鳥だったら

文ストのゴーゴリが好きです。推しです。
彼に引っ張られています。
どうしても頭から離すことができませんでした
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鳥だったら
白い雲に紛れて青い空に溶け込める?
それは夢の世界のように
本当の自由を手にできる?
でも所詮“生”に囚われる
地上、言葉、知能から抜け出せたら、
新しい檻がそこにある
全ての檻は近づくまで透明で、
だから抜け出すまで気づけない
でも、だから縮こまるのは違う
狭苦しい檻を抜け出したい
例え檻の中でも、
世界が広がればまだ幾分かマシじゃないか
なにがマシかは分からない
檻という鎖に縛り付けられる苦痛、
世界の歯車になるために搾り取られる血、
人類の繁栄のために捧げさせられる精神、
それらが僅かにでも軽くなるんじゃないか?
「脳は鳥籠」
ならば地球は水槽か
酸素という身体を取り巻く液体がなくなれば
死に至る
僕はその先を見たい
地球の外が宇宙なら、
鳥籠の外の水槽の外の監獄から、
抜けられたら、一体どこへ行けるだろう
一体何ができるだろう
人の鳥籠に許されたのは、
地に這いつくばって“死ぬ”という結果のために
“生きる”という過程を積み重ねるだけ
その現実から目を背けるため、
土に海に潜り、空を飛び宇宙に飛び出した
宇宙を知れば、自由だと信じて
たったの百年余りで
確実に地球から去ることを恐れて、
生きることに必死になった
地球を居心地良く仕立て上げ、
自らの都合のいいように作り変え、
それを強制した
人の作り上げた正しさを否認するものを矯正し
そうしてできあがったのが道徳だった
本来あるはずのないものを作り上げるという
人間の得意分野に入ってしまえば、
人外は跡形もなく正しくされる
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彼は夢の中では自由だった。
本当に自由だった。
何もしなくていい。
何をしてもいい。
何も考えなくていい。
願いは望む前に叶っていた。
だからこそ、現実のこの身体に閉じ込められているこの悪夢では不自由に囚われている。

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