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岩手県立大学にてKAGの取り組みをお話ししてきました

はじめに

KDDIアジャイル開発センター(通称KAG(カグ))でエンジニアリングマネージャーをしている田原です。
岩手県立大学ソフトウェア情報学部よりご依頼いただき、「プロジェクト実践演習」のカリキュラムの一つとして「KDDIにおけるアジャイル開発の取り組み~事業会社内で『内製開発する』ということ~」と題して講演させていただきましたので、その模様を紹介いたします。

自己紹介

2001年のKDDI誕生以前より20年以上KDDI勤務。KDDI社内にてアジャイル開発センター発足時よりエンジニア、スクラムマスター、オフショア開発推進などを経験し、現在マネージャーとして組織をリードしています。


講演の経緯

岩手県立大学ソフトウェア情報学部では、2016年に採択された文部科学省enPiT事業により、他大学や連携企業と一緒に実践的な教育を目指したPBL(Project Based Learning)の強化に取り組まれ、堀川三好教授のもと、enPiT終了後もそのカリキュラムを継続されています。
PBLでは学生の皆さんが少人数のチームに分かれて、それぞれテーマを定めてアプリケーションの開発を行っていきます。毎週の講義の間をスプリントと見立てて、進めていくようです。
そのような実践的な進め方をしていく一方で、企業からゲスト講師を招いて、実際の開発現場の話を聞く機会を何度か組み入れられています。その一コマを担当させて頂きました。実は、堀川教授より初めてご依頼いただいたのは2021年のことで、そこから4年間、ありがたいことに毎年この機会を頂いています。

はじめての現地訪問

最初の2021年はコロナ禍だったこともあり、またゲスト講師の負担軽減のお心遣いもあって、昨年までオンラインにて行ってきました。
(2022年の様子を弊社ブログにて紹介しています。)
本年は、私自身の新しい経験のためにもと思い、ぜひ現地でと打診させて頂き、快く了承いただきました。
そのような経緯で、学生時代の一人旅以来、久しぶりに東北新幹線にて盛岡駅へと降り立ちました。

岩手銀行赤レンガ館

岩手県立大学 滝沢キャンパス

岩手県立大学の本部は岩手山を北西に抱く滝沢市にあります。公共交通機関としては、盛岡駅からIGRいわて銀河鉄道に乗って滝沢駅から歩くか、バスでキャンパス入口まで乗ることになりますが、学生も自家用車で通われている人が多くいるようです。

岩手県立大学滝沢キャンパス入口から望む雄大な景色

キャンパスはもう紅葉の季節になっていました。

教室・研究室

広大なキャンパスですが、厳しい寒さの冬にも屋内で移動できるように各建物が広い廊下で連結されています。ところどころに学生が談話できそうなスペースも設けられていて、快適な空間に感じました。
講演前に教室や堀川教授の研究室の皆さんの部屋を見せて頂いたのですが、4席毎の島がランダムにレイアウトされていて、その各デスクに拡張ディスプレイが設置されており、それにMacbookを繋いで作業されている様子は、大学の研究室というより、スタートアップのオフィスの雰囲気に思えました。

講演の様子

講演の内容としては「KDDIにおけるアジャイル開発の取り組み~事業会社内で『内製開発する』ということ~」というタイトルにて、なぜアジャイル・内製化が必要になってきたのかを説明するところから入り、次にアジャイルそのものの説明や、内製化組織に必要なことなど一般論からお話しさせていただきました。そして、それを踏まえて、KAGがKDDI内の一部署として10年以上前にアジャイル・内製化に挑戦を始め、KDDIおよびグループ会社へ影響を及ぼすようになり、遂にはスピンオフして会社化された経緯、またそれによりKDDIグループ外へもアジャイル・内製化の「実践知」をベースに伴走支援を行なっていることを紹介しました。
実際の講演は50分、加えて、質疑+ディスカッションに10分という予定でした。例年オンラインではほぼ時間通り進められていましたし、今回も事前にリハーサルしてみたら50分弱で話せていたのですが、実際に学生の皆さんの生の反応を見ながら話していると、真剣に聞いて頂いている様子が何とも嬉しく、ついつい予定に無い話までしてしまった挙句、時間を超過させてしまいました。

実際の講演の様子

そのため、質疑はその場ではいくつか先生にピックアップいただいたものしか対応できませんでしたが、もともとSlackにて質問を受ける仕組みにして頂いていたため、後日に回答させていただきました。皆さん、講演内容から気になった点を深掘りする質問をしてくださり、しっかり聞いてくださったことが伝わってきて、大変やりがいを感じました。

Slackによる質疑

ちなみに、最近の学生はDiscordなどでの会話に慣れているものの、Slackは少しおとなしめとのこと。Slackにて活発にコミュニケーションが発生するように仕向けていくのも、工夫が要るようです。KAGのSlackはいつも盛り上がり過ぎてて、追いつくのが大変なので、そういう雰囲気もお見せできれば良かったかなと思いました。

おわりに

今回、リアルに対面しながら顔と反応を見ながらお話しできることの手応えは強く感じました。実践的なプログラムにて優秀な学生が育っている雰囲気が感じ取られ、このような学生の皆さんが日本のソフトウェア開発の現場にて力を発揮してくれる未来に希望を見ました。少しでも企業としてKAGに興味を持っていただけたなら、なお幸いです。

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