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クラスのマドンナ達に狙われてるみたいです 49話

屋上で抱き合う2人を照らすように夕日が登る。



山下:ねぇ賀喜くん?



○○:ん?



山下:皆に付き合ったこと話す?



○○:ん〜…多分隠してもすぐ気づかれそうだし話してもいいんじゃない?



山下:へへっ…なら行こっか?



そう言い山下は○○の手を握り



○○:うん…



○○もしっかり握り返し屋上を後にし遥香達の元へ戻る。



その頃



遥香:お兄ちゃんどうだったんだろ?



さくら:わかんない…けど多分大丈夫じゃない?
それにどんな形であれお兄が幸せになってくれるなら私も安心だし。



遥香:だね。



と話していると



久保:おっ遥香達こんなとこに居たんだ?



遥香:史緒里ちゃんだ。



さくら:梅澤さんもさっきぶりです。



久保と未だ涙目の梅澤がやってくる。



さくら:梅澤さん大丈夫ですか?



梅澤:えっ?



さくら:いや、なんか泣いてるように見えたので。



梅澤:あっ…あぁ…ちょっとホコリが目に入っちゃってさ。



さくら:そうだったんですね。



久保:それより賀喜くん達は?



久保がそう聞くと



山下:皆揃ってるじゃん。



手を繋いだ2人もやってくる。



久保:やっほ〜…って手繋いでる!?



山下:実は私達付き合うことになりました〜!



久保:うそ!?ほんとに!?



○○:ついさっき告白して付き合うことに。



遥香:どっちから告白したの!?



○○:一応俺から…



遥香:ふぅ!お兄ちゃんやるじゃん!



さくら:どういう告白したの?



○○:普通だよ。



遥香:私お兄ちゃんが告白するの聞いてみたかったなぁ。



梅澤:賀喜くんをからかわないよ。



さくら:なら今日はお兄と山下さん2人で帰る?



遥香:確かに2人で話したいこともあるだろうし!



久保:じゃ2人ともまた明日ね?



○○:うん。ありがとね。



遥香達を先に帰り



○○:俺らも帰ろっか。



山下:だね。



○○達も帰路についた。



その帰り道



山下:ふふっ…



隣で嬉しそうに笑う山下。



○○:どうかした?



山下:ううん。なんか幸せだなぁと思ってさ?



○○:俺もだよ。未だに実感わかないし。



山下:初めて話した時の事覚えてる?



○○:助けてくれた時でしょ?もちろん覚えてるよ。



山下:やっぱりあの時勇気を出して良かったなって改めて思ってる。
じゃなきゃ私達が仲良くなる事なんて無かったし、こんなに楽しい時間が過ごせなかったしさ。



○○:そうだね。俺も山下さん達が来てくんなかったら色々諦めてたかもだし。
だから山下さんにも久保さんにも梅澤さんにも感謝してもしきれないよ。



山下:あっねぇ…



○○:ん?



山下:もう付き合ってるんだしさ…名前で呼び合わない?




○○:名前で?



山下:うん…ダメ…かな?



○○:いや…!もちろんいいよ…!



山下:なら今呼んでみて?



○○:えっ…えっと…



山下:やっぱり嫌…?



○○:そうじゃないんだけど…恥ずかしいというか…その…



山下:ふふっ。今の"○○くん"可愛い笑




山下はフワッとした笑みを浮かべ○○の名前を呼ぶと



○○:…



一気に顔を真っ赤に染める。



山下:ねぇ…呼んで…?



○○:みっ…美月…



山下:ふふっ、なぁに?



○○:ダメだ…!やっぱり恥ずかしい…



山下:まっ初めてだし許してあげよう笑



と話すうちに山下の家に着く。



すると



山母:あら?美月今帰り?



山下:あっお母さんただいま。



○○:こんばんは。



山母:確か賀喜くん?だったわよね?って手繋いじゃってるって事はもしかして?



山下:今日から付き合うことになったんだ。



山母:そうなのね。
美月はワガママか所とかあるから大変じゃない?



○○:全然そんな事無いですよ。むしろこんな可愛い人と付き合えて幸せ者です。



山母:ふふっ。美月はいい子と捕まえられたのね。



山下:捕まえたって…笑



山母:あっそうだ。そんな2人にいい物あげよっか?



山下:いい物?



そう言い山下の母がカバンから取り出したのは



山母:さっきお買い物してる時に"温泉旅行券"貰ったから2人で行ってくる?



山下:ほんとに!?



山母:ちょうど2人分だしどう?



山下:私は○○くんと行けたら嬉しいけど…



○○:俺も行けるなら行きたいかな。



山母:なら良かったわ。



山下:ちなみにいつ?



山母:来月末だけど大丈夫?



○○:確か予定無いんで俺は大丈夫ですよ。



山下:私も空けとくから大丈夫!



山母:なら楽しみにしててね。



山下:○○くん楽しみだね!



○○:だね。
それじゃ俺そろそろ帰るね。



山母:もし良かったらご飯食べていかない?



○○:気持ちはありがたいんですけど帰ってやる事があるので今日はすいません。



山母:そうなのね。なら気をつけて帰ってね。



○○:ありがとうございます。
美月もまたね。



山下:うん!またね!



そして○○は美月に背を向け帰路へついた。



To Be Continued