クラスのマドンナ達に狙われてるみたいです 50話
数日経ったとある休みの日。
遥香:ふわぁ…眠たぃ…
あくびをしながら部屋から出てくる遥香。
○○:遥香おはよ。
遥香:お兄ちゃんおはよぉ…今日もバイト?
○○:そうなんだよ。
遥香:相変わらず頑張るねぇ。
○○:まぁやるしかないからな。
遥香:あっならさ?あとでさくと遊び行ってもいい?
○○:ん〜…まぁいいか。
遥香:やったね!それじゃお兄ちゃん行ってらっしゃい!
○○:おう。また後でな。
○○はそう返し家を出ていつものカフェへ向かう。
その頃
梅澤:…暇だな。
自室のベットに背を預けスマホに視線を落とす梅澤。
すると
"プルプル"
と震え画面には
"久保"
の2文字。
梅澤:もしもし?久保?
久保:もしも〜し。今大丈夫だった?
梅澤:大丈夫だけどどうかした?
久保:何となく前の梅が気になっててさ?
梅澤:前のっていつ?
久保:文化祭の時。
さくにはホコリが入っただけって言ってたけどそれだけじゃ無いと思ったんだよね。
梅澤:…別に何もないよ。
久保:ふふふっ。私を舐めてもらっちゃ困るよ。
梅澤:…
久保:多分だけど賀喜くんの事でしょ?
梅澤:なんでそう思うの?
久保:もう何年友達やってると思ってんの?
それぐらいすぐ気づくに決まってんじゃん。
梅澤:…流石久保だね。
久保:その反応は図星って事だね。
梅澤:…私賀喜くんの事好きだったんだよね。
久保:やっぱり。
梅澤:文化祭の日さ、山と少し話したんだよね。
梅澤は山下との会話を話す。
梅澤:それで自分の気持ちを伝えて後悔はしてない…って思ってたけどさ…
久保:やっぱり辛かったと?
梅澤:まぁ…
久保:でもそれはそうだよね。
私も梅の立場ならすぐには立ち直れないだろうし。
梅澤:…やっぱりそうだよね。もう忘れなきゃって思うんだけどさ…
久保:別に無理して忘れる必要ないんじゃない?
梅澤:えっ?
久保:好きな気持ちを無理やり抑え込むのって純粋に辛いし、それで忘れられるなら苦労もしないじゃん?
梅澤:そうだけど…
久保:それに人を好きになるのも、好きでい続けるのも悪いことじゃないと思うからさ。
それに2人とも梅の気持ち知ってるなら嫌な気にはならないと思うよ?
梅澤:そう…だよね。
久保:それに梅もいつかいい人見つけられるしさ。
梅澤:久保ありがとね。元気でたよ。
久保:なら良かった。
それじゃせっかくだし2人で出かけない?
梅澤:いいよ。どこ行く?
久保:久しぶりに服買いに行こうよ?
梅澤:ならショッピングモールで待ち合わせでいい?
久保:大丈夫。んじゃまた後でね〜。
と電話は切られ
梅澤:私友達に恵まれてるんだな。
梅澤は明るい表情で呟いた。
〜〜
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"カランコロン"
鈴の鳴るドアを開け
遥香:お兄ちゃん来たよ〜。
さくら:今大丈夫?
○○:いらっしゃい。
空いてる席座っていいよ。
遥香:は〜い。
あっあと私りんごジュースがいい!
○○:ほい。さくらは?
さくら:ブラックコーヒーお願いしてもいい?
○○:了解。んじゃ待ってて。
と○○は裏へ下がっていく。
遥香:ってかさくブラックコーヒーなんて飲めるんだ?
さくら:あれ?言った事無かったっけ?
遥香:無いよ!初耳!
さくら:まっ私は大人だからね。
遥香:ちょっと馬鹿にしてるでしょ!
さくら:してないしてない。
田村:ふふっ相変わらず仲良しだねぇ。
遥香:あっ!まゆたんだ!
物音を立てずに店内へ入ってきた田村。
そしてそこに
○○:あれ?真佑さんシフト入ってましたっけ?
田村:入ってないけど暇だから○○くんに会いに来てあげたよ!
○○:そうですか。
○○は冷静に聞き流し
○○:これりんごジュースとブラックコーヒーね。
あとこれ絵梨花さんが特別にケーキとみたらし団子つけてくれたから食べてよ。
さくら:いいの?
○○:もちろん。
遥香:やったね!あとでお礼言っとかなきゃ。
○○:で、真佑さんはなにか飲みます?
田村:○○くんの今日のおすすめは?
○○:お冷です。
田村:ならそれで…ってお冷かい!
遥香:おぉ、まゆたんがツッコミ入れてる笑
田村:ならこれは○○くんと…
○○:俺彼女居るんでお断りします。
田村:ちぇっ…ってえぇ!?今なんて!?
○○:俺彼女出来たんで。
田村:ほんとに言ってる!?
○○:はい。
田村:いつ出来たの!?
○○:文化祭の日です。
田村:そんな…まさか○○くんに彼女が出来るなんて…明日多分大雪だ…もしかしたら嵐来ちゃうかも…
○○:人の事平気にディスるのやめてください。
と話していると
??:…
店の外から店内を眺める1人の少女。
○○:ごめん、ちょっとまってて。
○○はそう言い残しその少女の元へ向かう。
○○:どうかした?"蓮加ちゃん"。
蓮加:…すいません。なんでもないです。
○○:良かったらなにか飲んでく?
蓮加:いえ…大丈夫です。
○○:そっか。
蓮加:あっ…あの…
○○:ん?
蓮加:賀喜先輩はあれから大丈夫でしたか…?
○○:うん。俺達は大丈夫だよ。
蓮加ちゃんは?って大丈夫なわけないよね…ごめん。
蓮加:いえ…兄と父が捕まってから祖母の家に引き取られてたので。
○○:そっか。
蓮加:本当に兄と父がすみませんでした…
蓮加は謝りながら深く頭を下げる。
○○:ちょっ!頭上げてよ!蓮加ちゃんは何も悪くないんだからさ?
蓮加:私…転校することになったんです。
だから…最後にもう一度謝りたくて…
○○:そうなんだ…けどほんとに蓮加ちゃんは悪くないからもう気にしないでよ。
蓮加:ありがとうございます…
○○:あっちょっとまってて。
○○はそう言うと店内へ戻り
○○:絵梨花さんすいません、ちょっとこれもらいますね。
絵梨花:いいけどどうかしたの?
○○:ちょっとありまして。
と○○はとある物を瓶に詰め蓮加の元へ戻る。
○○:これあげるよ。
蓮加:これってコーヒー豆ですか?
○○:そう。うちのコーヒー美味しいから良かったら飲んでよ?
で、またいつか感想伝えに来てくれたら嬉しいかな。
蓮加:賀喜先輩…
○○:俺に出来るのはこれぐらいだし偉そうな事言えないけどさ、蓮加ちゃんなら次の学校でも友達出来るだろうし頑張ってね。
蓮加:はい…ありがとうございます。
○○:それじゃまたね。
蓮加:はい。
そして蓮加はどこか寂しそうな表情で大事そうにコーヒー豆を握り締めカフェを後にした。
To Be Continued
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