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パリオリンピックのレスリングの見どころ。女子レスリング

開幕早々メダルラッシュに大盛り上がりの日本ですが、ここが本流ではございません。
女子レスリングが始まってこそメダルラッシュ本流となります。
日本の女子レスリングは世界一です。
世界より厳しい国内予選を突破した今のレベルの女子レスリングは、特級レスラーのオンパレードとなります。
日本オリンピックの大黒柱、女子レスリングのメダルラッシュを応援しましょう!


50㎏級 須﨑優衣選手

写真はレスリング協会から拝借してます。
保高先生ありがとうございます。

50㎏級は東京オリンピック決勝を1分程度で優勝した須崎選手になります。もう強過ぎます。
須崎選手はデフォルトで領域展開してるんじゃないかってレベルでタックルが決まります。
タックルが低くて速すぎて、しかも足を触ってから倒すのが速すぎます。そして倒してから股裂きやアンクルのような次の技の展開が速すぎます。
タックルされたくなくて、先にタックルを仕掛けても、領域展開されてるので恐ろしいガブリ返しが口を開けて待っています。詰んでます。
踏み込みが違うんかな?タックルの起動が鋭すぎて、足触ってからも減速しなくてそのまま相手が倒されてます。
まだ国際戦で負けてるのを見たことないです。
相手が攻略しようと思ったら、階級変えるしかないかもしれません。須崎選手のリアル領域展開テレビに映ると思うんで、見てみましょう。

53㎏級 藤波朱理選手

53㎏級は現在、公式戦133連勝中の藤波朱里選手が出場します。はい。すでに20才で吉田沙保里さんの記録を超えてます。もう説明終わりでもいいですか?絶対強いでしょ?

冗談です。
僕もなんでこんな強いんやろ、と思って彼女のレスリング見てるんですけど、レスリングお手本みたいに綺麗過ぎて決定的な点が見つからないです。切り口綺麗過ぎて僕は切られたことに気づいてないかもしれません。
須崎選手より距離が少し近くて、組み手が多彩でカウンターが速い印象です。特にタックルのカウンターは見てください。相手と打ち合わせしてるんちゃうかと思うぐらいタイミングがバッチリです。相手のタックル始まると同時にカウンター始めてます。リアル五条悟ですよ。相手が足に飛びついても足に触るどころか無限に足が遠いですから。
組み手のコントロールもうまくて、多分相手のことうまく動かす技術が尋常じゃないです。
相手が攻略しようと思ったら、階級変えるしかないかもしれませんね。さっきも同じこと言ってるかもしれませんが、リアルそのレベルです。藤波選手の領域展開にも期待してください。

57㎏級 櫻井つぐみ選手

57㎏級は現在、世界選手権を3連覇してる櫻井選手が出場します。パリ五輪も第一シードで出場します。
国内予選での接戦を勝ち抜いて世界選手権は3連覇です。夏フェスのオレンジレンジぐらい信頼と実績があります。
そこまで派手なレスリングをする印象はありませんが、ロースコアでも堅実に勝つイメージがあります。
特にツーオンワン(相手の片手を両手で取る組み手)からの技の展開が多いです。僕が好きなのはそのままハイクラッチタックル(頭が外のシングルレッグ)にいく流れです。タックルに伸びがあるし、その後の処理も、すぐに相手の足をコントロールするので安心感があります。イナバ物置ぐらい安心感あります。
国内で戦うよりも国際大会の方が、組み手がよくハマっていると思います。お手本のタックル勉強しましょう。

62㎏級 元木咲良選手

62㎏級は元木選手が第二シードとして出場します。U-20世界王者で、去年の世界選手権で準優勝の選手です。
片足タックルがめちゃくちゃ速いですが、入る前に反対の足に意識させるフェイントが素晴らしいです。あのフェイントでタックルされると、国際大会でしか当たらない選手が反応するのはかなり難しいと思います。
組み手の右手の位置がうまくて、相手の腕が自然に上がってしまうような絶妙な場所に右手が置かれています。その上フェイントとセットで速い奴が飛んできます。
今回のパリオリンピック、この62㎏級は実質、第二シードの元木選手と、第一シードのキルギス選手の一騎打ちになると思います。
そして、元木選手の神速のタックルで足をキャッチすることは出来ますが、元木選手がそのまま相手のバックを取れるかがポイントになるかなぁ、と素人意見ですが勝手に思っています。アタックのタイミングや決定権は元木選手にあるし、元木選手も徹底すると思います。
もちろん、まずは決勝までひとつずつ集中ですが、決勝のポイントも意識しながら是非見てみてください。

68㎏級 尾﨑野乃香選手

68㎏級は最後まで国内プレーオフでギリギリのせめぎ合いの末、尾崎選手が代表権を獲得しました。
壮絶すぎる国内予選に打って変わって、世界選手権は2回優勝しており、今年のアジア選手権では圧勝で優勝しています。
尾崎選手のレスリングは、速い組み手とガツガツ行くプレッシャーが印象的になります。その中で左手での引き落としがすごく効かせられるので相手からするとなかなか攻めにくいし疲れるし、といったレスリングになります。
引き落としが続いて、落とされないように相手が姿勢が上がってきたところにめちゃくちゃ速いタックルが飛んできます。
魅力は組み手のプレッシャーと引き落としです。
女子の68㎏級でこんなに速い組み手があるんだ、と驚嘆した選手です。優勝する実力が十分にある選手です。応援しましょう!

76㎏級 鏡優翔選手

76㎏級は浜口京子さん以来の重量級世界チャンピオンの鏡選手が出場します。
日本人が重量級で戦えるだけのフィジカルと、組み手の繊細さがあります。組み手の中に細かい腕取りが混ざっていて、崩されないように距離を置いたところにめっちゃ速いタックルが飛んできます。
タックルのディフェンスも硬くて、相手のタックルが加速する前に組み手でタックルを止めることを徹底できています。足を触られても上手に体を動かして、スルッとバックに回っています。
派手なレスリングではないかもしれませんが、ロースコアで戦っていても、大事なところで得点する安定感があります。
今年のアジア選手権は怪我で棄権しましたが、どこまで調整できてるかが鍵になると思います。怪我をしてからもかなりポジティブにコンディション作りに時間をかけていたので、問題ないと思います。
鏡選手のXを見ておけば、藤波選手と鏡選手の動向は掴めます。試合終わりの藤波選手、信じられない量の食べ物を摂取すると思うんでそこまでチェックしてみてください。ブラックホールです。

まとめ

総じていうと、今回も日本の代表選手は全員世界トップの実力があります。
メダルラッシュの本流、リアル領域展開のレスリングをご覧ください。
初めての方にもこちらのnoteにルールを解説しています。ルールわからないままで見るだけでも展開が速くてかなり面白いと思います。体の使い方、人の倒し方の達人が集まっています。
この機会にレスリングの楽しさに触れてみてください。
いや、せっかくここまでnote読んだなら是非レスリング応援してください。

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