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マドンナとの同居生活は大変です 21話

それから数十分後。



賀喜:遊園地だぁ!



○○:人混みえげつねぇな…



目の前にはいくつものアトラクションと圧倒的な人の列。



○○:やっぱ今日は…



賀喜:せっかく来たんだから帰らないよ!
ほら!早く並ぼ!



と賀喜は○○の手を取り入場列へ連れていく。



○○:夏休みってこんなもんだよな…



賀喜:でも人が多いって事はそれだけ人気って事だよ!



○○:単調な奴っていいな。



賀喜:○○君ももっと楽しまなきゃダメだよ?



○○:楽しめるかよ。しかも暑すぎるし。



賀喜:まぁ確かに暑いよね。けどジェットコースター乗れば絶対涼しいよ!



○○:ってか今更だけどお前ジェットコースターとか得意なの?



賀喜:うん!あの爽快感も大声出すのも、高いところから全体を見渡すのも全部好きだよ!
○○君は?



○○:最後に来たの小学生とかだったしよく覚えてない。



賀喜:そっかそっか。じゃあ今日は沢山思い出作んないとね!



そういい満面の笑みを浮かべる賀喜。



○○:…お前ってよく笑うよな。



賀喜:ムスッてしてるより何倍も良くない?
それに笑顔は伝染するって言うし、○○君にも笑顔でいて欲しいんだよね。



○○:…そうかい。



賀喜:ん?どしたの?



○○:なんでもない。



賀喜:ふぅん?



その後も並んでいるうちに○○達の番になり



キャスト:チケットお預かり致します。
では楽しんでくださいね!



入場口を通り園内へ入っていく。



賀喜:久しぶりの遊園地だぁ!



○○:こんな感じになってんだな。



賀喜:じゃあまずはあのおっきいジェットコースターから行こ!



○○:わかったからちょっと落ち着けって。



2人はまず目に入ったジェットコースターへ向かう。



キャスト:いらっしゃいませ!2名様でよろしいですか?



賀喜:はい!



キャスト:ではそちらから乗られてしっかり安全バーをお下げください。



賀喜:○○君最前列だって!



○○:…まじかよ。



賀喜:もしかしてビビってる?



○○:まさか。



賀喜:だよね!○○君がジェットコースターなんかでビビるわけないもんね!



そして2人は座り安全バーを下ろす。



賀喜:しかも下見てよ!



○○:高っ…



足元は透明の板が引かれ、透けて見えていた。



賀喜:楽しみだなぁ。



○○:ふぅ…



賀喜:ちなみにこれ最速150キロぐらい出るらしいよ?



○○:まじ…?



賀喜:うん!絶対気持ちいいよね!



すると



キャスト:では皆さん!最後までお楽しみください!



とアナウンスが流れジェットコースターが動き出す。



賀喜:○○君来るよ!



○○:分かってる…



少しずつ登っていく。



そしてあっという間に最上位まで上がり



○○:なんか止まってないか…?



賀喜:大丈夫!ここからだから!



まるで賀喜の言葉を合図に一気に落ちていく。



賀喜:きゃぁぁぁぁぁぁぁ!



○○:やべぇってぇぇぇぇ!



賀喜:気持ちいぃぃぃぃぃ!



○○:ちょっ!!止まれって!!



賀喜:やっほぉぉぉぉぉぉぉ!



○○:マジでこれ死ぬってぇぇぇ!



余裕そうに楽しむ賀喜と全く余裕の無い○○。



賀喜:○○君見て!あっちのジェットコースターも楽しそうだよ!



賀喜は他のアトラクションも指差しながら○○に話を振るが



○○:今話しかけんなって!うわぁぁぁぁぁぁ!!



賀喜:気持ちぃぃぃぃぃぃぃ!



そして数分後



キャスト:おかえりなさ〜い!



無事スタート位置まで帰ってくる。



賀喜:○○君楽しかったね!



○○:あっ…あぁ…



賀喜:次は向こうのジェットコースター行こ!



と再び手を取り新しいジェットコースターへ連れていく。



賀喜:見て見て!また最前だって!



○○:またかよ…



賀喜:こっちはさっきよりスピード出ないけど長いんだって!



○○:…



賀喜:どう?ジェットコースターって楽しいでしょ?



○○:いや…全く…むしろ…



そこまで言ったところで再びアナウンスが流れジェットコースターが動き出す。



賀喜:もう1回声出そ!



○○:はぁ…やべぇ…



さっきと同じように登っていく。



○○:さっきより高くねぇか…?



賀喜:うん!けど絶対楽しいから!



そして同じように頂上まで行き



賀喜:やっほぉぉぉぉぉぉぉ!



一気に落下していく。



○○:やめろぉぉぉぉぉぉぉ!



賀喜:気持ちぃぃぃぃぃぃぃ!



○○:ぐふっ…やべぇ…



数分後



キャスト:おかえりなさい!



賀喜:いやぁ!楽しいねぇ!



○○:あっ…あぁ…



賀喜:大丈夫?



○○:なわけねぇだろ…



真っ青で生気が少なくなった様子の○○。



賀喜:次はどれ乗る?



○○:いや…ちょっと待てって…



賀喜:もしかして乗りたいのあった?



○○:違ぇよ…気持ち悪くて仕方ねぇんだよ…



賀喜:あっ…ごめん…



○○:とりあえず休ませてくれ…



2人は近くのベンチに腰掛ける。



○○:視界までぐらついてきた…



賀喜:ほんとに大丈夫…?



○○:ちょっと休めばすぐ治る…



賀喜:なら私何か飲み物買ってくるね。



賀喜はどこか申し訳なさそうにしながら近くの売店へ向かった。



To Be Continued