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マドンナとの同居生活は大変です1話

午前7時。


けたたましく鳴り響くアラーム。


○○:んん…うるさ…


寝ぼけ眼のままスマホを探しアラームを止め


○○:ふわぁ…寝みぃ…


ベットから降り大きく欠伸をしながら制服に着替えリビングへ降りる。


○母:○○おはよ。
朝ご飯出来てるからちゃっちゃと食べちゃって。


○○:ん。ありがと。


ここで軽く紹介しておこう。


まず部屋から降りてきたのが【山下○○】
現在高校2年生で学力、運動神経共に平凡だが人付き合いが苦手で友達は居ない。


そして社会人の"姉"が居るが今は一人暮らししているため家には居ない。
ちなみにかなり○○の事が好き。


ちなみに父親は海外で働いている為年に数回帰ってきている。
そのため普段は2人で暮らしている。


○母:どう?学校は楽しい?


○○:まぁぼちぼちだよ。


○母:お友達は出来た?


○○:…一応。


○母:その反応はあんまり居ないのね。


○○:…なんで分かんだよ。


○母:あんたの事なんてなんでもお見通しよ。


○○:そうですかい…


○母:まぁお友達が少なくてもあんまり困んないけどね。
大事なのは"落ちるとこ"まで落ちた時に"変わらず"に居てくれる人よ。


○○:母さんがそんな事言うって珍しいじゃん。


○母:そう?
あっあと今日の夕方"大事な話"があるからなるべく早く帰ってきてね。


○○:大事な話?それ今じゃダメなの?


○母:もっとゆっくり話したいから。


○○:ふぅん?


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それから朝食を食べ終え


○母:それとこれお弁当。


○○:ん。ありがと。
それじゃ行ってきます。


○母:気をつけて行ってくるのよ〜


と見送られ○○が学校へ向かう。


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○○:そういや今年から後輩出来るんだよなぁ。
やっぱ先輩らしく困ってそうなら話しかけるか?でもこんな奴が話しかけたら逆に迷惑か?


そんな独り言を言っているうちに無事学校までたどり着く。


○○:まっとりあえず"平凡"ならなんでもいいか。


そして教室へ向かうと


??:山下君おはよ〜


1人の女子生徒から挨拶される。


○○:おはよ。"賀喜さん"。


この人は【賀喜遥香】。
容姿端麗、それでいて着飾らない性格で成績も優秀。
一言で言えばこの学校の"マドンナ"みたいな存在。




賀喜さんはいい人なんだと思う。こんなモブにも挨拶してくれるわけだし。
けど俺はこういう"The一軍女子"みたいなのは好きじゃない。


何故なら



"ちっ…アイツ賀喜さんから挨拶されたぐらいでいい気になんなよ。"


"陰キャは黙って教室の隅座っとけよ。"



これが理由だ。


別に俺は何もしてない。なんなら挨拶を返す"当たり前"の事をしただけだ。



"文句があるなら賀喜さんに言ってくれ。"



なんて口が裂けても言えるわけもなく静かに自分の席へ座る。


それから少しすると


担任:ふわぁ…ホームルーム始めるから席つけよ。


細身で高身長の担任が欠伸をしながら教室へ入ってくる。


担任:今日休みの奴は…居ないな。
それと今年からお前らも1つ学年が上がったんだ。
そこら辺自覚持って過ごせよ。


そしてあっという間にホームルームも終わり


○○:はぁ…もう帰りてぇな。


窓の外からグラウンドを横目に眺めゆっくり机に伏せ眠りにつく。


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時刻は夕方4時。


担任:そんじゃ今日はこれで終わるから部活無いやつはさっさと帰れよ。


ほぼ1日寝て過ごした○○にとって久しぶりに聞こえてきた声は放課後開始の合図のようなものだった。


○○:ふわぁ…流石に寝すぎた…


と大きく背伸びをしカバンを持ち


○○:そういや今日大事な話があるって言ってたよな。
なんなんだろうな。まぁ帰れば分かるか。


そして1人帰路へつくと


??:よしっ。荷物はお母さんが送ってくれてるし後は行くだけだ。


1人の少女が某LINEに送られてきた住所を確認し


"行くってどこに?"


??:ううん。なんでもないよ。
それじゃ私用事あるから先帰るね!


"は〜い。また明日ね〜"


友人と別れの挨拶を交し校舎を出ていく。


その頃


○○:ただいま。


○母:○○おかえり。


○○が帰ってくると大きめなスーツケースにメイクをぱっちりきめた母の姿。


○○:ん?どっか行くの。


○母:実はお母さんも"お父さんの所"行くことになったのよ。


○○:は?どういうこと?
俺何も聞いてなかったけど?


○母:そりゃ言ってないもの。


○○:じゃあいきなり一人暮らししろってか?


○母:大丈夫よ。"1人じゃない"から。


…ますます分からん。


○○:1人じゃないってどういう事だよ?


○母:すぐ分かるわよ。
それと生活費とかはちゃんとお母さん達が払うから○○は気にしなくていいからね。


○○:あぁ…ありがと…じゃなくて…


○母:なに?まだ何かあるの?


○○:それなら姉ちゃんと一緒でも…


そこまで言うと


○母:ほんとにいいの?


○○:いや…ダメだ…


何かを思い出したかのように喋ることを辞める。


○母:とにかく急にこんな事言って申し訳無いけどよろしくね?


○○:はぁ…分かったよ。


○母:それと困ったことがあればお父さんでもお母さんにでもちゃんと言うのよ?


○○:分かってるよ。
それじゃ父さんにもよろしく言っといて。


○母:あら。ずいぶんと早く開き直るのね。


○○:だって今更とやかく言ったとこで無駄だろ。


○母:よく分かってるじゃない笑
それじゃ頑張るのよ。


○○:ん。母さんも気をつけてね。


と母親を見送り


○○:ほんと急過ぎるだろ…
まぁでも姉ちゃんが来ないだけまだマシか。


そう呟き


○○:とりあえず晩飯の準備するか。


とカバンをソファの上に置きキッチンへ向かうと


"ピンポーン"


とインターホンが鳴らされる。


○○:なんだ?忘れ物か?


○○は玄関へ行きドアを開ける。


○○:なにか忘れ物?…って…


??:やっほ〜


そこには


○○:なんで"賀喜さん"が居るの…?



To Be Continued