マドンナとの同居生活は大変です 37話
美月:これが○○の過去。
賀喜:じゃあさっき居たあの人が…
美月:聖来ちゃんを殺した犯人。
賀喜:それ…○○君は何も悪くないですよね…?
美月:むしろ○○も被害者よ。
けどあの男は異常者だから○○のせいにしてるの。
賀喜:…
美月:今の話を聞いて色々思うことがあると思う。
だけど○○の味方でい続けてあげて欲しいの。
賀喜:はい…
美月:それとこの事を知ってるのは私達だけだから、誰にも話さないでね。
賀喜:はい…
美月:それじゃ帰るからシートベルト締めてね。
と美月はエンジンをかけ自宅へ向かった。
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その日の夜。
○○:素直になれ…か…
分かってはいるけどいざとなると難しいんだよな…
部屋のベットに身を投げ1人考える○○。
○○:…答えは見つかったはずなのに…ほんとにいいのか…?
すると
"プルプル"
○○のスマホに電話が鳴る。
○○:もしもし?姉ちゃん?
美月:○○今大丈夫?
○○:大丈夫だけど。
美月:なら落ち着いて聞いてね。
○○:なに?
美月:あいつが…かっきーに近づいてる。
○○:はっ?どういう事だよ。
今どこにいんだよ?
美月:○○落ち着いて。
ギリギリで私が助けに入れたから何もされてないよ。
けど学校から離れた駅に居てもバレたって事はそれなりに探りを入れられてる可能性はあると思う。
○○:くそがっ…
美月:とにかくこっちに居る時は私が責任持って見るし学校の送迎も私がする。
その代わり私が居ない時は頼むよ?
○○:当たり前だろ。もし次あの面見せてみろ…今度こそ…
美月:○○。絶対に危険な事はしないで。
○○:…分かってる。
美月:また何かあればすぐ連絡するから。
ほんとにお願いだから変な事だけはしないで。
○○:…大丈夫。姉ちゃんも賀喜の事頼む。
美月:それじゃおやすみ。
○○:ん。おやすみ。
そして電話を切る。
○○:どうする…俺があいつの近くに居た方がいいのか…
いや…俺にはまだ史緒里さんが居るんだ…そんな事出来ないか…
結局何も思いつかずスマホを投げた時。
"プルプル"
と再び電話が鳴る。
○○:また姉ちゃんか…
○○は相手を気にせず電話に出ると
○○:もしもし?今度はなに?
??:あっ…○○君ごめん…
○○:えっ?って史緒里さんか。すみません。
久保:何か怒ってた…?
○○:なんでもないですよ。
それよりどうしました?
久保:ちょっと○○君の声聞きたくて…迷惑だった…?
○○:そんな事無いですよ。
むしろ俺も話したかったので。
久保:ふふっ…良かった…
電話越しに安心したように呟く史緒里。
久保:最近新学期始まったけどどう?楽しい?
○○:ぼちぼちですよ。
そんな友達も居ないので1人で過ごしてますし。
久保:そっか。
…私も○○君と同じ学校通いたかったなぁ。
○○:俺も似たような事考えてましたよ。
久保:やっぱり私達気が合うのかな?
○○:だと思いますよ。
久保:…○○君はさ、私のどこを好きになってくれたの?
○○:優しいところとか、笑顔が可愛いとことか色々ありますよ。
けど1番は…
久保:1番は?
○○:いや…なんでもないです。
とにかく史緒里さんの全てが好きです。
久保:…私も○○君の全部が好きだよ。
話だけ聞けばただの恋人同士の会話。
その時
俺はあいつと本当に居たいのか…?
史緒里さんと居た方が幸せなんじゃないか…?
決めていたはずの覚悟。
しかし史緒里の声を聞くと分からなくなる自分の意思。
久保:○○君?
○○:あっ…すいません…
久保:もしかして無理してる?
○○:そんな事ないですよ。
心配かけてすみません。
久保:だったらいいんだけど…
史緒里さんにも心配かけてどうすんだよ…
今は彼氏なんだろ…ちゃんとしろよ…
誰にも向けられない
誰にも言えない
分からなくなる自分にただただ苛立ちだけが募っていく。
To Be Continued