マドンナとの同居生活は大変です 20話
賀喜:今度"遊園地"行こ?
○○:遊園地…?
賀喜:そう。ジェットコースターとか幽霊屋敷とか観覧車があるとこ。
○○:なんでそんなとこ行かねぇと…
賀喜:だって○○君が負けたんじゃん?
それ言われたら言い返せねぇって…
賀喜:ちなみに行くのは夏休み入ってすぐね!
○○:はっ?
賀喜:夏休みはもっと色々やりたい事もあるしさ?
○○:夏休みも…?
賀喜:もちろん。どこか旅行とか行こうよ?
あとは夏祭りとか?
○○:なんでそんな恋人が行くようなとこばっかなんだよ…
賀喜:まぁまぁ細かいことは気にしないでさ?
それに私が買ったんだし約束守らないなんて○○君がするわけないよね?
○○:…わかったよ。
賀喜:やったね!流石○○君!
最初から約束するんじゃ無かったな…
○○は1人後悔しながらも自室へ戻っていく。
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それから日も進み、夏休みへ入ったとある日。
賀喜:○○く〜ん!
部屋の外から聞こえる○○を呼ぶ叫び声。
○○:お前うるせぇよ…常識知らねぇのか…?
賀喜:だってこれぐらいで呼ばないと起きてこないじゃん。
○○:んな事ねぇし。それよりこんな時間からなんだよ?
賀喜:今日お出かけしよ!
○○:どこに?
賀喜:テストの時言ったじゃん。遊園地行こって。
○○:それが今日と?
賀喜:うん!
○○:もっと前もって言ってくんねぇかな。
賀喜:でも空いてるでしょ?
それにもうチケットも買ってるから断らせないけどね?
賀喜は笑顔で2人分の遊園地のチケットを見せる。
○○:逃げ道塞ぐのだけはいっちょ前か…
賀喜:ん?
○○:なんでもねぇよ。
賀喜:お家30分後でも大丈夫?
○○:お前はそれまでに準備終わんの?
賀喜:うん。もうほとんど準備終わってるよ。
どっちかと言うと○○君待ちってとこかな。
○○:じゃあすぐ支度するから先降りとけ。
賀喜:くれぐれも2度寝しちゃダメだよ?
○○:分かってる。
賀喜はそう言いリビングへ降りていく。
○○:正直忘れてたな。
クローゼットから服を取り出す○○。
その時
○○:ん?
1枚の"写真"も一緒に落ちてくる。
○○:これって…
そこには中学生らしき男女が仲良さそうに映っていた。
○○:…ごめん。
○○は小さく謝ると写真をクローゼットの奥へ再びしまい、着替え賀喜を追うように部屋を出ていく。
○○:おまたせ。
賀喜:ううん!それとこれ!
○○:なにこれ?
賀喜:朝ご飯作ったから食べよ?
賀喜の手には前よりは多少はマシになった見た目の朝食。
賀喜:パンは焼くだけだし、卵は…多分味付け間違ってないから大丈夫だと思う!
○○:怖ぇ…
賀喜:私も一緒に食べるから安心してよ?
○○:出来るかよ。
賀喜:とりあえず食べよ?
と2人は向かい合うように座り
"いただきます"
食べ始める。
賀喜:ん!味付け間違ってなかったよ!
○○:ほんとかよ…
○○は疑いながらも小さな1口を運ぶ。
○○:確かに間違っては無い…けど薄いな。
賀喜:言われてみれば薄味かも。
○○:言われないと気づかないのかよ…
賀喜:だって食べられたら問題ないもん。
○○:その気持ちもわからんでは無いけど…
賀喜:意外と私達って気が…
○○:合わねぇよ。
賀喜:でも私の言いたい事とか気持ち分かってくれるじゃん?
○○:たまたまだろ。
それより早く食えよ。
賀喜:そうだね!せっかくの遊園地デートなんだから沢山楽しまないとね!
○○:デートじゃねぇから。
賀喜:細かい事は気にしないで!
その後食べ終え
賀喜:○○君早く行こ!
2人はシンクへ食器を下げカバンを持ち家を出て最寄り駅へ向かう。
賀喜:○○君ってさ遊園地とか行くの?
○○:行くわけねぇだろ。行く相手も居ねぇし。
賀喜:美月さんとも行かないの?
○○:それだけは絶対ない。
賀喜:えぇ、すごい楽しそうなのに。勿体ないなぁ?
○○:姉に彼女面されてみろ。鬱陶しいったらありゃしねぇよ。
賀喜:でも美月さん綺麗だし嬉しくないの?
○○:嫌われるよりはマシだけど限度ってもんがある。
賀喜:そんなもんなのかぁ。
すると
"ピロン"
と○○のスマホに一通の通知が届く。
そこには
"久保:朝から連絡しちゃってごめんね?
来週の花火大会一緒に行かない?"
史緒里からの夏祭りの誘い。
○○:もちろん大丈夫ですよ。楽しみにしてますね。
○○は優しい表情でそう返しスマホをポケットにしまう。
賀喜:…
○○:なんだよ?
賀喜:別に?(私にはそんな顔してくれないのに…)
賀喜はどこか寂しそうにしつつも悟られぬよう1歩先を歩き始めた。
To Be Continued
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