、これが既存の抗エイズ薬よりも601はたまたま脳内移行性が非常に高いということがありまして、あるいはこのトランスポゾンのいわゆる逆転写酵素に対する阻害活性が非常に強いということがわかってまいりましたので、これで行けるだろうということで、動物実験なんかも今ブラウン大学で続けられております。一部いい結果が出ていて、まだ発表はできないということなんですけども、メカニズムはこういうことでございます。
もともとレトロトランスポゾンというのも、人間の発生学的にいうと人類がかつてエイズのようなウイルスにいっぱい感染しながら、我々のゲノムが出来てきたということを示しているんですけども、その一部に神経変性のメカニズムが潜んでいたということです。

これが今の特にALSの治療薬なんですけども、サノフィ(Sanofi)のリルゾールとか田辺(田辺三菱製薬)がエダラボンという薬を持ってるんですけど、あんまり高い薬じゃないんですけども、ま、あの~あんまりすごい効果ではないと、ただいろんな薬が今チャレンジされてるんですが、その中でビーブ(VIIV)ですね、グラクソ(グラクソスミスクライン)の子会社ですけど、ここが今フェイズ2aで既にALSに対して臨床試験が始められてるというふうに聞いております。なんとかこれに追いつけ追い越せで良い結果を出していきたいというのがトランスポゾンの考え方でございます。
今の状況ですと今、大量製造を行っておりますので、あと一年後ぐらいには臨床に入れる、臨床パッケージを作ってですね、治験届けが出せるんではないかというふうに考えております。
以上が治療薬の方です。(?)

最後にテロメスキャンの状況です。

我々はテロメスキャンで血液中のがん細胞を光らせて、それでいろんなチェックに使おうということでやってきたんですが・・・

今年サイボ(CYBO)というAIの会社がございまして、左上サイボですね、我々が目視でやってきたアルゴリズム、GFPでがん細胞が光るんですけども、白血球とかそういうものも結構光るので、あるいは血液中に取ってきたときのゴミなんかがあるので、こういったものをAIで学習させて最終的にがん細胞だけをとっていこうということを目論見まして、ようやくいろんなデータが出てきて、右上にございますように、目視との一致率がだいたい90%ぐらいになってきたということ、これ以上の効果は今、目で見つかるものの90%ぐらいは見つかってきたとこなんですけど、目でなかなか見つからないところまでこれから見つけていこうということで、次のステージに入っていくことになっております。
我々が一番苦手としてきたスループットですね、うちの神戸の研究所でも土日も出てきて今の体制でやったら年間200検体ぐらいしかできないんですけども、これが3000検体以上できるだろうということで、ようやくテロメスキャンのCTC検出のプラットフォームがより強力なものになってきたということで、アメリカのリキッド・バイオテックなどとプラットフォームの共有化を行って、より大きなマーケットを狙っていきたいというふうに考えております。

以上が当社の現状でございます。
どうもご清聴ありがとうございました。