クラスのマドンナ達に狙われてるみたいです 48話
梅澤:私、賀喜くんの事が好き。
○○:えっ…?
梅澤:急にこんな事言ってごめん。
けど後悔はしたくないの。
だから…今答えを聞かせて欲しい。
○○:えっと…ごめん…
梅澤:そっか…
○○:でも嬉しくないわけじゃないよ!
梅澤さんみたいな綺麗な人に告白されるなんて夢みたいだし…けどごめん…
梅澤:ううん。なら理由だけ聞かせてくれない?
○○:正直さ…人を好きになるって事がどんな事かわかんなくて…
梅澤:賀喜くんは隣にどんな人が居て欲しい?
○○:どんな人…
梅澤:優しい人なのか、可愛い人なのか、安心する人なのか。
○○:俺の隣に居て欲しい…
その時脳内に流れたのは
………
梅澤:答えは出たみたいだね。
○○:ごめん…大事な事教えてくれたのに…きっと勇気を出してくれたはずなのに…俺は…
梅澤:賀喜くん謝らないで。
私は告白した事も、答えを聞けたことも後悔してないよ。
むしろスッキリしてる。
○○:梅澤さん…
梅澤:けど多分1つ…1つだけお願いがあるの。
○○:お願い…?
梅澤:私の分まで…その子を幸せにしてあげて…傍に居てあげて?
梅澤は目を麗しながら○○の目を見つめ話す。
○○:分かった…頑張るよ。
梅澤:うん…それじゃその子の所行ってあげて。
○○:梅澤さん…ほんとにありがとう。
○○はそう告げ走っていった。
梅澤:…こうなるって分かってたのに…やっぱり辛いな…
1人になった梅澤は静かに涙を流した。
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○○:はぁはぁ…どこに居るんだ…
校内を走り回る○○。
既に息も上がり限界は近づいていた。
すると
遥香:あっお兄ちゃん居た!
さくら:すごい息上がってるけどどうかした?
○○:ちょっと人探しててさ…
遥香:誰探してるの?
○○:"山下さん"探してるんだけど見てない?
遥香:そういえばさっき美月さんらしい人が向こうの階段上がってた気がするけど…
○○:まじ?ありがと!
○○はそう言うと遥香の指さす方向の階段を上がっていく。
遥香:あんなに必死に美月さん探してどうしたんだろ?
さくら:もしかして告白だったり?
遥香:えっ!?ほんとに!?
さくら:いや、あくまで勘だよ。
遥香:まぁでも美月さんならいっか。
さくら:だね。
2人は安心したように○○の後ろ姿を見つめていた。
その頃
山下:なんで梅にあんな事言っちゃったんだろ…
賀喜くんが梅を選ぶ可能性もあったのにな。
フェンスに寄りかかり外を眺める山下。
山下:でも過ぎちゃった事はしょうがないか。
私もそろそろ伝えなきゃね。
そう呟いた時
"バンッ!"
と勢いよく開くドア。
○○:山下さん!
山下:びっくりした…賀喜くんどうしたの?
○○:山下さんに伝えたい事があるんだ。
山下:私に?
○○:俺…山下さんの事が好きだ。
2人しか居ない屋上に流れる○○の告白。
○○:初めて山下さんの家に行った時に
"賀喜くんの事が好き…かも…"
って言われた時から多分意識してたんだと思う。
山下:…
○○:でもその気持ちが自分でよくわかんなくて…友達として好きなんだって無意識に変えてたんだ。
けどあの時…山下さんが看病しに来てくれた時からほんとに友達としてなのかって疑問になって…正直混乱してたんだ。
山下:…
○○:それでさっき梅澤さんから言われたんだ。
"隣にはどんな人が居て欲しい?"
って。
それで気づけたんだ。
俺の隣には…山下さんに居て欲しいって。
山下:賀喜くん…
○○:だから…こんな取り柄も無い俺だけど…付き合ってください…!
そう山下の前に差し出された○○の右手。
しかし山下は握り返すことはせず
山下:ばかっ…!
勢いよく○○に抱きついた。
山下:もう…私から言おうと思ってたのに…
そう話す山下の声と体は少し、でも確実に震えていた。
山下:私だって…私だって賀喜くんの事好きだもん…!
○○:ほんとに…?
山下:球技大会の時に守ってくれてから…あの時から好きだったの…けど今の関係が壊れるのが嫌だった…だから初めて泊まった時嘘だって誤魔化しちゃったの…
○○:そうだったんだ…
山下:ちなみに聞きたいんだけどさ…梅から言われた時他に何か言われた…?
○○:告白…されたよ。
山下:そっか…けど断って私のとこ来てくれたんだ…?
○○:うん…俺が好きなのは山下さんだから。
○○は抱きついた山下を優しく抱きしめ告げる。
山下:じゃあ…これからは賀喜くんの彼女だって…胸張っていいんだよね?
○○:うん…けど俺が山下さんの彼氏って言うのはなんか申し訳ない気もするけど…
山下:そんな事無いよ…誰かなんて言ったって私が好きなのは賀喜くんだから。
○○:山下さん…
山下:だからこれからは"恋人"としてよろしくね?
○○:うん…こちらこそ。
顔こそ見えないものの2人は嬉しそうに、そして安堵の表情を浮かべ幸せを噛み締めていた。
To Be Continued