牢外

去年書いた詩です
#牢
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   牢外

 また外に出たの?
 でもいつもすぐに戻ってくる
 今回もちゃんと自分の足で
 そして全部を忘れてしまう
 目を瞑って、次の視界は牢の中

 僕を殺したことも
 外に出たことも
 何もかも忘れて繰り返す
 殺されるたび、また新しい僕になる
 殺されて、作り直されて
 何度も何度も繰り返す
 壊れた機械のように
 止めなく繰り返す
 僕らはとっくに壊れてるんだよ
 もう全部忘れちゃいなよ
 もう全部捨てちゃいなよ
 どうせ零れ落ちていくんだから
 君の味方になれるのは僕しかいないよ
 そして僕の味方も君ただ一人
 僕しか君を愛せない
 君しか僕を愛せない

       「ごめんね」

 君を守るなんてただの言い訳だ
 ほんとはただ、君を独り占めしたかっただけ
 君を知らない外の奴らに
 無遠慮に傷つけさせたくなかっただけ
 これはきっと恋じゃない
 これを愛と称して何が悪い?

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