こだわりについて

 「こだわり」この単語を見ると一般の方はなんとなく良いイメージを持つと思う。「職人こだわりの一品」といった言葉だと熟練のその道のプロが細部まで技を手にかけている。といったイメージがすると思う。
障害福祉分野の「こだわり」という言葉は少々意味合いが違ってくる。
こだわりについて語っていきたいので、時間のある方は少々お付き合いください。

 「こだわり」の言葉の意味を調べると「ちょっとしたことを必要以上に気にする。追及する」と出た。人間誰しも大なり小なり「ここはゆずれない!」といったことがあると思う。私の場合だと食後歯磨きをしないと気が済まないことやコーヒーはホットじゃないと嫌といった感じだ。
 職場の施設の重度の利用者さん達も個性あふれるこだわりを持っていて、長年関わってきたが「なぜこれにこだわる…」といったことも多い。
多種多様なこだわりを見てきましたが今回は1つ紹介します。

・いらなくなった物はとどめを刺して消さなければいけない
 下着やペン等、日常的に使用している物で破れたり、インクがつかなくなったりして使用できなくなった時はゴミ箱に捨てていると思う。紹介する人は下着だとビリビリに破き、ペンだと粉々に粉砕している。それをゴミ箱に捨ててくれれば問題ないが、必ずトイレに流すのだ。
トイレの修理は結構金額が張る為、保護者に状況と修理代金を伝えると少々間が空いて「………私がトイレを直してみてもいいですか?」と。

今はYouTubeになんでもありますね。洋式便器の取り外し、詰まりの除去方法を見ながら5時間ほど戦って無事トイレは直りました。
 家でも破いた写真や大事な書類等、見られると怒られてしまう都合の悪い物はトイレに流してしまうようで入所時には行動が固定化されていました。施設ではトイレの水を止めたり、所有物を限定してみたりしましたが、介入されることがストレスだったようで脱毛症や自傷が出始めた為中止しています。
無くさなければといった気持ちがトイレに流す行動にでるんでしょうか?
確かにトイレに流すと無くなりますね。

他のこだわりはまた次回。

 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?