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委員長に恋は難しい 12話

○○:他のクラスの奴らもずいぶん本気でやってんだな。



体育館の端っこでポケットに手を突っ込み見渡す○○。



○○:勝ったとこで何もねぇのにな。



そんな事を呟き体育館の出口へ向かおうと背を向けた時




"ボゴッ"




○○:痛ってぇ…



後頭部にボールが直撃する。



○○:誰だよ?



??:すみません…!



1人の女子生徒が焦りながら走ってくる。



○○:これ君の?



??:はい…お怪我は…?



○○:別にねぇよ。それより気をつけろよ。



??:ひっ…!



○○は女子生徒にボールを返すと



山下:○○〜!次の試合会議するから集まって〜!



○○:俺は出ねぇから勝手にやっとけ。



山下:出ないなんて許さないから!ほら!早く!



美月は○○の腕を掴み無理やり連れていく。



○○:ちっ…めんどくせぇな。



男子1:次の試合だけど梅澤さん達は休んでもらおうと思ってる。



女子1:確かに2試合連続だと結構きついしね。



○○:なら俺も…



男子1:ダメだ。お前は全試合出てもらうから。



山下:今は○○中心で考えなきゃね。



男子1:って事で次の試合は俺、男子3、賀喜、女子2、3、4の6人で行くぞ。



○○:はぁ…勝手にしろ。



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



それから数分後



教師:2回戦、2年1組対2年4組の試合始める
ぞ。



男子1:よしっ!次も勝って決勝行くぞ!



"おぉ!"



試合前に円陣が組まれ



男子1:ジャンプボールは賀喜が行けよ。



○○:またかよ。




"ピーッ!"




ホイッスルが吹かれ試合が始まる。



○○:次は適当に攻めるか。



自分達の陣地へ1回戦と同じように落とし



○○:こっち。



すぐにパスを要求する。



女子2:はい!



相手1:見た目はイカついがどうせ脳筋だろ?



マークに入ってくる相手1。



しかし



○○:遅せぇな。



一瞬スピードを緩めたと思えばロールターンで右側からかわすと



相手2:1人抜いたとこで意味ねぇよ!



○○:それも読めてんだわ。



相手2:はっ?



○○はかわすのと同じタイミングで相手2の股を抜けるパスを出す。



○○:リバウンドは全部拾う。打て。



女子2:分かった!



そして女子2のシュートが放たれるが




"ガンッ!"




僅かに外れてしまう。







○○:お前は外すなよ。



空中でリバウンドを取ると着地する前に男子1へパスを出す。



男子1:まずは先制点!



シュートは綺麗に決まり幸先よくスタートする。



梅澤:今のも上手い…



山下:さっすが○○!その調子でどんどんいっちゃって!



と盛り上がるベンチと



男子1:あいつにいいように使われるのは嫌だな…



男子2:けどあいつが居れば勝てるぞ?



男子1:ちっ…とにかくどんどんあいつに攻めさせよう。



そして相手ボールで試合が再開される。



相手1:大丈夫!すぐ追いつくぞ!



相手1がドリブルでゆっくり攻めてくる。



相手2:こっちフリーだ!



相手1:頼むぞ!



と相手1から相手2にパスが出されるが



男子1:もらった!



男子1がカットし



男子1:賀喜!出すなよ!



ほぼ取るのは不可能なパス。



山下:いやぁ、パスミス勿体ないなぁ。



梅澤:でも…



女子2:流石にあれは追いつけないよね。



相手1:何とか助かったな。



チームメイトも相手も諦める中



○○:そのぐらいなら余裕なんだよ。



男子1:はっ?



自分の後ろに居たはずの○○が論外なパスに追いついた事に驚きを隠せない男子1。



○○:諦めるの早すぎんだろ。



○○はそのままドリブルを始めダンクを決める。



梅澤:すごっ…



山下:おぉ!



○○:お前ら中途半端なんだよ。
疲れさせたいならもっと強いの投げろよ。



男子1:ちっ…



○○:はぁ…あっちぃ…そろそろ交代させろ。



山下:じゃあ私出るよ!



○○と美月が入れ替わりそのまま外へ出ていく。



○○:喉乾いた…ってかあいつらもっと考えろよな。



そんな事を呟きながら自販機に小銭を入れいちごミルクのボタンを押す。



すると



??:あっ…!



○○:誰?ってさっきのか。



??:先程は本当にすみませんでした…何でもするので命だけは…!



○○:いや、何もしねぇから。
俺の事なんだと思ってんの?



??:えっと…



○○:まぁいいや。



○○は特に気にする様子も見せず隣を抜けようとした時



??:あっ…いちごミルクが売り切れてる…



落胆する女子生徒。



○○:もしかしてこれ?



??:…



物欲しそうに○○の手にあるいちごミルクを見つめる。



○○:欲しいならあげるけど。



??:いえ…そんな事したら命まで…



○○:だから何もしないって。
俺は別に他のでもいいし。



と○○が女子生徒にいちごミルクを手渡すと



飛鳥:あんた何してんの?



○○:今度は誰だよ。ってまたあんたか。



飛鳥:もしかして後輩に手出そうとしてるの?



○○:んなわけねぇだろ。



飛鳥:"えんぴー"何された?



??:飛鳥さん違うんです!欲しかったいちごミルクが売り切れてて、そしたらこの方がくれるって…



飛鳥:えんぴー気をつけな。もしかしたら毒盛られてるかもしれないよ。



??:えっ…?



○○:馬鹿かよ。ってか君も今俺が買ったの見たろ。



??:確かに…



○○:とりあえずそれあげるから。要らなきゃ適当に捨てるなりしといて。



○○はそういい再び自販機に小銭をいれ



○○:そういや梅澤はブラックコーヒーが美味いとか言ってな。試しに飲んでみるか。



とペットボトルのブラックコーヒーのボタンを押す。



??:本当に貰っていいんですか…?



○○:君しつこい。あげるって言ったろ。



飛鳥:女の子の名前も呼ばないし、言葉遣いも荒いの直した方がいいよ。



○○:だって名前知らねぇもん。



??:えっと…【遠藤さくら】って言います…





○○:別に聞いてないし。



○○はそう言い返し体育館の中へ戻っていく。



○○:うげっ…ブラックコーヒーってこんな苦いのかよ…



1口だけ飲みすぐに蓋をする。



○○:で、俺らのクラスはどうなった?



遠目から点を確認すると




"16対10"




で6点リードしたまま




"ピッピッピーッ!"




試合終了のホイッスルが鳴らされた。



To Be Continued