マドンナとの同居生活は大変です 6話
2人並んで歩く帰り道。
久保:そういえばさ?○○君ってどうしてあのカフェでバイトしようと思ったの?
○○:元々学校終わったあと暇だしバイトでもして時間潰そうと思ってて、でたまたま帰り道にあのカフェがある事を知って雰囲気も良かったですしここにしようと思って始めたって感じですかね?
史緒里さんはどうですか?
久保:…私は○○君が居たから。
○○:ん?
久保:あっ…ううん…私も○○君と同じ理由だよ。
○○:そうなんですね。
ってか確か初めて史緒里さんの接客したの俺でしたよね?
久保:確かそうだね。
私が中々メニュー決められなかった時に○○君のおすすめ教えてくれたよね。
○○:でしたね。もうかなり懐かしいですね笑
久保:あれからあのカフェにハマっちゃってほぼ毎日通ってたんだよね笑
○○:確かに俺が行く日いつでも居ましたもんね。
と話すうちに史緒里の家に着く。
久保:それじゃ○○君またね?
○○:はい。お疲れ様でした。
と○○は史緒里と別れ
○○:そういや晩飯の事なんも考えてなかったな。
コンビニで買って帰るか?でも高ぇしな…家で適当に作るか。
そんな事を呟きながら自宅へ足を動かす。
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数十分後
○○:ただいま。
○○が帰ってくると電気は消え
○○:なんだ?あいつ居ねぇのか?
疑問を抱きながらも電気をつけると机の上にはラップがかけられた漆黒の物体。
○○:なんだこれ…食いもんか…?
○○は恐る恐る近づくとその隣に置かれた1枚の手紙に気づく。
○○:ん…?
そこには
"晩ご飯作ったから食べていいよ!
味は保証しないけど…笑"
と書かれていた。
○○:これが食いもんかよ…?
けど食わねぇと何言われるかわかんねぇしな…
そしてラップを剥がし1口口へ運ぶと
○○:…見た目の割に味はそこまで悪くねぇな…美味い訳でもねぇけど…
そしてあっという間に平らげ
○○:結局食っちまった…なんか悔しいな…
すると
賀喜:んん…寝ちゃってたぁ…
目を擦りながら階段を降りてくる賀喜。
そして帰ってきた○○に気づくと
賀喜:あっ○○君帰ってたんだ。
○○:ちょっと前にな。
賀喜:ってかあれ食べたんだ?
○○:食わねぇと何言われるかわかんねぇからな…
賀喜:なに?○○君は私の事なんだと思ってるの?
○○:あく…
賀喜:ん?
○○:…なんでもない。
賀喜:ふぅん?
てっきり悪魔とでも言うのかと思っちゃった笑
○○:そんな事言う訳ねぇだろ…
こいつほんと厄介過ぎる…
賀喜:まっいいや。
それじゃ私お部屋戻るね〜
○○:おう。もう降りてくんなよ。
賀喜:ん〜?そんな事言っちゃうんだ?
○○:…なんだよ?
賀喜:今から表札の写真撮って
"お友達のお家でお泊まりなう"
ってクラスメイトに送ろうかなって?
○○:やめろ…
賀喜:ん?
○○:それだけは絶対にやめろ。
賀喜:辞めて欲しい?
○○:もちろん…
賀喜:なら酷いこと言ってごめんなさいは?
○○:…悪かったよ。
賀喜:ほんとに酷いこと言ったって自覚ある?
○○:…もちろん。
全く思ってないけど…
賀喜:なら私は優しいから許してあげるよ。
○○:良かった…
賀喜:けど次は無いからね?
ちゃんと肝に銘じときなよ?
○○:…分かったよ。
賀喜:んじゃまた明日ね〜
そう言い賀喜は自室へ戻っていき
賀喜:ちゃんとご飯食べてくれたんだ…それに綺麗に残さずに全部…なんか嬉しいな…
そう1人呟いた。
○○:ほんとあいつと居るの疲れる…
俺も父さんのとこ行こっかな…
疲れきった表情でソファに身を投げる○○。
すると
"プルプル"
と○○のスマホに電話がかかる。
○○:ん?誰だ?って父さん?
もしもし?どしたの?
○父:○○か。今大丈夫か?
○○:大丈夫だけど父さんから電話かけてくるって珍しいじゃん?
○父:実は○○に話さなきゃならん事があってな。
○○:話さなきゃいけないこと?
○父:あぁ…
そして1つ間を空けると
○父:実は"あいつ"が出所"したんだよ。
………
その瞬間リビングから音が消えたかのように静寂が支配する。
○○:…今なんて…?
○父:"あいつ"が出所したんだよ。
○○:…なんで出てこれんだよ…!
○父:それは父さんにも分からん。
それにいつ出てきたのかも正直詳しくは分かってないんだ。
○○:くそが…!
○父:それともう1つ。
○○:まだ何かあんの…?
○父:あいつが出てきたって事はもしかすれば…いや、間違いなくお前のとこに行くはずだ。
だから何があっても遥香ちゃんはお前が"守って"やれよ。
○○:…
○父:本当なら父さん達が帰れればいいんだが難しくてな。
それにもうお前に"後悔"はして欲しくないんだよ。
○○:…分かってるよ。
○父:ならいいんだが。
とにかく詳しい事が分かればまた連絡するからな。
○○:うん…お願い…
そして電話は切られ
○○:…なんであいつが…
○○は"怒り"と"後悔"。
この2つの感情を露わにする。
すると
賀喜:○○君急に叫んでどうしたの?
突然下から聞こえてきた○○の声に驚き再びリビングへやってきた賀喜。
○○:なんでもない。
賀喜:その割にすごい汗かいてるけど…
○○:別にお前は関係ねぇから気にすんな。
賀喜:ならいいんだけど…
○○:急に叫んで悪かったな…
賀喜:ううん…大丈夫だけど何かあればなんでも言ってね…?
そう告げ賀喜は自室へ戻っていく。
○○:次あの面見せてみろ…今度こそぶっ潰してやる…
○○が放った言葉に"優しさ"など一切こもっていなかった。
To Be Continued