見出し画像

マドンナとの同居生活は大変です 33話

それから時刻も進み6時。



店長:2人ともお疲れ様。
今日はもうお客さんも来ないだろうし終わりにしようか。



○○:なら俺床の掃除するんで史緒里さんは机お願いしてもいいですか?



久保:うん。大丈夫だよ。



とそれぞれ取り掛かる。



数分後



○○:史緒里さん終わりました?



久保:ちょうど終わったところだよ。



店長:それじゃ後はやっとくから2人は気をつけて帰りな。



○○:はい。お疲れ様でした。



2人はそれぞれ更衣室で手早く着替えカフェを出る。



その帰り道



○○:そう言えば史緒里さんって兄弟とかいないんですか?



久保:うん。一人っ子だよ。



○○:そうなんですね。



久保:けど1人で過ごすのが昔から好きだったし、寂しいとかは無かったんだけどね。



○○:分かります。確かに1人だと気楽で良いですよね。



久保:けど今は少し変わったかも。



○○:変わった?



久保:うん。今は○○君と居る方が楽しいよ。




○○:史緒里さん…



久保:…なんか恥ずかしいかも…



史緒里は頬を赤く染め恥ずかしそうに俯く。



久保:…遅くなっちゃうし行こっか。



○○:…ですね。



そう話すうちに史緒里の家の近くのスーパーに着く。



久保:晩ご飯何にしよっかな?



カゴを持ち店内を物色する2人。



その時。




"初めての2人での食事なんだよ?
ならパッといかないとね!"




やめろ…今は出てくるな…



あの時の賀喜との会話。



久保:○○君は食べたいものある?



○○:…



久保:○○君?



○○:…すいません、なんですか?



久保:ボーッとしてたけど大丈夫?



○○:大丈夫です…



久保:ならいいけど…食べたいものってある?



○○:ん〜…史緒里さんの得意料理食べたいです。



久保:じゃあ久保家特製のギョーザ作ってあげよっか?



○○:おっ、いいですね。ぜひ食べてみたいです。



久保:じゃあまずはお野菜からだね。



と2人は野菜、肉の順に回っていく。




"でも今はお魚の気分なんだよねぇ。"




○○:ちっ…



久保:○○君?



○○:すいません、ちょっと噛んじゃって。



久保:なんか急に変わっちゃったけど大丈夫?
もしかして体調悪い?



○○:そんな事無いです。むしろピンピンです。



久保:…もし辛いなら言ってね?



○○:ありがとうございます。けど史緒里さんと居れば嫌な事も忘れられそうです。



久保:…よかった。



そしてその後ある程度の食材もカゴへ詰めレジで会計を済ませる。



久保:ふっ…!



○○:荷物は俺が持ちますよ。



久保:でも重いよ?



○○:なら尚更俺の仕事ですよ。



○○は史緒里が苦戦した買い物袋を軽々持ち上げる。



久保:流石○○君だね。



○○:力だけはあるんでいつでも頼ってください。



久保:なら私はこっちにしよっかな。



そういい史緒里は空いた左手を握る。



久保:やっぱり○○君の手握ってると安心する…




○○:史緒里さん…



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



それからしばらくし



久保:ただいま〜。



○○:お邪魔します。



史緒里の家に着く。



○○:今買ったものは台所に持ってってもらっていい?



○○:了解です。



久保:それじゃすぐ作るからゆっくりしてて。



○○:何か手伝いますよ?



久保:お客さんなんだから大丈夫だよ。



○○:ならお言葉に甘えさせてもらいますね。



○○はリビングに置かれたソファに腰掛け



久保:じゃあまずはお野菜からっと。



史緒里は手際よく調理を始めていく。



またその時だった。




"なら私も作るの手伝う!"


何か私にもやらせてよ。"




あいつはもう関係無いだろ…むしろ願ってたことなのに…なんでだよ…



キッチンに立つ史緒里があの日の賀喜と重なるように見える。



すると



久保:○○君。これ。



○○:えっ?



○○:お茶。良かったら飲んで?
汗もすごいよ?



コップに注がれたお茶を差し出す。



○○:すいません…ありがとうございます…



久保:ねぇ○○君…



○○:はい?



久保:…ごめん。なんでもない。



史緒里は再びキッチンへ戻る。



俺は何してんだろうな…



やるせない、なんとも言えない感情に○○はただ1人苦しむ。


To Be Continued