「スキップとローファー」9巻について語りたい。

スキップとローファー9巻を読みました。

表紙はみつみちゃんが浮き輪を持って志摩くんの横を駆け抜けて行き、志摩くんが横目で追っています。

今巻の志摩くんを象徴している感じありますね。

★山田の恋愛観
山田の恋愛観、リアルな男子感がすごいです。「憧れの子はいるけど、誰か告白してきたら付き合っちゃいそうな感じ」
だけど、山田って友達の男子のこともよく見てるし、恋愛ではから回ってるけどムードメーカーなんですよね。
そんな山田のことを見ててくれてた友枝さん。

山田は一度志摩くんと自分を対比します。ここで自分がどうしてカッコイイって言われただけで浮かれてしまうのか。自分より出来てる(ように見える)人と比べて…というのが色んなキャラで度々出てきますね。

山田の斜め後ろ顔✕2からの戻ったときの生き生きとした表情。ちょっとチクっとした言葉を言ったリョージとも当たり前のようにもう大富豪して心広いヤツなんですよね。

そして49話の海に行こうという話の中で山田の「彼女できた宣言」でサラッとつき合った事が明かされてしまうこの展開の粋さ…。山田のへにょへにょ具合。
彼女を想って旅行も行かないって決める所、ちゃんとしてますね。山田〜見直した!!!

★氏家くんのターンでの志摩君
氏家くん✕みふみを取り巻いて周りが騒ぎます。
テニス部の女子に二人の事を「陰キャの青春」と言われて志摩くんのダークサイドがこんにちは、ガチなトーンで「言わないで」。良いですね。
志摩くんは自分のこういう所あんまり好きじゃないんですよね。でも人間っぽくって私は好きです。やっと志摩くんは人間らしくなってきたと思います。いつもニコニコしている自分をいっぱい演じてきた志摩君の殻が破れて来ました。自分で自分の「需要」を演じてきた彼が、本当の自分の心に従って感情を持った言葉を発せられるようになったエピソードだったと思います。

★氏家くんの恋
健気で全く見返りを求めない恋です。おっとなんだか占いの文言みたいになってしまいました。「解釈不一致」。「陰キャ」として描かれている氏家くんですが、氏家くんはみつみと出会ってから前向きで正直な面が出てきていると思います。高松先生の表現は愛があって、氏家くんのことも本当に応援したくなります。八坂さんはまだまだ色々と謎が多くてもう少し彼女のターン欲しいですね。

★この子ら現代の子だった!
51話のカラーイラストがSNS風の画像になってます。なんだか私から見た現代って私が高校生だった頃よりハードに見えてまして、この清涼感のあるお話が令和のものだ、ということを忘れていました。アプリ加工後風、インスタ風の画像でもブレない世界観です。

★かれしは?
さり気なくナオさんを実家に帰らせましたね…!
トマトを一緒に採って、数年の距離を縮めるの良いです。

★みつみ、妹(真春)にお土産を買っていったけど「いらん」と言われる。
私もクソガキだった頃、もらったお土産に対してこういう事言ったことありましたわ…。リアルすぎますね。
(私は後でちゃんとお礼を言って、ちょっと壊れたそれは今でも寝室に飾ってあります)
真春、みつみに甘えているんですよね。

そして仲直りは真春がみつみと話したからじゃなくって、ちょっと同じ目線のふみちゃんと話して、ていうのが良すぎます。
ミカとナオちゃんパターンですね。
みつみって、めちゃくちゃいい奴なんですけど、すごく真っ直ぐで、それでちょっと鈍感なところがあるんですよね。だから我道を信じて行けるからここまで来てるんですけど。
周囲の人からしたら寂しいポイントでもある。

★みつみのふみちゃんへの「殿堂入りだから!」
みつみ本人がちゃんと本心で、ふみの言われて嬉しい言葉を言ってるのが最高ですね。みつみってそばにいる自分の好きな人たちを一人ひとり、心で抱いていく。

★志摩くんってみつみちゃんのことが好きなの?問題。
これは私もみつみに騙されてたかも知れません。いや志摩くんの心の育ち方が普通の高校生じゃないので、やっぱりちょっと「付き合う」には早すぎたんでしょうけど。
迎井くんの図解でのやり取りナルホドでした。迎井にもう少し志摩くんはさらけ出せるようになりそうです。

カニのシーンみつみがめちゃくちゃ可愛く見えるんですよね…。ちゃんとみつみのままなのに。「そっか」のところとか何故か天使っぽさというか神聖さを感じるほどですね。

志摩くんのカニどんなだったか「わかんない」発言が良い味出してます。

8巻のカラオケシーンでクリスが「コイツこんな赤ちゃんみてぇな情緒で付き合った別れたやってたのか…」と言っていたように志摩くんはやっと嫉妬を覚えたりと今、情緒が育ってきているところなんですよね。
これからみつみへの想いがどうなっていくか楽しみです。

★兼近先輩
今回1コマしか出てこなかったと思うのですが、笑顔が眩しすぎました。君が幸せなら私も嬉しい。

★おわりに
スキップとローファー9巻では改めてどんな子も可愛く書いてらっしゃるの高松美咲先生めちゃくちゃカッコイイな…愛の深い方…!と感じました。

みつみの真っ直ぐで、他人の良さをハートで見ている純真さと実直さを見習いたくなりますね。

そしてこの先の展開をまだ決められていないとのこと。まだまだスキップとローファーが楽しみです!



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