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Scooter's Love #7

Extra Edition ~ kangol skidmaster repair

今回の【Scooter's Love】は番外編としてヘルメットの補修をリポートしたいと思います。
あくまでも素人のリペアなので暖かい目で見て頂けたら嬉しいです。


60年代のヨーロッパのヘルメット(stadium、everoak、kangol、slazenger 、AGV等)の内装は吊り天井なのが特徴だと思います。
しかしこの吊り天井、なかなか曲者でレストアを受けてもらえるお店が少ないのです。(専門店でもリペアをお受けできないと注意書きが有ったりします。)

美しいシルエットのヘルメット、でもシャビーなままで被るのは嫌だな〜〝じゃー自分でやるしかない〟と自分でできる範囲で綺麗にしてみました。

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今回ベースとなるのは60's kangol skidmaster
以前オークションで手に入れましたが表面は塗装が剥がれていて内装は破れています。
そしてここが1番気になったんですが内装の生地からケモノ臭?がするような気が。(笑)
被ってスクーターに乗ろうとは思えないレベルです。
せっかくの雰囲気を損なう程にビカビカにはしたくないですが清潔感は大切ですよね。

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先ず6箇所で固定されていた内装を外しました。
外す前に細かく写真を撮っておくと後で便利です。
これはスクーターの修理なんかでも役に立つ事だと思います。配線がどうなってたか後から分からなくなるなんて事が起こりますので。

耳当て部分の合皮と生地を分離します。合皮の方はまだ使えそうだったのでそのまま使用します。
合皮はカナリ念入りに洗って干したら匂いも無くなりました。

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新しく使うのは当時物のトニック生地。角度によって色味が変わるヤツです。
サテンの方が良かったかも知れませんが使い心地が悪かったらまたやり直せば良いかなと。

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耳当て部分の合皮に合うように生地をカットして合わせます。
オリジナルとは違う仕様になりますがパイピングを付けてみました。
幾つかのビンテージヘルメットを見てきましたが額部分にダメージが有る物が多い気がします。汗によるものか、圧がかかる所為なのかは不明です。

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ヘルメット側は中身のコルクも外して洗って消毒までしておきました。

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帽体はパテで凸凹を埋めて硬化後にサンドペーパーをかけて整えます。
ツバの部分に塗装が付かないようにマスキングテープを貼りました。

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ストラップも片側が酷いダメージだったので新しく作りました。
ボロボロだった合皮を外すと中身にナイロンが出てきました。
合皮だけだと伸びたり切れたりするからだとは思いましたが、この時代の物は使い捨てではなく修理をして長く使う事が前提に有るのだと窺い知れます。(流石はイングランド製ですね)

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作ったストラップは縫い終わった後にコーヒーを染み込ませた布を糸に軽く当ててエイジング加工をしています。

ストラップを留める金具もキーホルダーに使うリングみたいなのが付いていましたが、部品取りにストックしていたkangol meteorから外して付けました。

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サフェーサーの後に全体の雰囲気に合うようにホワイトでペイント。
この後クリアまで吹きましたが帽体と全体のバランスを考えて艶有りと艶無しの中間くらいに意図的に仕上げてみました。
ワンポイントにユニオンジャックのステッカーを貼りました。

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裏地のトニック生地も肌触りが良くて雰囲気に合っていると思います。

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お気に入りのスクーターに乗るならヘルメットやサングラス、グローブ等の小物にも拘りたいですよね。
今から50年以上前のヘルメットでも少し時間をかけて手を入れると再び輝くと思います。
使い捨ての時代だからこそ物を大切に使いたいですよね。
素人の手作業なので見苦しい点が有ったと思いますが最後まで読んでもらってありがとうございました。

◆Texted by FUKU(module)

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