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クラスのマドンナ達に狙われてるみたいです 54話

翌朝


○○:んん…まぶし…



外から射し込む朝日で目を覚ます。



そして隣には



山下:す〜…す〜…





生まれたままの姿で布団だけ被り眠る山下。



○○:そうか…俺昨日…



昨晩の事を思い出し○○は頬を赤らめていた。



○○:…眠気覚ましでもするか。



山下を起こさないようゆっくり布団から抜け出し○○は浴衣を着て部屋を出ていく。



○○:ふぅ…この時期になるとこの時間からもう寒いな。



廊下の窓は曇り、○○の口から出る白い息。



○○:やっぱ改めて見るとこの旅館すげぇでかいよな。
向こうにもお土産売り場もあるし、レストランまで付いてんじゃん。



1人呟きながら歩いていき、階段を登っていくと



○○:すげぇ…こんなとこに滝なんてあったんだ。



旅館の裏側には大きな滝。



そして看板には




"滝行"




の文字。



○○:滝行も出来んだな。まぁ寒いからやんないけど。
ってかそろそろ戻ろ。



と○○は客室へ戻る。



すると



山下:んん…まりゅまりゅくん…?



寝ぼけ眼のまま手探りで○○を探す山下。



○○:美月おはよ。



山下:んん…どこぉ?



○○:ここだよ。



山下:へへっ…居たぁ…



と○○の足にしがみつく山下。



○○:美月…服着ようよ?



山下:服…ってそうだった…



山下は思い出したように布団に潜り顔だけ出すと



山下:見た…?



○○:見てないけど…っていうか昨日の夜…



山下:あぁ…!恥ずかしいからやめてぇ…!



…昨日とはまるで大違いだな。



○○:向こう向いとくから浴衣着て?



と○○は浴衣を渡す。



山下:ごめん…ありがと…



受け取った山下は恥ずかしそうに浴衣に袖を通す。



山下:もう大丈夫だよ…



○○:ん。せっかくだし温泉でも入る?



山下:うん…



と2人は客室を出て温泉へ向かう。



山下:(あぁ…すごい恥ずかしい…引かれてないよね…?)



○○の一歩後ろを歩く山下。



○○:美月?



山下:なっ…なに…?



○○:上がったらそこのベンチで集合でいい?



山下:あっ…うん…いいよ。



○○:ほい。んじゃまた後でな。



○○はそう言い残し暖簾を潜り男湯の方へ歩いていく。



山下:もし嫌われちゃったらどうしよ…



その頃



○○:…さっきの美月ちょっと可愛かったな。
しかもあのギャップ差知ってるの俺だけなんだよな…いいなそれ…



優越感に浸っていた。



〜〜



〜〜



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〜〜



〜〜



数十分後。



○○:ふぅ…そろそろ上がるか。



ゆっくり湯船から上がり脱衣所へ向かう。



○○:なんかあっという間に終わったな。
またいつか遥香達も連れてくるかな。



そんな事を呟きながら浴衣に着替え



○○:そうだ。美月にあれ買っていくか。



○○は財布から小銭を数枚取りだし箱の中に入れると小さめな冷蔵庫から瓶を2本取り出し、暖簾を潜り外へ出ると



○○:あれ?美月もう上がってたんだ?



山下:○○くん…ちょっと逆上せちゃってさ…



○○:まぁ確かにちょっと温度高めだったしな。
それとこれ。



そういい○○が渡したのは今買ったばかりのコーヒー牛乳。



山下:えっ?



○○:やっぱ風呂上がりって言ったらコーヒー牛乳じゃん?
もしかして嫌いだった?



山下:ううん…嬉しいよ…嬉しいんだけど…



○○:どしたの?



山下:その…さっき嫌じゃ無かったのかなと思って…



○○:さっき?



山下:私が起きた時に…足にしがみついちゃったりして…



○○:あぁ、そんなの全然嫌じゃないよ?
むしろ普段じゃ見れない姿見れて良かったとも思ってるし。



山下:ほんとに…?



○○:当たり前じゃん。
新しい彼女の一面見れて嫌がる奴なんてろくな奴じゃないし。



山下:そっか…



○○:それより隣座ってもいい?



山下:うん。



○○は山下の隣に座り蓋を開け勢いよく喉へ流し込んでいく。



○○:ぷはぁ!うめぇ!



山下:いい飲みっぷりだね笑



○○:やっぱこれだわ!
美月も飲んでみ?



山下:うん。ありがたく貰うね。



と山下も蓋を開け一気に飲んでいく。



山下:ふぅ!美味しぃ!



○○:だろ?



山下:○○くんありがと!



○○:そんじゃ次はお土産でも見に行くか?



山下:いいけど旅館の中あるの?



○○:さっき向こうにお土産売り場あったから行こうよ?



山下:そうなんだ。なら行こっか。



2人はベンチを立ち上がるとお土産売り場へ向かう。



○○:遥香達に何買うかな。



山下:お菓子とかは?



○○:お菓子かぁ。確かにいいけど形として残るものもいいよなぁ。



山下:ならこのキーホルダーは?



○○:キーホルダーか。それはアリかも。



山下:あとはペンとかも使うしいいんじゃない?



○○:ならキーホルダーとペンにしよっかな。



山下:けど私が選んだのでいいの?



○○:もちろん。
美月は梅澤さん達に買うの?



山下:私はこの限定のチョコレートにしよっかな。



○○:おっそれ美味しそうじゃん。



山下:だよね?ならこれ2つ買おっかな。



○○:もう1つは誰にあげるの?



山下:帰りの新幹線で2人で食べようよ?



○○:いいの?



山下:うん。さっきコーヒー牛乳買ってくれたじゃん?



○○:そっか。



山下:それじゃ私先にお会計済ませてくるね。



と先にレジへ向かった山下。



○○:ならこれ買っとこ。



とある物を選び○○もレジへ並ぶ。



〜〜



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〜〜



それから無事帰ってきた○○達。



目の前には山下の家。



山下:お家まで送ってくれてありがとね。



○○:ううん。こっちこそ楽しかったよ。ありがとね。



山下:それじゃ…



○○:あっあのさ…



山下:ん?



○○:これ。



○○がポケットから取り出したのは月の形をしたネックレス。



山下:えっ?



○○:お土産売り場で偶然見つけてさ。
美月に似合いそうだなと思って。



山下:○○くん…嬉しい…!絶対大切にするね!



山下は嬉しそうにしながらネックレスを受け取る。



○○:喜んでくれて良かった。



山下:けど私は何も用意できてなくてごめん…



○○:いいんだよ。一緒に楽しい時間を過ごせただけで充分だからさ。



○○は優しい笑みを山下に向ける。



山下:○○くん…ありがとう…



○○:じゃ疲れてるだろうしゆっくり休んでね。



山下:うん…ほんとにありがとね…



○○:おう。



山下:帰り気をつけてね。



○○:ありがと。じゃまた学校でね。



○○は最後にそう告げ背を向けて歩き始めた。



山下:ほんとに○○くんで良かったな…




その後ろ姿を見つめ小さく呟いた。



To Be Continued

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