この感情は恋愛なのか?(後編)

この感情は  なのか?(前編)の続きです
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あんなことを考えていた翌々日、バレンタインに遥歩に告白された。
僕は受け入れた。
遥歩を傷つけたくなかった。
万里は少しがっかりして数日凹んだが次の週明けにはいつも通りに戻った。

遥歩とは何回かデートを重ねて、そういうことにも手を出した。
僅かに幻滅した自分はいたが、遥歩の他の誰にも見せない感情が垣間見えて、優越感もあった。
僕は偶然にもこういう演技が得意だった。
殴られない分幾らか気が楽だった。
遥歩は僕と付き合って満足していた。
僕たちは万里とは今まで通り親友として接することができた。

僕の遥歩に向ける感情は失望と優越の二つだけになった。
僕だから付き合いたかった。
僕だからこれをお願いできそうだった。
結局、遥歩は僕よりも万里を想っていたんだ。
万里にこんなこと頼めない、なら、こんなことせずに幸せになれたろう。
「本当にするの?」
「お願い。万里にこんなこと、言えないでしょ?」
遥歩は親友で、恋人で、悪魔のようだった。
涙なんて流れなきゃいいけど。

ーーーーーーーーー遥歩ーーーーーーーーーー
万里のことは好きだった。
大好きな親友だった。
だからこんなこと頼めない。
智鶴じゃないと頼めない。
智鶴なら、私の願いを叶えてくれそうだった。
だから、恋人になって欲しかった。
勘違いされてるだろうけど、智鶴のことはこういう意味で大好きだよ。

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