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マドンナとの同居生活は大変です 39話

久保:行かないで…一緒に帰ろ…?




美月:○○…早く…!



迫られる最後の選択。



○○の答えは…



○○:史緒里さん…ごめんなさい…



小さく謝り美月の車へ乗り込む。



そしてそのまま去っていく。



久保:どうして私だけを見てくれないの…




史緒里の悲しい声を耳にすることなく。



○○:はぁ…くそが…



美月:○○、絶対に無茶だけはしないで。



○○:分かってる…けどもしもの時は無理やりでも俺を抑えて…
あいつの顔見たら自分で制御できる自信は無いから。



美月:…わかった。



車の中に漂う暗い雰囲気。



その頃



賀喜:ん…んん…!



小さなアパートの2階の一室。



椅子の後ろに手を縛られ、口はガムテープで塞がれる賀喜。



池田:おいおい。そんな慌てんなよ。
今からあいつの姉貴が来るみたいだからな。



賀喜:ん…!(美月さんが来たら何されるか…)



池田:何言ってんのかわかんねぇな。
仕方ねぇ。ガムテープだけは取ってやるか。



と池田は口からガムテープを剥がす。



賀喜:…何が目的なんですか?



池田:何回も言ったろ。あいつに復讐するためだって。



賀喜:でも悪いのはあなたであって○○君は何も…



池田:お前も向こうにつくのか。愚かなやつだ。



賀喜:人を殺しておいて何を言ってるんですか…



池田:仕方ないだろ。そもそもあいつが居なけりゃ聖来ちゃんは死ななかった。
なのに俺が悪いと?



賀喜:そうですよ…



池田:ちっ…自分の立場理解出来てないみたいだね。



池田はそう言うととある物を取り出す。



賀喜:それは…?



池田:海外産のクスリだよ。
結構高かったんだぜ?



賀喜:それをどうするつもりなんですか…?



池田:さぁ?どうだろうな?
効果も気になるしあんたに試してみてもいいか?



賀喜:ひっ…



池田:まぁ聞いた話によれば最初は痛いけどあっという間にそれも快楽に変わるらしいぜ。
で、明日からはもうまともな生活なんて送れないんだと。



賀喜:なんでそんなものが…



池田:だから海外から取り入れたんだよ。
そういうのに内通してる奴が居るからな。



賀喜:それを私に打ってどうするんですか…?



池田:さっきから質問が多いな。
これ打って黙らせるか。



池田は賀喜の首に注射器の針を当てる。



賀喜:ん…!



池田:まだ打たないでおいてやるよ。
その代わりそろそろ黙っとけよ。



そういい賀喜を睨みつける池田。



すると




"ピンポーン"




とインターホンが鳴る。



池田:来たか。入れ。



池田が指示を出すと



美月:かっきーは無事なんでしょうね?



外には美月ただ1人。



池田:あぁ。他に誰も連れてきてないな?



美月:連れてきてないわよ。



池田:じゃあ入って鍵を閉めろ。



美月は大人しく従い玄関の鍵を閉め家の中へ上がっていく。



池田:警察にも言ってないな?



美月:誰にも言ってないし、1人で来たって言ったでしょ。



池田:その態度ムカつくな。
まぁいい。着信履歴を見せろ。早く。



美月:…わかったわよ。



美月はスマホを開き誰とも連絡を取ってないことを見せる。



池田:確認した。じゃあ次は服を脱げ。



美月:…どうして?



池田:何か余計なもんでも持たれてると厄介だからな。



美月:だからって…



池田:この女がどうなってもいいならそのままでもいいぜ。



と注射器を見せつける池田。



賀喜:美月さん…私の事はいいです…
だから…



自分のせいで大切な人が汚されるかもしれない。

そんな事実が賀喜を苦しめる。


美月:かっきー…大丈夫。すぐに"助けてくれる"から。



池田:早くしろよ。



美月:脱ぐからそれを下ろして。



美月はゆっくりと服の袖をつまみ、捲りあげ始める。



その時




"パリィィン!"




突然ベランダの窓が割れ



○○:池田ぁ!



○○が現れ池田を押し倒す。



池田:なんでお前がいるんだよ!



○○:よくもやってくれやがったな!



池田:ここ2階だぞ!どうやって上がってきやがった!



○○:んな事どうでもいいだろ!
ここでお前をぶっ殺す!



馬乗りになり胸ぐらを掴む。



池田:殺す…か。お前は何故俺を恨む?



○○:黙れ!



池田:聖来ちゃんが死んだのはお前のせいだぞ!
お前が聖来ちゃんと付き合うから…本当は俺に気があったのに…お前が手を出すから…!



○○:てめぇの汚ぇ口で聖来の名前を出すんじゃねぇよ!



池田:そろそろ気づけよ!お前が居なけりゃ聖来ちゃんは死んでなかったって!
俺を選んだ方が今も幸せに生きてられたんだって!



○○:本気でそんな事思ってんのかよ!
とんだ勘違い野郎だな!



池田:いいや事実だ!
お前は聖来ちゃんに何をしてやれた?
何をしてきた?



○○:俺は…



池田:聖来ちゃんの本当の笑顔を見ていいのは俺だけだった!なのにお前は奪いやがって殺しやがった!
自分の責任がわかったならさっさと退けよ!



池田は少しずつ○○を押し返す。



しかし



○○:俺は聖来を幸せにしてたよ!
あの笑顔を出せるのは俺だけだ!お前には絶対向けられない笑顔をな!



○○は胸ぐらから首へ手を移動させ、血管が浮き出るほどに力を込める。



賀喜:○○君…!



○○:姉ちゃんは早く賀喜の手をほどけ!



池田:なぁ?お前がやろうとしてるのは恨んでる俺と同じ事だぜ?



○○:黙れ!それでいいんだよ!
お前みたいなクズに大事な奴が殺されるぐらいならな!



池田:そうか。じゃあ…また地獄で会おうか…人殺し…



その言葉を最後に力が抜け切りそうになった時



賀喜:○○君ダメ…!



後ろから○○を抱きしめ無理やり手を離させる賀喜。



○○:はぁ…はぁ…はぁ…



池田:…なんで邪魔しやがる…



あと数秒でも締め続けていれば恐らく手を遅れだった。



賀喜:○○君がこれ以上苦しむ必要なんてないんだよ…



顔は見えないがそれでも○○の腹部に回された手は確実に震えている。



賀喜:怖い○○君は見たくないよ…
お願いだから…前の優しい○○君に戻って…



○○:賀喜…



池田:ちっ…胸くそ悪ぃ…



池田はそう言い残し静かに目を閉じる。



美月:○○…かっきー…!



○○:姉ちゃんもごめん…
もし賀喜が居なけりゃ俺は…



美月:いいの…今は自分を責めないで…
とにかく無事ったんだからそれでいいの…



そしてその後騒ぎを聞きつけた警官が訪れ、池田は麻薬所持の疑いで再度捕まりひと時の安定が訪れた。



To Be Continued

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