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同居人が全員美女な件について 5話

時刻は夕方6時。



賀喜:ただいま〜。



玄関のドアを開け帰ってくる賀喜。



久保:遥香おかえり。今日遅かったね?



賀喜:お友達とちょっとお買い物行っててさ。



久保:あぁ、それでか。



賀喜:○○と美月さんは?



久保:○○君は結構前に帰ってきてるけど、山は大学で少し用があるからって言ってたけどそろそろ終わるんじゃないかな?



と、そこに



○○:なんだ。お前帰ってきてたのか。



賀喜:おっ○○じゃん。



○○:美月は?



賀喜:まだ大学だって。



○○:へぇ。結構遅くまで残るんだな。



賀喜:けどそろそろ終わるみたいだけどね。



久保:そうだ、○○君山迎えに行ってあげてよ?



○○:迎え?



久保:外も暗くなってきたし何かあったら嫌だからさ?



○○:あぁ。まっ暇だしいっか。
んじゃ行ってくる。



○○はそう返し家を出て美月の大学へ向かう。



賀喜:美月さんの事になるとすごい素直だよなぁ。



久保:彼女なんだし当然なんじゃない?



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



歩くこと数十分。



○○:思ったより距離あったな。



美月の通う大学に着きポケットに手を入れ出てくるのを待つ。



すると




"なぁなぁ?今から飯行こうぜ?"



山下:大丈夫です。



"その大丈夫って行くって意味の大丈夫だよな?"



山下:そんな訳ないでしょ。それに私彼氏いるんで。



"もしかして浮気になるとか思ってる?別に飯食うぐらい友達通しでもあるでしょ。"



山下:そもそも私はあなたと友達にも知り合いにもなったつもりないから。



"そんな冷たい事言わないでさぁ?"




美月に言いよる金髪の明らかに素行の悪そうな男。




山下:はぁ…しつこいです。これ以上関わるなら先生なり警察なり呼びますよ。



"ちっ…めんどくせぇ…"




男は1つ舌打ちをすると




"あんま大事にはしたくなかったんだけどな。"




右手で美月の口を塞ぐ。




"痛い目みたくなかったら騒ぐなよ?"




そう言う男の目には美月しか映っていなかった。




山下:(まずい…逃げなきゃ…!)




しかし男の力に勝てるわけも無く徐々に恐怖心が強くなっていく。




その時



○○:あんたなにしてんの?



口を塞がれていた手が離れるのと同時に聞こえてくる○○の声。




"あぁ?お前誰だよ?"



○○:その子の彼氏。



"お前がか?見るからに高校生ぐらいのガキじゃねぇか。"



○○:まぁ高校生なんで間違っては無いですね。
それより早く返してもらっていいですか?




○○は臆すること無く少しずつ男に詰め寄っていく。




"彼氏君には悪ぃけどちょっと彼女借りるな?"



○○:うるせぇよ馬鹿が。



"んだと?"



○○:お前見てぇな虫けらが美月の隣に立っていいわけねぇだろ。



"てめぇ…痛い目見ねぇとわかんねぇみたいだな。"




男は○○の胸ぐらを掴んだ瞬間




○○:…



"はっ…?"




時間にしてわずか数秒にも満たないが地面にひれ伏す男と見下す○○。



○○:最後に言っといてやる。
人の女に手出すならそれなりの覚悟しとけよ。



○○はまるでゴミを見るかのような目で男に告げる。



○○:うっし。美月帰るぞ。



山下:あっ…うん…



2人は並んで大学を後にする。



その帰り道。



○○:さっきは大丈夫だったか?



山下:うん…



○○:なら良かったよ。けどあれは誰?



山下:同期。けど好きじゃないんだよね。
なんか自分に自信持ち過ぎてるし、女の子に誰かれ構わず狙ってて気持ち悪いくて。



○○:そっか。



山下:それよりなんで○○が居たの?



○○:史緒里さんが美月が帰り遅くなるからって言ってたから迎えに来ただけ。



山下:そうだったんだ。学校終わりで疲れてるのにごめんね?



○○:別に暇だったし大丈夫。
それとはい。



と○○は右手を美月の前に出す。



山下:えっ?



○○:手震えてる。怖かったんだろ。



山下:うん…



○○:もっと早く助けてやれたら良かったんだけどな。



山下:ううん…助けてくれただけでも嬉しかったよ…



美月は安心したような表情で差し出された○○の右手を握る。



山下:○○の手っておっきいね。



○○:そうか?



山下:うん。すごい安心する。



○○:そっか。
それとさ、今週末って暇?



山下:確か予定は入ってなかったと思ったけどどうして?



○○:久しぶりに2人で出かけるか?



山下:ほんとに!?○○がデートしてくれるの!?



美月は目を見開き驚いた表情を浮かべる。



○○:ここ最近は家で適当に過ごすぐらいしかして無かったし久しぶりにはいいんじゃないかなと思ってさ。
で、どうす…



山下:行く!絶対行く!



○○:おっ…おぉ…



山下:どこにする?遊園地?水族館?動物園?それともショッピング?



○○:なら新しい服欲しいしショッピングモールでも行かない?



山下:行こ!でお揃いの物も買お!




隣で嬉しそうにはしゃぐ美月にさっきまでの恐怖は無くなっていた。



To Be Continued

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