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マドンナとの同居生活は大変です 35話

家の近くのブランコに腰掛け小さく呟く。



すると



??:あれ?先輩?



○○:ん?って"さくらちゃん"か。




遠藤:先輩おはようございます。



○○:おはよ。



遠藤:この感じ前もありましたね。



○○:そういやそうだね。



遠藤:朝からこんな所でどうしたんですか?



○○:ちょっと悩みがあってさ。



遠藤:そうだったんですね。
私で良かったらお話聞きますよ?



○○:それは申し訳ないよ。さくらちゃんも今から学校だろうし。



遠藤:それは先輩もじゃないですか。
それに1日ぐらい休んだって平気ですよ。



○○:…じゃあ少し話聞いてもらおっかな。



遠藤:ならせっかくですし近くのカフェ行きませんか?
そっちの方がゆっくりお話できると思うんです。



○○:そうだね。じゃあ行こっか。



○○は立ち上がりさくらと近くのこじんまりとしたカフェへ向かう。



店員:いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか?



○○:はい。



店員:ではこちらの席へどうぞ。



と2人は店員に案内され席へ着く。



遠藤:それで先輩は何に悩んでるんですか?



○○:実は最近彼女が出来たんだよね。



遠藤:なるほど。



○○:もちろん彼女の事は好きだけど…でもどうしても他の子が頭に出てきてさ…



遠藤:その他の子っていうのはどういう時に出てくるんですか?



○○:似たような素振りとか、言葉を聞いた時に思い出すというか…



遠藤:…



○○:彼女の事を考えたいのに考えられなくて…どうすればいいのかなと思って…



遠藤:きっと先輩はその子に"恋"してますよ。



○○:えっ?



遠藤:だって…私も先輩の事"好き"ですから。




○○:さくらちゃん…



遠藤:好きだからこそ先輩の気持ちはよく分かります。
どんな時でも顔を思い出したり、色んな会話を思い出したりするんです。
それでその度会いたくて辛くなる。



○○:…



遠藤:でも私はその気持ちが悪いとは思いません。
好きになったものは好きなんです。その事実は絶対に変わらないので。



○○:悪くない…か…



遠藤:けど彼女さんが居るのに好きな子と何かするのは浮気になっちゃいますし、まずはこれからどうしたいのか、それを考える事が大切ですよ?



○○:…そうだね。



遠藤:私は今失恋しちゃいましたけど…でも先輩の恋が上手くいくように願ってますね?



○○:さくらちゃん…ごめん…



遠藤:謝らないでください。
私達の関係が終わった訳じゃないですから。
これからも先輩後輩として仲良くしてくださいね?



○○:…うん。



遠藤:それと最後に1つ。



○○:ん?



遠藤:我慢は絶対ダメです!
それと自分の気持ちを抑えずに、自分に素直になってください!
そうすれば道は見えてくるはずなので!



○○:…ありがとう。ちょっと楽になったよ。
お礼に何か奢るよ。



遠藤:いいんですか?



○○:もちろん。少しは先輩らしいとこも見せないとね。



遠藤:先輩はいつでも先輩ですよ。



そこに居る2人は柔らかい表情になっていた。



その頃



担任:おはようさん。
今日は山下が休みらしいからな。



賀喜:○○君お休みなんだ…



いつもなら○○が居る席は空席で、賀喜はどことなく寂しさを浮かべる。



賀喜:お見舞い行こっかな…けどもしかしたら史緒里ちゃんが居るかもしれないな…



そう1人頭を悩ませていた。



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



〜〜



それから時間も進み、放課後。



田村:かっきー大丈夫?



賀喜:なにが?



田村:なんか1日元気なかった気がするけど。
お話聞こっか?



賀喜:ううん、ちょっと悩み事してただけだから大丈夫だよ。心配かけちゃってごめんね?



田村:ならいいんだけど…かっきーは1人で抱え込む事が多いから心配だよ…



賀喜:まゆたんには何かあればすぐ相談するよ。



田村:絶対だよ?



賀喜:うん。約束する。
それじゃまた明日ね。



と賀喜は田村と別れ帰路へつく。



その後学校近くの駅から、美月の家の最寄り駅まで帰ってくる。



賀喜:たった1日顔も見れなくてお話も出来なかっただけでこんなに寂しいんだ…
やっぱり私…○○君が好きなんだ…



ベンチに腰掛け小さく呟く賀喜。



すると



??:君、賀喜遥香ちゃん?だよね?



賀喜:えっと…どなたですか…?



突然賀喜に話しかける20代中盤から後半辺りの細身の男。



賀喜:(この人確か○○君が怒鳴ってたような…)



??:急に話しかけちゃってごめんね。
俺は"池田"。



賀喜:池田さんが私に何の用ですか…?



池田:単刀直入に聞きたいんだけどさ、こいつの事知ってるよね?



そういい見せたスマホの画面には中学生の頃であろう○○と隣に映る1人の少女。



賀喜:だったらなんですか…?



池田:実は俺、こいつの知り合いでさ。
最近連絡が取れなくて、色々調べているうちに君が出てきたんだよ。



賀喜:…



池田:そんな怖がらなくても君が大人しくしといてくれれば何もしないよ。



池田は少しずつ賀喜に手を伸ばした瞬間



美月:かっきー!




池田の手を払いのけ賀喜の前に立つ美月。



賀喜:美月さん…!



美月:あんたこの子に何を話したの。



池田:別に。ただ○○の事を知ってるか聞いただけだよ。



美月:それよりどうしてこんなとこに居るのよ。
何故出てこれたの。



池田:前もあいつに話したことあったな。
刑期が短くなったから出てきた。それだけだよ。



池田は不気味な笑みで答える。



美月:…かっきー逃げるよ!



池田:安心しろ。"復讐"はこれからだからな。



美月達はその言葉を最後に急いで車へ乗り込む。



美月:はぁはぁ…どうしてここにあいつが…



賀喜:美月さん…あの人は誰なんですか…?



美月:もうかっきーには話さなきゃだね…



美月は1つ息を吐く。



美月:○○の"過去"を。




To Be Continued