愛読書で自己紹介 おまけ

自己満感想文
メインが表紙が文ストシリーズになってしまったので文ストじゃないシリーズ作ります(表紙になってないものから選んだver)
今回はメインほど長くない(多分)
おまけなので記事の貼り付け、#はしません

1、地獄変(芥川龍之介)
羅生門の二次創作にも仄めかすようなことを書きました
「いかに一芸一能にひいでようとも、人として五常をわきまえねば、地獄に落ちるほかはない」
これがものすごく胸を打つというか、引き出されたというか
学校という小さい社会ではなにか特出したものが褒められる
勉強ができるとか運動できるとか賞をとったとか
でも、日本という(他の国でもそうなんだろうけど)大きな社会に出たら逆転する
なにか特出してるより、会社が使える能力がバランスよくある方が使いやすいから
使ったことないものは扱いにくいから
よく思うのが、才能があってもニーズがなければそれは無能
ゴッホとか生きてる時代のニーズに合わなくて認められなかった才能だって多々あるだろう
結局普通主義なんだ
人間は
そして演技でも人に、普通になれなければ人間の作った地獄に落とされる
地獄とは神様とか閻魔様とかこの世にいない人が作るものじゃない
この世に生きてる人間が作り出すもの
ニーズに応えた才能だけが金という天国への切符をもらい、応えられなかった“無能”が地上から地獄に落とされる
そんな感じの解釈

2、一足お先に(夢野久作)
犬神博士、瓶詰めの地獄、鉄鎚、少女地獄と一番にしたい作品が多く、なかなか決められませんでした。
波長が合いそうというか趣味が合いそうというか作品数だけでいうと一番読んでると思う
独特のドロドロ感が好き
一足お先には切り離された右足の夢を見る話?になると思う
夢が現実っぽくて現実が夢っぽい
話は二つの世界に分けられるけど、どっちが夢で現実か、どっちも夢にも現実にもなれると思う
僕はよく今の“現実”が夢であって欲しいと思ってる
今が夢の中で、起きたら今までの人生という夢が自分の中で“現実の記憶”ではなく“夢を見た記憶”としてそのままふと忘れてしまえるような時間であってほしい
うまく言葉に表せないけど、今の夢の外にこの世界の常識では夢だと思うような現実があってほしい
命がなくなることが、死ぬことじゃなくて目覚めることだったらいいのに
宇宙の外なんて誰も行ったことがないんだから、死んでから戻ってきたりはしないんだから、ここで非現実的なことが現実であってほしいな

3、雪国(川端康成)
なんとなく風景画のような小説だなと思った
風景画って好きという感情も嫌いという感情もなくただ目が飲んでいる感じがする
水が口から喉を通って潤すように、目から脳をめぐって洗い流すような感じ
雪が頭皮に染み込んでそのまま脳の中に染み込んでくるように感じた
事件も事故もあって常に同じ日ではない
なにもかもひっくるめて地球の日常なんだというように思った
火事で人が死んだって地球は気にしないし、自分に関係ないから人間だって気にしない人はいる
人間が生まれて生きて死んで燃やされていくのが自然にとっての日常なんだな
不謹慎かもしれないけど、誰かが死ぬのも日常で、僕が死んだって日常のこと
少しだけ無理に生きなくていいような気持ちにさせられる
どうせ無理して死んだって日常なら、ちょっと気楽に死までの遠回りをしてみようと思える


つきあってくれてありがとうございました







追記
約束の二十歳までは死ぬ気で生きて、あとはのんびりみんなが死にたくなるまで待ちます
死期が訪れるまでは生きてていいよね
誰か一人でも生きようとしてる限りは生きよう
四十までは焦って死ぬこともないだろう
今はそう思ってる

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