メリーは優良物件やんけ

 ワオーーーン!!!

ベタに狼が遠吠えする、ある日の夏の夜。

私は寝苦しさに耐えきれず、乳首と珍棒を冷蔵庫に移植していた。

これでよし……。

おっ!!乳首と珍棒があった所がめちゃくちゃ涼しいぞ!!!実験成功や!!

ほっとしつつもどこかが寂しい。

どこが寂しいんだろう?


                            「心かも……。」

私は乳首のない胸を抱き抱えると、徐にテレビリモコンに手を伸ばし、深夜にやってるクソテレビ「朝まで旅サラダ」を見始める。ちょうど5分に1回挿入される鹿の交尾シーンが始まったところだ。きゃ~~~!!!そんなケモノみたいなエッチ恥ずかしいよ!!!
 
プルルルルルルルルッッッペニスノワナビー
プルルルルルルルルッッッペニスノワナビー
プルルルルルルルルッッッペニスノワナビー

 突然、家の電話が鳴り始めた。

こんな真夜中に電話をかけてくるなんて誰だ??

いや、こんな時間に電話してくるのはあの男しかいない!!高校時代、水泳の時間一人だけスーツで泳いだ、門脇亮!!

大学に入ってから連絡取らなくなったけど、まさかアッチから連絡くれるなんて!!嬉しい!!
俺は興奮気味に受話器を取る。
「もしもし!!門脇亮!元気だったか!?」

「私、メリーさん」

違った。

「私、メリーさん。グリニッジ天文台でダンシング楽しすぎるンゴ!!ハッピーハッピーハッピー!!!」

突如視界が揺らいだ。
なんだと!?メリーさん!!?
あの都市伝説のメリーさんの事!?
あのメリーさんがネラーみたいな口調だとは知らなかった。
そんなことより、今どういう状況?
メリーさんだからこのまま家に近付いて来るんだろうけど、それにしては遠すぎる。
あと、最後のはハッピーキャットなの?アイ!マイ!まいんなの?

俺は頭をかきむしりながら悩んだ。
しかし、間髪入れずにそれはまた襲い来る。

プルルルルルルルルッッッペニスノワナビーオチッコローレライ

ガチャッ
「私、メリーさん。オホ声音頭だ!アソレ!アソレ!ペニバン好コ好コ好コのスコ~~~!!   今、新潟。」

「新潟!!??マジか早いな!」

「頑張った///」

レスくれるんだメリーさん。
嬉しい。
なんかめっちゃ健気。
火曜サスペンスでハチ公を見守ってた泉ピン子くらい健気。

俺はすかさず、カタカナのハをノートにひたすら書きなぐった。なんの意味があるかって??なんの意味もねーよバーカ

プルルルルルルルルッッッペニスノ
ガチャッ
「メリーさんどこ??」

「……あ、今……飛田新地///」

「ちょっと!!メリーさん!!そういうの興味あるの!!!」

「……///」

「ちな今何歳?///ニタッ」

「580」

ガチャンッ

思わず電話を切ってしまった。

まさか自分の2まわり以上上だったとは……
いや、よく考えたら2まわりどころじゃなかった……。

プルルルルルルルルッッッペニスノワナビーフェラチオカウボイガチャッ

「ペロペロペロペロ!!キュートなカプリコペロペロペロペロ!!全然食えない!!ペロペロペロペロ!!全然減らない!!カプリコ一生食えない!!ペロペロペロペロペロペロペロペロ!!死ね」

ガチャン

ただただ不快な電話だった。
まあ、これ俺の携帯から時間指定でかかってくる奴なんだけどね!!これが鳴ったらお休みの時間なんだ!!メリーさんごめんね先に寝るよ!!

プルルルルルルルルッッペニスナメサセロ
ガチャン

「私、メリーさん。今あなたの後ろにいます!!!!!覚悟してね!!」

俺は咄嗟に振り返る。
しかし、そこには誰もいなかった。
安心して、電話口に見戻すと……そこには……
いや、そこにも何もいなかった。

「嘘でした!!代わりにパンティストッキングで首を絞めます。アニメイトで缶バッチ買ってくれてありがとう。もう捨てましたけど、」

記憶に無いし、今丁度目の中にえなりかずきが入ってきて痛い痛い。

「ルームナンバー教えて」

ヤバい……めっちゃ近くに来てる

「404だけど……」

ひとまず嘘を言ってみる

「NOT FOUND
嘘ついたね、本当は406だよね。」

一軒家である。が、話を合わせる。

「バレたか!!カプリコペロペロペロペロ!」

「嘘2回目。」

ギクッΣ(・∀・)

「あと1回嘘ついたら社割りという概念を消します。」

「じゃあ正々堂々戦ってやるよ!!来いよ今すぐ!!ちなみにシンガポールにいます。」

「嘘つくんじゃn!!!」

!!
驚くことに、目の前の電話が一瞬にして消えてしまった。
あ~~そういえばこの電話、社割りで買った奴だったな。しくった。

「おい……。」

えっ!?この声は……
振り返るとそこには、長い黒髪、そして「チンポジ命」と書かれた黒いTシャツを着た少女が立っていた。この少女は……ホリエモン?それともメリーさん?

「ホリエ、メリーさん……」

「嘘をつくのは許せねぇな……。」
メリーさんは眉間に酷くシワをよせながら言った。

俺は語気の強さに恐れながら必死で弁明する

「まぁさ!今回は3回の嘘で社割り概念消しのペナルティ食らったし……俺もちょっと申し訳ないと思ってるからさ!今回はこれにておしまいということでね……!」

「ん……?3回?」

「シンガポールにいるって言う嘘で全部で3回でしょ!!」

「いや……?シンガポールの件が嘘ならよ……
「正々堂々戦ってやるよ!!」も嘘になるだろ……?
つまり、嘘は計4回。だから、4回の時のペナルティも負ってもらわなきゃな……」

「聞いてないぞ!!そんなの!!」

「あ~~そうかいそうかい……。でもな私がルールなんでな。じゃあ発表するぞ、嘘4回のペナルティは………

      お前の大事な物を1つ壊す

だ」

俺は咄嗟に股間と胸を隠した

「なるほどな、お前の一番大事なモノは珍棒と乳首だな!!今すぐ切り落としてやる!!」

メリーさんは大鎌を取り出すと俺の前でそれを振り下ろした。

んん!!??

メリーさんは自信満々の斬撃の割に全く手応えがないことに気づいた。

服が破けて局所が露になった俺の姿を見て、メリーさんはひどく顔を青くした。

「お前、どういうことだ……。珍棒も乳首も無いなんて……」

( ´,_ゝ`)

「ギャーーホンモノのヤバい奴じゃねぇか!!頼むからユーのキモすぎるフェイスはエターナルにクローズドしておいてくれ!!ヘドがゴーアウトする!!」

メリーさんはそのまま駆け足で部屋を後にした。チラッと見えたパンツは迷彩柄で案の定うんちが北方領土の形でこびりついていた。

よかった……命と珍棒そして乳首を守ったぞ!!!

俺は早く自分の珍棒、乳首を見て安心したいと冷蔵庫のあるキッチンに走る。

がしかし、そこに……冷蔵庫は無かった。

あ……そうだ。
 冷蔵庫も社割りで買ってた……。

ワオーーーン!!!

 一生童貞男の遠吠えが、近くの通天閣と日テレ本社で往復反射した後に、サバンナの上空を彩るオーロラとなって、孤児と虎にちょっとした夢を見させたり、見せなかったり。ひとまず素敵な夜をお楽しみください。グンナイ。



シッコの門構え