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人工死産、明日火葬を控えて

NIPT検査を受け陽性だったため、
羊水検査も受けた。
羊水検査の結果が出る前だったと思う、
通っている産科に行き、経過の報告や、
仮に羊水検査も陽性と出た場合の
スケジュールを相談していた。

「お腹の中で生きている子の中絶て
どうするのでしょうか」
今これだけ色々調べた時点では当然、と
思うのだがその当時はあまり認識がなかった。
検査で陽性が出た子のお産は
何か別の方法があるのか、とさえ思っていた。

12週を過ぎているので
経腟で出産しなければならない、
そして生まれてきた子は
火葬しなければならない。

半年前突然お腹の中で亡くなった子と
まったく同じ流れをしなければならないことを
この時点で初めて知る。
NIPT検査が陽性だった、それと同等レベルの
ショックな内容だった。

「でも生きてます、、事前に
処置をしてからお産となるのでしょうか」

「大概のケース、途中で耐えられなくて
亡くなります。稀に生きて出てくることも
ありますが、自力では生きられなくて
そのまま亡くなります」

先生も細い声で申し訳なさそうに伝えてくる。
最悪である。そんな我が子を無理矢理外に出す
お産をしなければならないのか。

そして火葬。
半年前も、7か月の子を見送るのはとても辛かった。
朝斎場に着くと「○○様」と
私の苗字の看板が掲示されていて涙した。
待合室にも「○○様」とあって、
まさか親族でなく私の家庭の葬儀なのか、と
その文字を見るたびに辛い気持ちに
ならざるを得なかった。

死胎児の火葬は火力の都合で朝一番最初の
枠となるため、早朝まだ他の方が
来場もしていない静かな火葬場で行われる。
棺を開け、最後のお別れをした後、
お焼香をあげ、炉の扉を閉めてもらう。
小さな小さな棺が大きな炉の中におかれ
扉が閉まる。
あんな景色二度と見たくない、と思っていたら
明日またその景色が控えてる。

1時間くらいすると用意ができましたと呼ばれ、
収骨部屋では広い銀色の台の上に
本当に小さなお骨がまとめられていた。
10歳の娘も希望して、夫と私、娘の3人で
骨壺に入れてあげた。足の骨、骨盤、
形が残っていた。半年前の子は
たった25週だったが立派にお骨を残せた。
明日は18週の子でどのくらい残るか
わからないけど、
少しでも持って帰ってきたい。
お姉ちゃんとお揃いの骨壺にしたけど、
半量くらいは埋まったらいいな。

明日は朝早くに産院へ寄って、数日預けていた
娘を迎えにいく。こちらで用意した棺と娘をおいて
退院したからそれに入れて
渡してくれることになっている。
こちらは市役所で手配した火葬利用許可証など
書類をいくつか渡す必要があり、それと交換でないと
娘を渡してもらえないそう、
残念ながらこんな経験値があがってしまった。

生花も入れてあげよう。
お下がりで使いたかった布おむつも。
最近の家族写真、折り紙の花、
助産師さんが一生懸命作ってくれた
小さな折り紙のツルやハートも入れて
箱の中が寂しくないように。
天国でミルクが飲めるように
哺乳瓶の乳首部分だけも入れてあげよう。
これは半年前の子の時、病院の方が
入れてくれたのを思い出して、
家にあるお下がりの乳首を入れてあげることにした。

棺の内側にも装飾をした。
蓋をしたときに寂しくないように
蓋の裏、天井部分にも
折り紙で華やかに、シール等も貼った。

家族だけで、ゆっくり穏やかに見送りたい。
ごめんね。ありがとう。
どちらを言えるかなぁ。。
まだ、ごめんね、と思うと
いつでも涙が出る。
気持ちもまだまだ定まらず
ありがとう、を言える日と言えない日がある。






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