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マドンナとの同居生活は大変です 38話

翌朝。




"ピンポーン"




7時半にも関わらず鳴るインターホン。



○○:こんな時間に誰だ?



○○は不思議がりながら玄関へ向かう。



○○:はい?



そこに居たのは



美月:○○おはよ。




美月と



賀喜:ちゃんと起きてるんだね?




賀喜の姿。



○○:朝からなに?



美月:かっきーを連れてくんだったら○○もついでに迎えに行こうと思ってさ?



○○:別に俺はいいのに。



賀喜:そんな事言わないでさ、せっかく迎えに来たんだし一緒に行こうよ?



○○:わかったよ。すぐ支度してくる。



○○はそう返し部屋へ戻る。



○○:あいつ意外と平気そうだな。
けど…



無意識に拳に力が入る。



すると




"ピロン"




と通知が届く。



○○:誰だ?って史緒里さんだ。



画面には



"放課後○○君の高校行くから一緒に帰らない?"



という文。



○○:一緒にですか?



○○はそう返すと



"放課後デートとかしてみたくて…ダメかな…?"



○○:俺は大丈夫ですけど史緒里さんは大変じゃないですか?



"大丈夫。○○君に会えるならどこにでも行くよ。"



○○:分かりました。ならまた終わったら連絡しますね。



"うん。それじゃ頑張ってね。"



○○はそこでやり取りを終わらせ荷物を持ち急いで家を出る。



○○:おまたせ。



美月:よしっ。それじゃ行こっか。



と○○達を乗せ美月は車のエンジンをかけ、学校へ向かう。



その道中。



賀喜:○○君って思ったより辛い過去があったんだね。



○○:なんの事?



美月:聖来ちゃんの事。



○○:あぁ…聖来か…



美月:あの男がかっきーに近づいてきたし、話さないわけにもいかないと思って。勝手に話してごめんね。



○○:どうせいつか話さなきゃいけない事だしいいよ。
で、お前はどう思ったんだよ?



賀喜:どうって…なんというか…どうして○○君が責められるんだろうって言うのが1番最初の疑問だったよ。



○○:…



賀喜:それに私なら絶対そんな経験はしたくないし、正直耐えられるか分からないよ。でも○○君は乗り越えて強いなって…



○○:俺は何も乗り越えられてないよ。
未だにあの時の事を思い出すし、あいつを殺したいとも思う。



賀喜:そっか…



○○:…まぁでもとりあえずお前が無事で良かったよ。



賀喜:○○君が心配してくれるんだ?



○○:当たり前だろ。あんな思いは2度とごめんだからな。



賀喜:…ありがとね?



そしてそれから少しし



美月:2人とも着いたよ。



賀喜:美月さんありがとうございました!
○○君行こ?



○○:あぁ。



と2人が車を降りると



美月:○○はちょっと待って。



○○:なに?



美月:私が偉そうな事は言えないけどさ、中途半端に物事を進めちゃダメだよ。



○○:何言ってんの?



美月:お姉ちゃんに隠し事しようとしたって無駄だよ?
自分でかっきーの事どう思ってるか気づいてるんでしょ?



○○:…



美月:誰を選ぶかは○○次第だけどちゃんと考えて考え込む事。いいね?



○○:…分かってる。



美月:それじゃまた放課後迎えに来るから。



○○:あっ俺放課後彼女と会うからあいつだけ連れて帰ってあげて。



美月:了解。ちゃんと授業受けるんだよ?



○○:分かってる。姉ちゃんも仕事頑張って。



○○はそういい美月を見送る。



賀喜:○○君何話してたの?



○○:ちょっとした世間話。



賀喜:ふぅん?



○○:とりあえずさっさと教室行くぞ。



賀喜:あっ!待ってよ!



2人は校舎へ入り教室へ向かった。



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



それから時間も進み



田村:かっきー帰ろ〜…ってあれ?もう居ないじゃん?



放課後になり、田村が賀喜を呼びに行くが既に姿は無かった。



田村:ねぇねぇ山下君?



○○:なに?



田村:かっきーが居ないんだけどどこいったか知ってる?



○○:さぁ?先教室出てったんじゃない?



田村:ならまだ追いつくかも!



と田村は急いで教室を出ていく。



○○:そうだ。俺も史緒里さんに連絡しとかないと。



○○はスマホを取りだし



"今終わりました。"



とメッセージを送る。



○○:うっし。行くか。



と○○も教室を出ていく。



○○:ふわぁ…寝みぃ…



背を伸ばしながら靴を履き替え外へ出ると



久保:○○君!




他校の制服姿の史緒里が○○を迎えに来る。



○○:史緒里さんお疲れ様です。
ここまで遠く無かったですか?



久保:全然平気だったよ?



○○:じゃ帰りましょっか。



と2人が帰路へつこうとした時。



美月:○○〜!



○○:ん?って姉ちゃんか。



美月:かっきー見てない?



○○:見てないし教室にも居なかったから先降りてるのかなと思ってたけど。



美月:おかしいなぁ…迎え行くから待っててって言ったのにな…



○○:連絡したの?



美月:何回か送ったんだけど全然返信が無くてさ。



その時




"プルプル"




と美月のスマホに賀喜から着信がかかる。



美月:もしもし?かっきー今どこに…



しかし聞こえてきたのは



??:こないだぶりだな。



美月:…あんた!



賀喜の声ではなく、不安と苛立ちを感じさせる声。



??:まぁ落ち着け。この女は俺が預かってる。
まだ何も手はつけてないから安心しろ。



美月:…今どこに居るのよ!



??:落ち着けって言ったろ。
もしそれ以上騒げばどうなっても知らねぇぞ?



美月:くっ…



美月の額から流れる汗。



しかしそれ以上に



○○:ぶっ殺す…



怒りだけを全面に出す○○。



そして美月のスマホを奪い取ろうとするが



美月:(○○待って。)



手で○○を制す美月。



美月:何が目的なのよ。



??:あいつに復讐するための準備だ。
それにはお前も必要なんだよ。



美月:私が?どうして?



??:それは来れば説明してやる。
今から送る住所に1人で来い。
もし誰か1人でも連れてきてみろ。この女に明日は無いからな。



その言葉を最後に電話は切られる。



美月:くそっ…やられた…!



○○:姉ちゃん早く車出して!



美月:でも誰も連れてくるなって…



○○:いいから!早くしろ!時間がねぇんだよ!



美月:…わかった。



そして車へ乗り込もうとした○○。



しかし



久保:待って…




○○の服の袖を摘み呼び止める史緒里。



久保:どこに行くの…?



○○:史緒里さん…



久保:行かないで…一緒に帰ろ…?




美月:○○…早く…!



迫られる選択。

自身で選ばなければいけない未来。

タイムリミットはもう無い。



To Be Continued

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