1234

20歳くらいのころヤマハのビラーゴ250を買った。

納車されてナンバープレートを見ると「1235」。お店の人は「4」が無いから縁起がいいね。と言ってくれた。自分も同感だった。

さっそく見せびらかそうと友人たちのいる場所へ乗って行くと一人の友人が言った。「惜しぃな〜」。すかさず自分は「でも4が無いから縁起がいいでしょ?」と言うとその友人は「“1234”だったらロン・ウッドのアルバムだがや!」と名古屋弁で返して来た。「あっ!」

その「あっ!」の中にはロン・ウッドのことを凄く好きだったのに新しいバイクに夢中で名作であるそのアルバムのタイトルを思い出さなかったことに対する驚きと悔しさも含まれていた。

たいしたことではないけれど青春の1ページ的なこの出来事を思い出して何故か、死ぬ間際にはこういうくだらないことを思い出すのかもな…とふと思った。「なんで死ぬ間際にこんなどうでもいいこと思い出すんだよ!」と考えながら死んで行くのはどうなのか?と思ったけれども人生ってそういうものなのかもしれないね。

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