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クラスのマドンナ達に狙われてるみたいです 11話

久保:賀喜くん大丈夫かな…


梅澤:当たったのが頭だし色々怖いよね…


体育館の隅っこに小さく集まる5人。


遥香:お兄ちゃん居なくならないよね…大丈夫だよね…


さくら:大丈夫…今はそう信じるしかないよ…


遥香:わかってる…わかってるけど…


その頃


医師:とりあえず命に別状は無いですし、時間が経てばきっと目を覚ますはずですよ。


飛鳥:そうですか…本当にありがとうございました…


医師:いえ。


そう告げ病室を出ていく医師。


教師:飛鳥先生のクラスも私が責任を持って見ておくので今日はここに残ってあげてください。


飛鳥:すみません…


そして教師もその場を去っていく。


飛鳥:…もしもっと早く止められてれば誰も傷つかなくて済んだのにね…


どこか責任を感じたように小さく呟くと


○○:…先生のせいじゃないですよ。


飛鳥:えっ…って起きてたの…?


○○:まぁ。流石にボールが当たった直後は記憶無いんで意識無かったと思いますけど。


飛鳥:そう…


○○:なんで先生がそんな責任感じてるんですか?
今回悪いのはアイツらで他の誰も悪くないですよ。


飛鳥:でも事前に防ぐのが教師の…


○○:何でも前もって分かってる人なんていないですから。
それにもうピンピンしてるし大丈夫ですよ。


飛鳥:…最近の若い子は凄いのね。


○○:先生も充分若いでしょ。ってそれより遥香達は大丈夫ですか?


飛鳥:ほかの先生達に見てもらってるわ。だから大丈夫だと思うよ。


○○:なら良かった…


○○は安心した表情を浮かべると


飛鳥:ほんとに妹さん思いなのね。


○○:そりゃ数少ない家族ですし。


飛鳥:…教師がこんな事聞くのは変だと思うけど…ご両親が居なくて寂しいとか無いの…?


○○:…もちろん最初は考えたくも無かったですよ。でも今は違います。むしろあんな親から離れられて良かったって思う事もありますから。


飛鳥:そう…


○○:まっ困る事は山ほどありますけどね。


飛鳥:なら…困った事があればすぐ先生に相談しなさいね?
流石に教師と生徒だから出来ることは限られるけど、精一杯支えるから。


○○:ありがとうございます。
やっぱ飛鳥先生は頼りになりますね。


○○は怪我人とは思えないほどケロッとした笑みを浮かべる。


○○:あっあと話変わるんですけど、俺っていつ退院出来るんですか?


飛鳥:わかんないけど問題なければすぐだと思うよ。


○○:そうですか…なら遥香達の飯どうすっかな…


飛鳥:きっと自分達でなんとかすると思うよ?


○○:ならいいんですけどね。


飛鳥:それじゃ私はそろそろ戻るから。
また退院する時は私が連れて帰るから。


○○:了解です。


そして飛鳥先生も病室を出ていく。


飛鳥:…私があの子達を守らなきゃ…



〜〜


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それから数日後。


○○:んん〜…久しぶりの外の空気は美味いなぁ。


退院の日が訪れる。


飛鳥:先生ありがとうございました。


医師:いえいえ。君も大丈夫だとは思うけど一応まだ無理はしないように。


○○:はい。


飛鳥:よしっ。それじゃ帰るわよ。


○○:は〜い。


と○○は飛鳥先生の車に乗り込む。


○○:先生山下さん達大丈夫そうでした?


飛鳥:えぇ。けどやっぱかなり心配してたのと男の子達がしつこいぐらい近づいてたから気をつけた方がいいと思うわよ。


○○:はぁ…ほんと猿みたいなやつしかいねぇな。


飛鳥:それと1つ聞きたいんだけど。


○○:はい?


飛鳥:今バイトしてる?


○○:幾つか掛け持ちでしてますよ?


飛鳥:ならその中に"生田絵梨花"って人のお店で働いたりしてない?


○○:あぁしてますよ。なんなら絵梨花さんは俺らの親戚ですし。


飛鳥:へぇ、親戚ねぇ…って親戚!?


○○:ちょっ先生運転!?


飛鳥:あっ…ごめん…


○○:そんなびっくりしてどうしたんですか?


飛鳥:いや…その人私の知り合いでもあって君の事話してたから気になってね。


○○:飛鳥先生も絵梨花さんと知り合いだったんですか?


飛鳥:えぇ。私が教師を目指すきっかけの人でもあったから。


○○:そう言えば絵梨花さんも昔教師だったって言ってたな。
で、どんな話してたんですか?


飛鳥:やっぱ君の普段の学校での様子とから家庭の事情を少しね。


○○:なるほど。けど絵梨花さんと繋がりあるの意外でした。


飛鳥:そんな頻繁に連絡取り合うわけじゃ無いからね。


と話すうちに○○の家の近くまで帰ってくる。


飛鳥:流石に家まで送る訳にもいかないからここまでね。


○○:わざわざありがとうございました。


飛鳥:それじゃゆっくり休むようにね。


○○:はい。それじゃ。


と○○は車を降り1つ礼を言い飛鳥先生を見送り家へ向かう。


○○:ただいま〜。


玄関のドアを開け帰ってきた事を伝えると


遥香:お兄ちゃん!!


さくら:お兄おかえり…


○○:2人ともただいま。


不安そうに○○を迎え入れる2人と


○○:なんか靴1つ多くない?


玄関には3足の靴が並べられていた。


??:賀喜くんおかえり。


そこに居たのは


○○:あれ?"山下さん"?



To Be Continued