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june 26(サルコペニアフレイル学会)

〇AWGS2019
骨格筋量の低下を伴うサルコペニアの診断が確定する前から骨格筋量の低下は著しくないが質的変化が起こる段階から介入が必要である。

〇骨格筋機能
運動機能だけではなく、体温維持、栄養の保存、供給と調節、代謝機能の調節などの機能がある。(加齢に伴い低下する)
上記の可塑性は、骨格筋を構成する筋線維、筋幹細胞(サテライト細胞)、運動神経、交感神経、毛細血管が支えている。

〇ロコモティブシンドローム
定義;運動器の機能低下による移動機能が低下した状態

判定は、立ち上がりテストと2ステップテスト、25個の質問項目から判定される。
ロコモ予防は、片脚立ち、スクワット、腰痛体操など、週2日以上の3メッツ以上の運動を30分以上することが推奨されている。

〇オーラルフレイルと口腔機能低下症
日本歯科医師会は、2014年に滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増えることなどのささいな口腔機能低下から始めるオーラルフレイルと定義した。

日本老年歯科医師会は、口腔機能低下症を疾患名として定義した。
咬合力や舌口唇機能低下、舌圧など7つの評価で決まる。

咀嚼機能が低下すると、硬いものを避ける(肉、野菜、抗酸化ビタミンや食物繊維の摂取量が減少する)

〇糖尿病とサルコペニア
インスリン作用障害により、蛋白質の合成低下と分解増加を起こし、筋肉量と筋力の減少を起こす。
高血糖、骨格筋内脂肪蓄積、骨格筋内終末産物(AGEs)蓄積、慢性炎症、酸化ストレス、ミトコンドリア機能障害、糖尿病神経障害により筋力低下を起こす。

サルコペニア合併糖尿病患者は、
①高齢
②BMIが低い
③体脂肪率が高い
④DM罹患期間が長い
⑤網膜症
⑥腎症
⑦神経障害といった微小循環障害の合併が多い。
⑧エネルギー摂取量が少ないこと

〇サルコペニアの1次性と2次性
加齢による骨格筋萎縮→加齢性筋減弱症 サルコペニア

1次性→加齢(オートファジーが破綻しているため)
※オートファジー;蛋白質のリサイクル機構)

東京工科大学 佐久間 邦弘
オートファジーに重要で任務遂行と共に消失しているはずにp62/SQSSTMIが加齢した筋細胞内で異常に蓄積していた
(Sakuma K et al. J Cachexia sarcopenia muscle7;204-212,2016
すなわちサルコペニアの筋では、オートファジーが通常通り働いていない可能性が高く、筋細胞内の変性蛋白質や機能不全ミトコンドリアなどを処理できていないと思われる。

2次性サルコペニアの原因は、「不活動」「疾患」「低栄養」
加齢以外の要因を指す。
特徴はなく、多様な特徴を示す。

〇フレイル
社会的、身体的、認知的の3種類。
それぞれが転倒リスク及びADL障害リスクの増大に寄与していることが明らかとなっている。(Fried et al 2001;Feng et al,2014;Makizako et al 2018;Sshimada et al,2019;Bun et al 2021)

健康寿命の延伸のためには、サクセスフルエイジングが重要である。
サクセスフルエイジングは、病気及び病気に関連する障害のリスクも低く、心身の機能が高く、積極的に社会に関わっている状態(Rowe et al .1987)`
サクセスフルエイジングの指標は、生きがいが重要であるとされ、生きがいは個人的な満足感や幸福感に加え、社会的関係に関する満足感を含む包括的な概念である

●社会的交流や社会活動の減少を示す社会的フレイルを有する高齢者は2年以内に要支援・要介護へのリスクが1.7倍に上昇する。(Makizako H ,et al 2015)
4年間の追跡研究では社会的フレイルを有する高齢者では、身体的フレイルを引き起こすリスクが4番に増加する。(Makizako H ,et al 2018)

●随意運動時には、収縮力は低く、疲労しにくい遅筋線維から順次動員され、強い収縮時には速筋線維が働く。
EMSでは、オームの法則により刺激電流が抵抗の少ない太い神経線維で支配される速筋線維が動員される。

●レジスタンス運動は、骨格筋の蛋白同化を刺激する重要な因子である。
一過性のレジスタンス運動を行うと運動後1時間から2時間後に蛋白合成速度が安静時と比較して増加し、24~48時間は維持される。

●自重負荷のレジスタンストレーニングの効果をあげるためには、ポイントは7つある。
①フルレンジ;スクワットや腕立て伏せなど多くの種目において、深くおろすほど関節トルクが増大し、筋張力が大きくなる。
②ノンロックスロー
ややゆっくりとした速度での持続的な筋力発揮により筋内圧が高い状態が維持される。
③ハイスピードハイレップ
ハイスピードでの挙上は加速度により大きな張力が筋に加わる。
また。高回数行うことで代謝的な負荷も増大する。
④エキセントリック強調
降ろす動作は落下エネルギーを筋で受け止めるため筋に損傷刺激を与える。
⑤ピークコントラクション
腹筋背筋のレジスタンストレーニングは筋を強く短縮させ、高く上げることで筋への刺激が強まる。
⑥ドロップセット・レストポーズ
 筋疲労で反復不可能になるまで動作を繰り返すことは筋肥大の封建である。
⑦マニュアルレジスタンス
 自体重では負荷をかけにくい引く動作で鍛える背筋群は徒手抵抗でのレジスタンストレーニングが有効である。

●肥満評価指標
BMI 体脂肪率 腹囲 腹囲臀囲比 腹囲身長比 BRI ASBI



●入院関連機能障害(HAD)
原疾患によらない入院中の安静臥床が原因となるADL低下をHADという。
70歳以上の入院患者の3~4割に発症する。





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