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委員長に恋は難しい 13話

山下:よぉし!これで決勝だぁ!



男子1:途中から賀喜が居なくても余裕だったな。



女子1:でもそれは最初にリードしてくれた賀喜君のおかげでしょ?



○○:俺は何もしてねぇよ。
それより俺が居なくても余裕なら次は出ねぇからな。



山下:でも次決勝で最後だよ?



○○:だからなんだよ。俺抜きで勝てるなら問題
無いだろ。



山下:分かった。試合は出なくてもいいけどちゃんとここには居てよ?



○○:なんで?



山下:だって勝った時に○○とも一緒に喜びたいもん。
ね?梅?



梅澤:私?



山下:そう。



梅澤:それはもちろん賀喜君も一緒だと嬉しいけど…でもわがまま言うのもあれだし…



○○:わかったよ。その代わりそこまで言うなら勝てよ?



山下:もちろん!



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



それから準決勝2試合目が終わり



教師:38対14で2年8組の勝ち。礼。



梅澤:すごっ…めちゃくちゃ強いじゃん…



男子1:あの背の高いやつ2年生でバスケ部のエースらしいからな。



男子2:しかも高校日本代表にも選ばれてんだろ?勝ち目なくね?



山下:やっぱり○○が…



○○:出ねぇよ。



山下:むぅ…



教師:それじゃ10分後決勝始めるから準備しとくように。



男子1:1回皆で作戦会議するぞ。



男子2:あぁ。



とクラスメイトが円になる。



男子1:まず大事なのは"池部"をどれだけ抑えられるかだと思う。



男子2:そうだな。他の奴らは正直そこまで脅威じゃないからな。



男子3:2人でディフェスに入ってもいいんじゃないか?



男子1:あぁ。だから誰かは2人のカバーに入んなきゃいけないが頼むな。



女子1:私も頑張るよ!



そしてその後も色々と作戦が決まっていき



男子1:よしっ。それじゃ最後の決勝頑張るぞ!




"おぉ!"




円陣が組まれ気合いをいれる○○達のクラスメイト。



すると



遥香:美月さん達決勝ですか?



山下:おっ!かっきー!そうだよ!



遥香:おめでとうございます!
私達は負けちゃったので2階席から応援してますね!



山下:ありがとぉ!



遥香:お兄ちゃんも頑張って!



○○:俺は出ねぇよ。



遥香:えっ?そうなの?



○○:疲れたからな。



○○はそう返しベンチエリアへ向かい



教師:それじゃ2年1組対2年8組の決勝始めるぞ。



スタメン組はコートの中へ入っていく。



山下:よっしゃ!梅頑張ろ!



梅澤:うん!スタメンの中には梅澤と美月の姿もあった。




"ピッ〜!"




ホイッスルが吹かれジャンプボールから試合が始まる。



まず先にボールを取ったのは



池部:まずは幸先よく先制するぞ。



8組。



男子1:行かせるかよ!



男子2:抜けるもんなら抜いてみろ!



作戦通り2人でマークへ入るが



池部:もっと重心落とした方がいいぜ。



目にも止まらぬ速さでボールを突き



池部:ふっ!



男子1:やべっ!



男子2:しまった!



2人の間を一瞬で抜くと



相手1:へい!



池部:おう。



相手1へパスが通りゴール下へ再びボールが放られ



池部:ナイスパス!



そのまま受け取りレイアップで決め、8組が先制する。



梅澤:皆!切り替えていこ!



男子1:あぁ!



男子2:すぐ取り返すぞ!



しかし




"ふっ!"



"遅い!"



"こっちだ!"




試合は前半の中盤。



男子1:はぁ…はぁ…



池部:やっぱ初心者はこんなもんか。



気づけば点は



"4対18"



と8組が圧倒的なリードを取っていた。



山下:流石にこの点差はキツすぎるよね…



女子1:何か手は無いの…?



男子2:どうすりゃ点取れんだよ…



男子3:その前にボールが奪う事を考えないと…



意気消沈する中



梅澤:落ち込んじゃダメ!最後まで諦めずに行くよ!



梅澤はただ1人大量の汗を流しながらも前を向き続ける。



山下:梅…!そうだね!



男子1:よしっ!まずは奪ってキープするとこからだ!



池部:盛り上がるのは良いが諦めも大事だぜ?



そして1組ボールで試合が再開される。



しかしその時悲劇が起きる。



梅澤:山!こっち!



コートの右側を上がる梅澤。



山下:梅!



美月も梅澤へパスを出した時



梅澤:やばっ…!



足を滑らせ勢いよく転けてしまう。



梅澤:いっつ…



山下:梅!大丈夫!?



男子1:梅澤さん!



心配し急いで駆け寄るクラスメイト達。



しかし



○○:…



○○は近寄ること無くただその様子を見つめる。



山下:怪我は!?



梅澤:大丈夫…



そう言い立ち上がろうとするが



梅澤:くっ…



バランスを崩し再び倒れ込む。



山下:1回保健室で見てもらった方が…



梅澤:ダメ…!



山下:梅…



梅澤:私が…私が抜ける訳にはいかないの…!



山下:どうして?



梅澤:せっかく…クラスメイトが一丸になれそうな時に私のせいで壊したくないの…




悔しさからか涙を流す梅澤。



女子1:梅澤さん…



男子1:くそっ…どうすりゃいいんだよ…



不穏な空気が流れる中



○○:梅澤。さっさと保健室行け。



○○は冷たく言い放つ。



男子2:おい!その言い方は…



○○:黙れ。



山下:○○…



○○:今ので足捻ったはずだ。
それに立つことすら出来ねぇならコートから出ろ。邪魔。



男子1:お前…!



梅澤:待って…!私が悪かったから…!



男子1が○○の胸ぐらを掴もうとするが梅澤がすぐに止めに入る。



梅澤:迷惑かけてごめん…



○○:美月は一緒に着いてってやれ。



女子1:私も着いてくよ…



梅澤:皆…ほんとにごめん…



梅澤は最後に謝罪の言葉を残し美月と女子1に肩を担がれ体育館を出ていく。



遥香:美波さん大丈夫かな…



その様子を2階席から見ていた遥香も不安そうにする中



○○:お前ら、ここからは俺が出る。



男子1:はっ?



○○:言っとくがお前らの為でも俺の為でもねぇ。


男子3:でもお前さっきまで…


○○:同じ事言わせんな。
ここからは梅澤の為に勝ちに行くぞ。


○○の表情は今までに無いほど真剣そのものだった。



To Be Continued

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