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ネコたん!~猫町怪異奇譚~5月11日(土)昼公演

合計なんと47名が参加する11日間の朗読劇「ネコたん!〜猫町怪異奇譚〜」の11日(土)昼の部を見てきました

この直前に別の朗読劇も見てきたので色々と違いも見えたりしてとても楽しかったです

一応(書いてる今は)公演中なので前半ネタバレ無し、後半ネタバレ有りという構成で

☆ネタバレなし☆

豊島区立舞台芸術センターあうるすぽっと

・さすが区立劇場なので23区外の公営施設に比べてだいぶ綺麗やね
・最寄りは東池袋駅なものの池袋駅から徒歩15分でも行ける立地にある劇場
・東池袋周辺はあんまりお店無いけど池袋まで行けば公演までの時間つぶしやイベント後の打ち上げはやりやすそう
・ミュージカル・演劇などの用途の劇場だけあって傾斜がついている全部で301席なので後方列でも近くて見やすい、今回最後尾だったもののそれでも見づらさとかは無かった
・照明効果と舞台の奥行きを活かした演出がすごかった印象(ただこれは他の朗読劇にあまり行ってないので詳しいことは分からない……でもすげ~ってなった……)
・出入り口は階段使うほうがスムーズかも

猫町

・本作品は「“日本近代詩の父”と称される詩人・萩原朔太郎による唯一の小説猫町』の世界観を元にした、 昭和モダン×猫オリジナルコンテンツ」(公式HPより)であり、元の作品を読んでいなくても内容は理解できるものの事前に読んでいると中身の理解に一役買う……かも……しないかも……
・ちなみに自分は読まずに行ったけど全然支障なかったです
・著作権が切れているため青空文庫で読める(上記URL)上に15分ほどあれば読めるくらいには短編小説
・ネタバレになるので打ち消し線で若干隠すものの、ざっくり説明するとモルヒネ中毒から回復するために山道を散歩していた筆者が道に迷って降り立った町は猫だらけの町だった、意識をはっきりさせるとその光景は消えていた――といった物語
・モルヒネの後遺症では?とは言ってはいけない

・なお作中人物には萩原朔太郎をモチーフにしたサクタローなる人物、否、猫物が登場する

作風

・今まで見た朗読劇と一番「うおっ、違うな」ってなったのが弁士の存在
・弁士役は全公演で滝 佳保子さん、正直違和感なさすぎて本職の方かと思ったけどこの方も声優さん
早口で畳み掛けるような語りが凄いこと凄いこと、それでもちゃんと聞き取りやすいのも流石
・いわゆる小説で言う注釈の役割のほか現代の貨幣価値など説明に一役買う役割を担っていた、「これどういうことだろう?🤔」というタイミングでちょうどよく説明を入れてくれるからたすかる
・その他地の文が入る箇所もあるため本当に小説を読んでいるような気分で朗読劇を見ることが出来る、なんだか不思議な感覚
・照明も効果的で例えば汽車の描写や燃える炎なども照明と音響で描写していてすげ~ってなった
・個人的にだけど直前見に行った朗読劇の「若きウェルテルの悩み」(こっちも良い朗読劇でした)の原作が書簡体小説(手紙の本文のみで構成される小説)で、演者さんの演技で魅せる作風だったため、それぞれ作風の違いが感じられて2倍おいしかったです
・その他正しい意味での楽屋ネタも随所に、おそらくアドリブ?なので公演ごとに大きく違うかも
探偵モノなので起承転結がハッキリしておりそこも見やすいポイント、あと続編も作りやすそう
・当初上映時間が90分の予定だったが、11日(土)の回の序盤の語りでも「昨日は101分でした」というメタネタが入ったりその回自体はたしか110分だったりで目安となる上演時間が変わる事態に、そんなことあるんだ……

声優さんのファン向け

・正直ここまで読んでいる人で公演見てない人いないんじゃないかって気がするけどどの役もおいしいのでファンなら見に行ってほし~というところ
・そんでその悲鳴(感想)を聞きたい
・どのキャストもハマっていただけに他の演者さんが演じるあのキャラやこのキャラが他の回ではどうなっているのか、とか気になる
・18日(土)と19日(日)は配信もあるよ!

☆ネタバレあり☆




















迷路 ソマリ(まよいじ そまり)

・「思い立ったらすぐ行動、天真爛漫な探偵猫」(公式HP)、主役
・11日昼の部の回では演:鈴原 希実さん
・キャラの性格や探偵風の衣装がすごいしっくり来るな~って思ってた
・あと目がハッキリしている(?)ので遠くからでも表情の変化とか分かりやすかった?かも?
・役にぴったりな猫目気味?
・エンディングでは歌も披露されていたが「ラブライブ!スーパースター!!」がデビュー作だそうで納得
・後から知ったものの身長152cmと小柄ながらも身振りとかが大きかったからかそれを感じさせない演技

・「金欠で」「家賃滞納してて」「早とちりで行動しがちで」「でも正義感は人一倍ある」探偵という主人公として持っておいたら安心!って属性を一通り揃えてる
・あと「集中すると何倍もの能力を発揮する」っていうのは推理の一過程で実験かモルヒネに没頭するホームズなんかの往年の変人探偵っぽさもあったなんかこの辺の時代モルヒネやってる人間ばっかだな
・「健脚・体力すごい」って設定もあったけど鈴原さんも主役なだけにほぼ100分間ずっと出ずっぱりだったけど疲れた様子もなかったので体力すげ~って見ていた

雨宮 将太(あめみや しょうた)

・「過去の因縁に縛られる、捜査一課のエース刑事猫」(公式HP)
・実質もう一人の主人公?
・11日昼の部の回では演:中島 ヨシキさん
・個人的には「ヒナまつり」の新田の印象が強い、あれもコメディだからよく叫んでたような……
・そういえば演じる人によってスーツの柄とか全然違うんだね、今気づいた
チェック柄のスーツって難しそうだけど普通に着こなしててかっこよい

刑事×タバコは画になる
低音ボイス大好きすぎる
・その上「相棒がいなくなった後テンション抑えていただけで『素の口調は乱暴だが熱血漢』」とかいっっっっっっちばんおいしいやつじゃん、一番味のするやつじゃん
・でもやっぱりレインドラゴンはダサない?
・公式アカウントにモデルの猫種について紹介文あるんだけど「とても賢く」「好奇心旺盛で」「身体能力も高く、 生命力に満ちた猫」この抜粋の仕方、やってんなァ

財部 梨杏(さいべ りあん)

・「ソマリに依頼を持ち込む、優美高妙な富豪猫」(公式サイト)
※優美高妙=品があり、言葉にできないほど美しくすぐれている様子
・11日昼の部の回では演:涼本 あきほさん
・正直この方目当てです、今回の公演
・比較的今回のキャストの中で若手の方が演じることが多かった役だが……いやいっちゃんおいしい役やんけ
・他作品では「何事にも全力で元気な社長令嬢」を演じているだけに今回のお淑やか強めの役柄は新鮮でした
・あとなによりラストの演技、ゾワッとした

・喫茶店や図書館での健気アピとかが「自分の使い方をよく知っている」んだろうなっていう、こういう猫が一番怖い
まんまとハマるソマリさんサイドもどうなんですか?
・後から考えるとお金の出し方が尋常じゃなかったり、いつも都合の良いシーンで出てきてたりと不自然や違和感の積み重ねがあったんだなって
・依頼のきっかけになった犠牲者である「友人(猫?)」のエピソードが一切具体的に語られなかったけどもしかしてその友猫が梨杏が最初に手を掛けた対象とかだったり……しない……?
・「お腹の毛皮だけ回収してない」謎が未だにわかってない、誰かご存知の方いたら考察投げといて(他力本願)
・名前そのまんまだけど金持ちっぽい当て字がオサレ
・「懐けば従順で甘えん坊に!」←ほんまか?
※19日加筆、別の回の公演見て気付いたけど「事件の依頼」「くるみを使った李衣への焚き付け」「翔太との接触を明日に先延ばしにする」このへんのソマリが危険な状況に陥る原因、全部梨杏が誘導してるじゃねーか!!!!!!!!!!!!!!
分断と誘導上手すぎて怖すぎ

龍石 李衣(たついし りい)

・型破りな雰囲気を漂わせる曲者で、事件の鍵を握る重要参考猫(公式サイト)
・11日昼の部の回では演:榊原 優希さん
・妹のミイ役も兼ねられてたんだけど最初女性かと思ったくらいに違和感無かった、それでもって男性声も自然に演じられてるのもすごかった
喋り方一つでなんとなく性格とかキャラがスッと分かるニュアンスの伝え方にも高い技量が伺えた

・重要参考猫
・重要参考猫?
飄々とした皮肉屋、これも味がするやつ
・バックグラウンドを多くを語らないのが逆に内面に潜む犯人への執念を感じさせる
・最後の廃工場から出るシーンはわざわざステージ上に二人だけ残って演技するのが空気作りに徹底してて良かったなぁ……
・レインドラゴンどっちが考えたんだろ
・合言葉のセンス的に雨宮やろなぁ……

唯一男性と女性のキャストが存在する役なので公演によって変化が一番ありそうな役どころ、女性キャストだとどうなるのか気になる

サクタロー

・飄々とした生き字引、猫町の長老猫(公式サイト)
・11日昼の部の回では演:増元 拓也さん
・その他にも地の文、モブ警官、マスター、業者など一番多くの兼役も担当されてた
・最初の凄みのある地の文とかサクタローの長老演技とかがしっくり来すぎてもっとベテランの方かと思ってたけど写真見たら想像以上に若くてビックリした
・朗読劇の醍醐味の一つは「兼役演技をこなすところが見られる所」だと思っているので代わる代わる演技しているのは見ていて楽しかったね……
・マスターの「あるよ」は年代によってはそろそろ通じないのでは

・このサクタローは猫町に迷い込んだまま居着いた萩原朔太郎なんだろうか
胡散臭いけど含蓄あるおじさん良いよね……
・業者のうめき声演技はリアルタイムでエコーかかってたけどああいうの初めて聞いたからすげ~ってなった
・(表情も見えるのもあって)うめき声でもニュアンスが伝わるのさすが声優さん
・「業者」は巨体+”二足歩行”って記述がある+上位存在寄りに属しているっぽいことから人間か(当時日本にも影響力を及ぼし始めていた)西洋人のメタファーかと思ってたけど納得の行く結論に達してない、誰かご存知の方いたら考察投げといて(他力本願)
サクタローについてもモデル紹介ポストあるの草、記述がやたら具体的すぎ

縫島 くるみ(ぬいじま くるみ)

・甘い香りに派手な風貌のお調子猫(公式サイト)
・全公演で演じるのは永瀬 千裕さん
・この方も猫系の顔かも
・くどめのアイラインでケバさと胡散臭さが出ている上にヒール演技も板についててすごいしっくり来たこの場合のしっくり来るは素直な褒め言葉なのか?
・御本人のオフショは普通に綺麗で胡散臭くないよ!

・一番モデルから捻ってる役名?(ドール→ぬいぐるみ→縫?)
・ポストで見かけたんだけど自己紹介が公演毎に違うのマジですか??
・割と最初から怪しいというかなんかあるなっていうのを見せてくるんだけど(作中的にもメタ的視点からも)梨杏から目を逸らさせるデコイとして機能している所にどこまでも用意周到な梨杏という猫の恐ろしさを感じさせられるのである
・うろ覚えだけど終盤マタタビだか麻薬だかを示唆するセリフがあったような、金での買収以外に麻薬でも猫を操る財部家、一体何で財を成したんだろな……?
・この世界には「麻薬取締局」ならぬ「またたび取締局」とかあるんだろうか

探偵モノだから続きの話作りやすそうだし、キャストもほぼ毎公演入れ替わってるので演者さんが共通してなくてもまた公演を組みやすそうだな~って思いました
続編モノのハードルである「前作を見ていないと話が理解できない」という点もあまり気にならなさそうなのがポイント
普段からあうるすぽっとを使っている運営さんっぽい?のでまた他シリーズ含めて展開が楽しみなところ
とりあえず配信で見れる18日(土)の夜公演見てみよ~って感じです

5月19日(日)追記:
…………来るやんけ!!!

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