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クラスのマドンナ達に狙われてるみたいです 52話

数時間後。



山下:ん…くん…○…くん…○○くん?



○○:んん…



山下:着いたよ。



○○:あっ…もう…?



山下:うん。早く降りよ?



目的地に着き、荷台から荷物を降ろし新幹線を降りる。



○○:ん〜…いい空気だぁ。



山下:ずっと気持ちよさそうに寝てたよね。



○○:なんか気づいたら寝ちゃっててさ。



山下:私は1人で暇だったけどなぁ?



○○:ごめん…その代わり荷物持つよ。



と○○が山下のキャリーケースを持とうとすると



山下:ううん。自分で持つからいいよ。



○○:でも…



山下:それに○○くんに持ってもらったらこう出来ないじゃん?



そう言うと山下は○○の右手を恋人繋ぎで繋ぐ。



山下:私の手離さないでね?





…それはほんとに可愛すぎるって…



○○:当たり前だよ。



そして2人は改札を抜け



山下:どうする?先に旅館行く?



○○:あっ今回旅館なんだ?



山下:温泉もあるし、お部屋にも露天風呂付いてるんだって。



○○:へぇ。すごいな。
なら荷物も多いし先旅館行こっか。



山下:ならバスが…あれだ!



と○○達は旅館行きのバスへ乗り込んでいく。



○○:この後どこ行く?



山下:ん〜…何があるか分かんないけどお揃いの物とさ買いたいかも?



○○:いいね。



と話すうちにバスは動き始める。



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バスに揺られること数十分。



○○:すげぇ…



山下:思ったより豪華だ…



目の前には高級感漂う立派な旅館。



まさかこんな規模とか想像もしてなかったな…



山下:それじゃ私受付してくるから待ってて。



○○:あっうん。お願い。



と山下は先に旅館へ入っていく。



女将:いらっしゃいませ。



山下:予約してた山下と言います。



女将:2名様の山下様ですね。お待ちしておりました。
この度は遠い所からありがとうございます。
早速お部屋にご案内致しますね。



山下:ありがとうございます。○○くん行こ?



○○:おう。



と2人は女将の後ろを着いていく。



女将:こちら"菊の間"になります。



山下:おぉ!すごい綺麗だぁ!



○○:しかも綺麗だし思ったより広いな。



山下:あっ1つ聞いてもいいですか?



女将:はい?なんでしょう?



山下:この辺でいい観光名所とかってありますか?



女将:でしたらここから歩いてすぐの所にこの街を一望出来る高台がありますのでそちらに行かれてみてはどうですか?



山下:なるほど!ありがとうございます!



女将:いえ。では失礼致します。



と女将は部屋を出ていく。



山下:それじゃ早速外に…って行く前に少しお部屋の中探索しよ?



○○:だね。



山下:ならまず露天風呂はどんな感じだろ?



山下が部屋の奥の襖を開くと



山下:○○くん見て!露天風呂から外見えるよ!



○○:すげぇ…めっちゃ景色いいじゃん。



山下:こんな景色見ながら好きな人とお風呂入れるって幸せ過ぎるなぁ。



○○:俺もだよ。



山下:よしっ。次は女将さんが言ってた高台行こ?



と○○達は外へ出ていく。



そして少し歩いていると



○○:あれなんだろ?



少し先にはアーケード街のような場所。



山下:なんか賑やかだし行ってみる?



○○:せっかくだし行こっか。



と○○達はアーケード街へ歩いていく。



山下:結構お店あるね。



おじさん:いらっしゃい!良かったら見てくかい?



○○:ここって何屋さんなんですか?



おじさん:うちはブレスレットとかネックレスとかアクセサリー売ってるよ!



山下:ちょっと見てみようよ?



2人は気さくなおじさんの店へ入っていく。



おじさん:お2人さんは恋人かい?



○○:はい。



おじさん:だったらこれなんてどう?



そういいおじさんが手に取ったのは青色とピンク色のブレスレット。



おじさん:実はこのブレスレットちょっとした言い伝えがあるんだよ。



○○:言い伝えですか?



おじさん:恋人同士で買ったら一生結ばれるんだよ!



山下:へぇ!すごいですね!



…なんか胡散臭いな。



そう思った○○だったが



山下:○○くんこれ買おうよ!



隣には目を輝かせる山下。



まっ美月が楽しそうにしてるしいっか。



○○:いいよ。ならこれ2つお願いします。



おじさん:2つで4000円ね!



思ったよりするんだな。



○○:丁度で。



おじさん:ありがとさん!この後も楽しみなや!



○○:はい。ありがとうございました。



山下:ありがとうございました!



そして店を出た2人。



山下:あっ!あそこ見て!



そういい山下が指さした先には老舗感のあるお茶屋さん。



おばちゃん:いらっしゃいませ。
良かったら飲まれますか?



山下:いいんですか?



おばちゃん:もちろんですよ。



と優しそうなおばちゃんはおぼんに緑茶を注ぎ運んでくる。



山下:あぁ…いい匂いする。



おばちゃん:うちはもう創業80年でねぇ、沢山お茶の種類あるんですよ。



○○:80年ってすごいですね。



おばちゃん:お2人さんは若そうに見えるけど高校生ぐらい?



○○:今高校2年です。



おばちゃん:若いっていいわねぇ。
私もあなた達と同じぐらいの時は毎日楽しかったわ。



山下:好きな人とお話できて、お友達とも何気ない事で笑いあえて私も毎日楽しいです。



おばちゃん:いいじゃない。彼氏さんもこれからももっと大事にしてあげるのよ?



○○:はい。もちろんです。



そしてお茶を飲み干し



山下:このお茶すごく美味しかったです!



おばちゃん:良かったわ。また来てね?



山下:はい!ありがとうございました!



○○:それじゃそろそろ高台行こっか。



山下:うん!



と2人はアーケード街を抜け高台へ向かう。



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○○:ふぅ…結構距離あったな。



夕日も出てきだした夕方。



山下:けどすごいいい眺めだね。



高台から見える夕日が照らす街。



○○:大変だけどこの景色を見に来る価値はあるな。



2人はベンチに腰掛け高台からの景色を眺めていた。



山下:ねぇ○○くん。



○○:ん?



山下:私ね、さっきのブレスレットの言い伝え実は信じてないんだ。



○○:えっ?



山下:だってあんな言い伝え無くても私はずっと○○くんの隣に居るから。




そう話す山下の顔は夕日に照らされ何よりも綺麗に見えていた。



○○:俺も…俺もずっとそばに居るよ。約束する。



山下:ふふっ。ありがとね。



邪魔する存在は居なく、ただ2人は幸せを噛み締めていた。



To Be Continued