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海と生きる生きもの:第5回自然環境リテラシー学×漁業

皆さんこんにちは。フミでございます。

今回、最終回の自然環境リテラシー学では、三重県の二木島という漁村へお邪魔させていただき、漁業に関するさまざまなことを体験しました。
この記事でも、その中で私が見たもの感じたものを綴っていきたいと思います。

1日目

今回は最初から雲ひとつない快晴。自然を学ぶには絶好の日和のなか、第5回はスタートしました。

2日間私たちがお世話になったのは、地元で釣りエサの販売や魚の加工などを行っている、「GATE二木島ラボ」さん。ユニークなことに取り組んでいるので、ぜひ調べてみてはいかがでしょうか。

今までの比では無いほど海が綺麗でした。

ガイダンスが終わったあとは、定置網漁の体験を行いました。
今回使った超小型の定置網は、「運動場」「登網」で誘導した魚を「箱網」で捕らえるというメカニズムで働いていて
、ミニチュアを実際に見た時は小型でもここまで大掛かりなのかと感じました。

マダラトビエイは、今回かかった生き物の中で特に、でかい。

小さい魚ばかりかかると思っていましたが、写真のマダラトビエイやボラなどのかなりサイズのある生き物もかかっており、周りからは「無料で見られる水族館」という言葉が出るくらいの多様さに驚きました。

網を引く時にもやり方があり、外側からどんどん勢いよく引くことで魚達を逃げないよう追い込みます。追い込んだあとは、タモを使って生き物を船に乗せてゆきます。


主な漁獲は、キビナゴやシマアジ、上述のボラや、アカエイなどでした(トビエイは大きすぎるため逃がしました)。何匹か網から逃げられており大漁と言うことはできませんでしたが、漁の楽しさを知ることができる有意義な時間でした。


漁から戻ったあとは、かかった魚たちを捌いていきます。私は今までキス程度の小さな魚しか捌いたことがなかったので、経験のある方に色々と教えて貰いながらやりました。包丁の切れ味が良かったというのもあり、初心者にしては上手に捌くことができたと思います。

夕食は、捌いた魚で作った料理や、燻製のチーズなどをいただきました。ボラの刺身は特に絶品で、漁にでた甲斐があったと思える時間でした。

その後は、自分のテントに戻り就寝。コンクリートの上、しかも10月という少し寒い環境ではありましたが、何とか眠りにつくことができました。

2日目


2日目の朝は肌寒さで起こされ、急な雨で起こされあまり眠れた心地はしませんでした…。ですが、テントを片付ける頃にはすっかり晴れ、気持ちのいい朝になりました。
この日の朝食は、朝4時や7時といったかなり早い時間から起きて漁に行っていたチームが取ってきてくれたお魚たちをふんだんに使ったまさに魚づくし。あら汁や塩焼きなどどれも絶品で、思わず何度も食べたいと思える素晴らしい朝食でした。

こちらは大漁に取れたキビナゴの素揚げ。塩コショウがなくてもしっかりと味があり、暇があればつまんでしまう1品。
色々な魚の骨・頭からダシをとったあら汁を使い、炊き込みご飯を作ってみました。火加減を間違え焦げ付いてしまいましたが、味はちゃんと美味しく仕上がりました。


朝食を終えたあとは、お昼まで各自自由に過ごす時間。私はこの二木島の漁村を色々と散策するすることにしました。

ジブリにでも出てきそうなこちらの道。進むと砂防ダムに突き当たり、さらに先に行くと熊野古道に繋がっています。
この漁村も襲われた東南海地震と、それによる津波。ここはその到達点に建てられたもので、被害の甚大さと、命を救うためある老人が起こした行動について記されています。
現在は使われていない小学校の校庭。右の大きな木(恐らくフェニックス)や地形を活かした通路など、面白いものがいくつもあり、廃校のまま何も使われないのは勿体ないと感じました。

二木島を取り囲む海に限らない美しく豊かな自然や、その影にある災害や過疎などの問題を間近で感じることができるいい機会だったと思います。

その後いただいた昼食でも、お魚をふんだんに使ったバラエティあふれる料理を楽しみました。



午後は、「漁村の未来」について考えるワークショップを行いました。これからの漁業の担い手を増やしていくために、もっと人々に漁村・漁業の現状を知ってもらうにはどうすればいいかについて、チームで話し合いました。
漁業を知らない人に興味を持ってもらうために、漁業の面白さをまず最初に知ってもらう。そのほか、漁業を始めるために何が壁となり、何を変えていくべきか。話すべき話題は尽きません。
話していて、「廃校のプールと小型の定置網を使って人間が実際に捕えられる魚の体験をする」といったものすごく面白そうなアイデアが出たりして、言いたいことが多すぎて上手くまとめることはできませんでしたが、話し合い後の発表では言えるだけたくさんのことを出し切れたと思いました。


かくして、風変わりな第5回自然環境リテラシー学も終了。二木島の美しい風景を最後に目に焼き付けた後、別れを告げ日常へと戻るため、電車へと乗り込みました。

海と生きる町に滞在してみて

これまでの自然環境リテラシー学とは打って変わって「自然」と「生活」の結び付きに踏み込んでいった第5回。海を相手にする産業で生きていくことの過酷さと楽しさに触れることができたと感じました。
二木島は山に囲まれた漁村なので、不便だと感じたこともいくつかありましたし、津波のような災害と常に隣り合わせだということも知りました。ですが、そのようなリスクとうまく付き合っていければ、さまざまや出会いや発見に囲まれた素晴らしい場所であるということがわかりました。なにより、漁に出て色々な生物を見つけること、それらを実際に食べることを今まで知らなかったのが勿体なかったと思える2日間でした。

終わりに

今回でフミの自然環境リテラシー学のnoteは最終回となります。私が見て、体験した自然のおもしろさ、失敗談、学びetcは伝わりましたでしょうか。
この記事やマガジンに登録されている他の方の記事を読んでみて、「自然って案外おもろいじゃん!」と少しでも感じていただければ幸いです。
そして、そう思っていただいたなら、次は皆さん自身の目で、体で、自然を体験してみてはいかがでしょうか。カヤックでなくても、漁船でなくても、まずはどんな方法でもいいので一度自分で自然に触れてみてはいかがでしょうか。
実際に見て、体験した景色は、少なくとも私が撮った写真よりもずっと鮮明に、心に残るものであると思います。
三重の、日本の自然を体験して、好きになってくれた方が1人でも増えるといいなー。

最後に、計11日の間、自然環境リテラシー学を運営して、私達に素晴らしい体験をさせていただいた先生、リーダーさん、コーディネーターさん達、一緒に旅をした受講生のみんなに、心から感謝したいとおもいます。


拙い文ではございましたが、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

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