見出し画像

生きて、挑み続けるということ:第4回自然環境リテラシー学

寒さが強くなり、秋の到来を感じさせる中、いかがお過ごしでしょうか。フミでございます。

今回の自然環境リテラシー学・海回では、「リスク管理・マネジメント」をテーマとした取り組みを、三重県紀北町・古里海岸を拠点にして行いました。今回で自然環境リテラシー学の海回は最後。時系列的には第5回(漁業回)より後なので、全体としても最終回となります。この記事ではその様子や私が学び、感じたことを、いつものように綴っていきます。

ちなみに、この回は「みえアウトドアヤングサポーター育成事業」の一環でもあります。

1日目

天気は晴れ。これまで雨続きだった鬱憤を晴らすかのようなカヤック日和で、心が踊る中最後の海回が始まりました。

出艇後、私を驚かせたのはその海の透明度。カヤックで漕いだ海の中で、今までで1番のきれいさで、その透明度はそこが見えるほど。三重にはこんなにも美しいところがあるのかと気付かされました。

このツーリングの目的は、浜へと赴き、夜の焚き火に使う薪を集めること。火がついたあとにくべる薪なので、中身の詰まっている、あまり風化していないものが良いのだそう。木を探し、あまりに長すぎるものは折ったりして、使えそうなものをカヤックへ詰め込んでいきました。


長すぎる枝は何本かに折り、カヤックへ詰め込める大きさにしました。使えそうなので小枝の部分も持っていきました。

カヤックを漕いでいて感じたのは、自分でも分かるくらいには漕ぐことが上手くなっていること。これまでの3回で練習し、実践していった成果がでたのではないかと思いました。

古里海岸に戻ったあとは、まずロープワークを行いました。第2回の時に教えてもらった「もやい結び」と「自在結び」を復習できたほか、時間の都合でできなかった自分にもやい結びをするなどの応用もやり、緊急時にも役立つワザを学べたのかなと感じました。

その後、柴田さんから「ファイヤースターター」という道具をいただき、火起こしをすることに。まずは麻縄やティッシュのような燃えやすいものに着火させ、その後小さく燃えやすい薪から順にくべ、風を送るなどして燃え上がらせるよう努力します。

火がなかなかつかなかったり、火がついてもその後燃え上がらせることができず消えてしまったりなど、かなりの苦労はありましたが、自分たちで作った火が大きく燃える瞬間は、みんな喜びや感動の声をあげていました。
私は自身の不器用さが災いして火種も作ることができませんでしたが、薪を選んだり息を吹いたりして、燃え上がらせるのをサポートできるよう努力しました。
とても根気が必要な作業で、作業をするそれぞれが諦めず耐え続けることが必要だと感じたワークショップでした。

夕食は、焚き火を囲んでの鍋。具材を2人1組で切り、各自で作りたい味の鍋を作りました。実家での鍋の経験も活かし、今までのリテラシーの中でも最高の夕食を作ることができました。

実は、第4・5回ではガスストーブを自前で用意。クセはあるが安定感が段違い。

夕食の後は、柴田さんのカヤック旅やその旅先でのサバイバルのお話。特に面白かったのは、食料がなくなった時についてのお話と、熊やシャチなどの危険な野生動物に出会ったお話で、絶望的な状況で柴田さんがどういう精神状態だったのかを知ることができました。

満天の星空に囲まれ、1日目は終了。焚き火も夜空も心ゆくまで楽しみ、最後の1日に向け就寝しました。

2日目

この日の朝は、これまでと違い、肌寒く、しかしジメジメしていない心地よい朝。荷物を片付け、テントを畳む準備をし、スムーズに支度ができる準備をしたあと、朝食を食べました。

荷物を詰め込み、出艇。初日より波が強く感じて、やや漕ぎにくいところもありましたが、これまでのカヤックで培ってきた根性と技術で何とか遅れずついて行くことができました。

2日目の経路。繋がっているが潮の満ち干きで離れているようにもなる赤野島や、豊かな植生が広がる鈴島を回りました。

水が綺麗なため、海の底が見えるところもあります。サンゴや魚を観察することもでき、自然を存分に堪能できました。
その後、豊浦海岸にトイレ&昼休憩のため上陸しました。

昼食のマルちゃん正麺。手前のやつも、持参の容器でございます。鍋から直接すするのもいいですが、器を使うとかなり食べやすく、味も何となく美味しくなったと感じました。


豊浦神社の「バクチノキ」。生えている大木の中でも特に目立つこの木は、皮に勝負に関するご利益があるのだそうです。

昼食後は、柴田さんからカヤック上の安全管理についてのお話を聴きました。まずは沈しないこと、してしまったらすぐに立て直すことの出来るロールを、それもダメならレスキューを行い、もう立て直せない程波が強ければ海上保安庁(118)を呼ぶというように、事故が起きた時に生きて帰るためにすべきことを学びました。
柴田さんいわく、「初心者ほど沈しやすく、『ロールが上手い』と言われる」そうです。私はまだレスキューの練習以外で沈したことはありませんが、ロールやレスキューの練習をもっとしておくことと、沈しないための練習も重ねることが大事なんだと思いました。

古里海岸に戻り、今までお世話になったカヤックを洗い、最後の1分間スピーチをして、2日目も終了となりました。あっという間の2日間でしたが、楽しさと学びに溢れたとても良い経験ができました。

最後のカヤック、そしてキャンプのあとで

日本は海に囲まれ、3分の2が森林に覆われています。台風や地震など、自然災害の話題にも事欠きません。もし今の暮らしが壊れてしまった時、私たちは意図せずとも大自然に投げ出されてしまう日が来るかもしれません。
今回の自然環境リテラシー学では、そんな時にどういう心持ちで現状と向き合うべきかということを学ぶことができたと感じました。
3つにまとめると、まず1つは、災害が起こる前、つまり今からどんなリスクがあるのか調べ、対策すること。2つ目は、どんなに時間がかかることでもへこたれず、根気強くすること。そして3つ目は、周りの人を見て、自分には何ができるか、何を協力すればいいかを考え、行動すること
当たり前のことかもしれませんが、これを心がけることで、事故や災害が起こっても心強く生きていけるのではないかと思いました。

自然環境リテラシー学全体を通して、唯一2日間共に雨の降らなかった第4回。今まで得てきたカヤックの技術・心得を最高のコンディションで発揮できました。
第1回では上手くできなかった旋回やブレーキも上達し、スピードも4人組カヤックにくらいつける程(多分)格段に上昇、ここまでやってきて本当に良かったと感じました。

今まで私を載せてくれた相棒

柴田さんのように、危険な荒波や野生動物に出会っても臆せず、常に自然と向き合い成長し続けるということは私にはまだ難しいかもしれませんが、生きる指標にしていきたいです。


今回も読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?