世界と人の橋

僕には橋が見える。
どうやらこれは僕だけが見えるらしい。
細い橋は人々の繋がり。
赤い糸みたいな感じ。
大切な関係であればあるほど橋は綺麗で、劣悪な関係であれば汚かったり崩壊しかけたりしている。
特に関わりのない人とは橋が繋がっていない。
細い橋はそんな感じ。
とてもとても人は渡れやしない。
僕には大きな橋も見える。
人間の大人が手を広げて五人は並べそうな太さの道の橋。
それは、別の世界への橋。
どうやら僕と死人しか渡れないらしい。
僕は別に死人じゃない。
なのに僕には細い糸が誰とも繋がっていない。
おそらく僕だけが死せず世界の行き来できる生物。
いろんな世界を渡り歩いて、いろんな生物に変わって、それぞれの世界を堪能してきた。
順番が悪かったんだろうね。
この世界はつまらない。
別に悪くはないけどさ。
別にこの世が全てじゃないからね。
この世界しか知らないから今世今生だけを全てと思い込んでいるだけだよ。
だから、この世界は二番目につまらない。
まだ見きれてない世界もあるからさ、三番目四番目になるかもしれないよ。
それか、僕の評価なんてあったところで、かもしれないけど。
つまんなかったからもう来ないかもしれない。
つまんなさが恋しくなったら来るよ
ばいばい。

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