視覚障害者と駅のホーム

視覚障害者が駅のホームから転落する事故は今でも時折発生します。
落下防止の柵が設置されている場所が増えていますが、いかにもお金がかかりそうなので、なかなかすべての駅への設置は大変だろうと思います。

なぜ落下してしまうのでしょうか?
私たち視覚障害者も落ちないよう、各自で工夫しています。
それでも、ふとしたとき、いつもとちょっとしたことが違うだけで危険につながります。

以前私が落下しそうになったのはこんなときでした。
その駅は複数路線が乗り入れていて、5番ホームまである駅でした。
2番ホームで電車を待っていて、到着のアナウンスが聞こえ、やがて電車が到着しました。
アナウンスに若干違和感を覚えたものの、乗ろうとしてさらに違和感があることに気がつきました。
なんだかおかしい、と思ってよく様子を観察してみると、私がいたのは4番ホームで、電車はひとつ向こうのホームだったのでした。

ギリギリのところで落下は免ましたし、電車が来ていたホームではなかったので落下しても轢かれることはありませんでしたが、ひやっとする出来事でした。
乗るべきホームが2番とわかってはいたものの、利用する時間帯がいつもと違ったので、いつも利用している4番ホームに無意識に足を向けてしまったのだと思いますが、はっきりとした原因は自分ではわかりませんでした。

それ以降はホームに行くのはアナウンスが流れてからにするようにしました。

その他にも、電車の到着時刻が遅れて、普段は同時に来ることのない同じホームの隣り合った路線がほぼ同時に到着し、自分の乗る予定の電車が到着したことに気がつくのが遅れたこともありました。
慌てて乗ろうとしたものの、電車は扉を閉めて発射の体制に入ってしまい、危うく動いている電車に近づくところでした。

一番よいのは同行者をつけるか、駅いんさんに同行をお願いすることかと思いますが、小さな駅では駅員さんが一人しかいないのであまり歓迎されなかったり、降りる側の駅員さんへ連絡する都合上20分前にはお願いしなければならないというルールがあったりするので、利用頻度の高い駅ではなかなかベストは尽くせません。
もちろん気にかけてくださって、駅員さんの側から声をかけて頂き、そのままホームまで案内して頂くという、ありがたいこともあります。
その場に居合わせた方が同様に声をかけてくださることもありますが、そうした偶然に頼るのではなく、もっと工夫して対策を考えられたらいいな、と思う今日この頃です。

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