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SINEについて

参考は、「SINEの発生メカニズムとその予防」
【TEVAR】
uncomplicated(単純な) Type Bやchronic(慢性的) type Bに対しても状況に応じてクラスⅡaである。

【SINE】
中枢、末梢のいずれにも発生し、proximal SINE,distal SINEと言われる。
proximalは、非解離部に留置されるSG中枢端で発生する合併症である。
distal SINEは、解離部に留置されたSG末梢端で発生する。

proximalSINEは,migration予防機能としてSG中枢に付加されたベアステントやフックが関与している可能性がある。

【SINEの発生機序】
TEVARあるがFETの4.8~25%に発生し、一般的には無症候性。
主にTEVAR施工後3~24か月の遠隔期に発生する。

【SINE 患者背景因子】
背景因子:解離発症から治療介入時期が優位な関連因子である
慢性解離でSINEは多い。(15%) 急性は5%

なぜ、慢性解離で多いのか?
①高度真空狭小化 ②解離中隔の可動性低下

①の理由、慢性解離では急性解離によりも真腔狭小化が進行しているため、結果的にSGのサイズ選択において過大なオーバーサイズになりやすい。

②の理由は、エントリー閉鎖による偽腔圧減少に応じて、中隔の可動性が高い急性解離においては真空拡大が比較的急速に応じるため、中隔におけるSGによる高い半径方向力が減少し、SINEが起こる。

中隔の可動性が低下した慢性解離では真空拡大が遅延し、持続的にradial forceがかかるためSINEの発生率が上昇する。

【SBFとは?】
外力により屈曲されたSGが元の直線的形状に復元しようとする力であり、大動脈屈曲部へSGを留置した際にはSBFによってSG中枢と末梢にストレスが加わる。通常、SBFは大彎側垂線方向にかかるため、大湾側に偽腔が存在する場合はSG末梢が大動脈中隔にストレスをかける形となる、SG末梢が中隔を破損し、偽腔内に突出するSINEを形成する。

【SINEの発生予防】
①中枢末梢口径のサイジング ②デバイス選択・留置長の判断


中枢は、非解離部 末梢は解離部に置くのが一般的である。

デバイス口径は、慢性解離ではおおむね20%以下のoversizeが安全とされている。急性解離では慢性解離と比較し、oversizeへの許容度が高いとの立場もあり、慢性解離と同様に真空口径を20%程度までのoversizeに抑える。

末梢は、下行大動脈直線に置くことが推奨される。
弓部屈曲部に留置する中枢デバイスと下行大動脈直線部に留置する末梢デバイスを分離することで中枢デバイスのSBFを末梢デバイスで受け止めることが可能となり、SINE予防効果となる。

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