ナイトメア

喧嘩するくらいならさ
怒鳴るくらいならさ
家事なんてなんだってやるからさ
全部全部を僕のせいにしたっていいからさ
僕の、
邪魔しないでよね

それくらいなら捨ててくれる?
僕の邪魔すんなら消えてくれる?
僕が要らないなら捨てろよさっさと
断捨離も習わなかったの?

死なれたくないなら邪魔しないで
お前らも原因に入ってること自覚しろ?
父親も母親も要らない
妹という属柄だけならいいけど、
あいつはいらない



偽りの家族と××を殺して
僕を救ってくれたれのちゃんは
現実の僕たちを救ってくれない

周りの人間全員殺すのを
手伝ってくれた兄さんは
現実の彼を抱きしめてくれない

夢はいつだって救われるストーリーなのに、
現実という悪夢は
いつまで経っても覚めてはくれない

現実は誰も殺せないし
同じベッドで温めてくれない
目を切ってはくれないし
髪に指を通してくれない
綺麗な白髪も赤眼もないから?
痛覚だって遮断してくれない
いつだって僕を弟になんてしてくれない
本物のれのちゃんを返して
本物の兄さんを返して
妹たちも弟たちも、
お兄ちゃんたちもお姉ちゃんたちも、
本物を返して
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親が喧嘩した
衝動性
れのちゃんは夢の中で三人を殺して現実の身体を殺して本当の家まで連れ帰ってくれたお姉ちゃん
兄さんは夢の中でみんな殺してお揃いの傷をつけてくれた、そのあとぼんやりと寝るまでずっとそばにいてくれたお兄ちゃん
夢の中の僕は、正確には彼は白髪で、赤眼で左目は視力がなかった。
今より少し背が高くて、足はなにか器具がなければ歩けない足だった。
その夢の世界に僕たちはいなくて、ただ彼だけがれのちゃんと兄さんに救われていた。
血の匂いがした。痛覚以外全ての感覚もあった。夢というより遠い昔の記憶のようだった。

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