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羊水検査の結果を聞きに行く

4日前に、羊水検査の結果からダウン症と
確定した子を人工中絶した。

本人はもうお腹の中にいないが、
羊水検査の結果を聞きに大学病院へ。
羊水検査の結果を前倒して聞いていたため、
母体への負担も考え人工中絶を先にし、
終わった後総合的な検査結果を聞きに行く、という
順番がちょっとおかしい結果にはなってしまったが。

事前に聞いていたところで、
「羊水検査を陽性と聞いたうえで、この日はさらに
何を聞くことになるのでしょう?」と。
21番目の染色体が3本あることは分かった。では
その原因はなんだったのか、の部分が
分かります、との説明だった。
実際見てみないと分からないな、と思いつつ
さらに悪い内容でないことだけを願っていた。

これまでNIPT検査がまさかの陽性、
確定検査の羊水検査は想定はしてたといえ陽性、
”100人に1人”という割合のくじを引いてきたので
今日の結果も(事前に最悪をイメージするのは
何も益がないが)想像もしないような悪い結果を
耳にすることになったらどうしよう、、
と緊張もしていた。

「体調は・・いかがですか?」という遺伝外来の先生
の一言からスタートし、ここ数日で
中絶は終えたことを報告し、
ここ数日の色々な思いを夫と聞いてもらった。
基本遺伝外来の受診は
夫婦同席をすることを言われてる。
結果を順々に説明され、羊水検査の結果としては

「今回の子については完全に
偶発的に起こった染色体異常」
という内容だった。

ケースとして、「父」か「母」どちらかに由来した
染色体異常だった、という結果もあり得た。
そうなると、昨年10月に原因不明で7か月の子が
お空に突然帰ったが、その子も染色体異常だった
可能性が高い。2人染色体異常が続いて、
もう次の妊娠は諦める方向に話を進めるしかなくなる。
けど、今日の結果ではそうでなかった。
昨年の子は、今となっては原因は調べられないが
別の要因であった方が確立として高い。

再罹患率の話も伺った。
35歳以上で1度21トリソミーの子を妊娠した場合、
次も21トリソミーとなる確率は1.7倍。
40代では全体の1%の確率で21トリソミーを
妊娠する確率だが、それが1.7%になるというのだ。

支配的な数値でないため、次の妊娠を考える
ならば、ほぼ心配しなくてもいい。
それよりも、40歳、41歳、42歳と年齢が
あがるのと比例して確実にリスクはあがる。
遺伝外来で受けた説明の中に、40代では
100人に1人染色体異常を妊娠するという割合が
41歳では80人に一人だった気がする。
そちらの方が気にすべき数値、という話だった。

2本分かれるべきところが、3本に分かれてしまった。
ただただ、偶発的に起こった事象、ということだった。

素人質問だが、その瞬間の母体の状態が
例えばストレス過多だった、寝不足だった、
葉酸不足だった、これらはまったく関係ない。

どこかホッとした。
これだけ悲しいことが続いたのに
次の妊娠を諦めきれていない。
40歳6か月、先送りにできない年齢である。
検査の結果によっては、
「もう妊娠については検討もしない方がよい」と
でも言い渡されたら、自分の希望云々は
もう度外視で「辞めよう」となってしまい、
ショックも大きかっただろうから。

素人感覚かもしれないが、
「生まれてきているお子さんについても
染色体に異常がある可能性が
ゼロでないから調べた方がよい」
なんてでもなったら、と思っていた。
それもなかったから本当に良かった。
今日聞ける内容ではベストの内容だった。

久しぶりに2択あるうちの
いい方の内容を耳にすることができた。
この40日、「大多数の方が言い渡されない方」を
伝達されることの方が多かったから。

次に妊娠したらその時にもNIPT検査を受けると思う。
週数の早い時期に受けられるようにしてほしい、
そうすれば人工死産でなく、手術での中絶が可能となり
母体への心身への負荷が軽減される。
当然中絶を肯定し前提とするのではないため、
運用面での議論はまだまだ耐えないだろう。。
1度受けた人は2回目も受けるだろうから、
2回目は検査費用を安くしてほしい、なども
談笑し、ユーザーからの声として
検査機関にも伝えますね、と笑いも交えて
その場をあとにすることができた。

お腹にいながら毎日命の選択を考える日々から
すると、今は気持ちも少し楽になった。
悪露は出ている、後陣痛もあるから
体はまだ復旧中だが、
起きたその瞬間から寝につくまで
お腹の重みを感じながら考える40日は
なかなかきつかった。

帰り道に、夫と明日の火葬の際に
棺にいれる生花をかった。
仏花ではなく、芽依ちゃんに合う
春らしい優しい1セットを。
切り分けて棺にたくさん入れてあげよう。

あとはお手紙も書いていれてあげよう。
100人に1の経験をさせてくれて
ありがとう。
あなたが来てくれたことで
たくさん学んだし、たくさん考えた。
ごめんね、という気持ちもたくさんある、
けど、少し、ありがとう、も言えるように
なってきた。


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