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【18週2日】中絶前処置のための外来

2022年4月13日。
こども園のお迎えを済ませ、その足で外来へ。

いよいよ、人工中絶のための一日目、
ラミーを入れる処置を行う日。

病院へ向かうも、
「私は何しに行くんだろう」
「やりたくない、この子を生かしたい」と
なぜ言えないんだろう、と
決めた以降もずっと迷いの心の声が止まらない。
なのに足は病院に向かっている。
この状況に気を緩めると涙が出そうになる。
本当に自分の身に起こってることなんだろうか、
3月4日以降、40日ずっと感じていた。

16時頃行きます、という日、
15時50分くらいにつく。

平日であっても割と混んでいる産婦人科で
「今日は待つかな」というくらいの人数の方が
待合室にたくさんいた。

受付を済ませ、「19番」の番号札をもらい
席に着くとすぐ
「19番の方、今日書類、てお持ちですか?」と
受付の方がきた。
人工中絶承諾書のことだった。
主治医の先生が「説明をしました」のサインと、
私の「同意します」のサインと、夫のサインを書いて
持参してきた。これがないと、処置ができないので
必ず持参してください、と説明を受けていたもの。

受付の方に
「あ、はい、持ってきました」と手渡した。
「印鑑も押してきたかな?」「あ、押してきました」

3月4日に「もしかしたら染色体異常かも」
と検診時に言われてから
長きにわたって色々なイベントがあった。
NIPT検査・結果を聞きに行く、
羊水検査、また結果を聞きに行く。
毎日おなかの子のことばかりを
考えてきた辛い待ちの日々。
ついに、私たちの意思で
「中絶をします」という書類を手渡してしまった

書類を渡すと、たくさん待っている人をよそに
「19番の方、2番へお入りください」と
すぐアナウンスが流れた

2番の部屋は、内診台の部屋。
先生との話もなく、いきなり処置か。
心の準備があったかないかの時間を挟んだくらいで
内診台にあがることになってしまった。

カーテン越しに主治医の先生の声で
「ラミーいれていきますね」と
内診台があがる。

「ちょっと痛みがあるかもしれません」
「気分が悪かったら言ってください」
「ラミーは3本いれます、力抜いててくださいね」
と処置が進められる

最初数秒は何とも思っていなかったけど、
ここでまた気が一瞬緩んでしまった

「・・・ついに」

緩めばそこから感情が一気に押し寄せてくる

色んなことがあった。1か月半前まで、
半年前の死産から日を開けずの妊娠で
不安のない日々はなかったけども
宿ってくれた命を大事に大事に、今度は
温かい状態で会いたい、産声も聞きたい、
抱っこしたい、おっぱいあげたい、
10歳のお姉ちゃんも楽しみにしている、と思いで
目の前の家事や2歳と10歳の育児も大変だけど、
何とか気持ちを伝えようとお腹をさすりながら、
「かあかちょっとテンパってるけど大丈夫、
心配しないで」と思いながら過ごしてきた。

けど、初めて婦人科の受診から産科の受診へと変わり
膣エコーから経腹エコーに変わった日、
初めて赤ちゃんが子宮の中で
動いている様子を見れて
エコーあてられながら涙した後、
「染色体異常があるかもしれない」と
指摘を受けてから40日、本当に長かった。
毎日毎日欠かさずお腹の子を思ってきた。

「疑いがあるならNIPT検査、受けてきます」と
2つ返事で回答したこんな私に
お腹をさする資格がないんじゃないか、と
思い悩む時間もたくさんあったけど
毎日、命を感じ、信じてあげたい、
けどどうしたら、と葛藤の時間だった。
それなのに、今まさに自分たちの意思で
その子の命を終わらせようとしている。

もう気がゆるんだら最近ではいつでも泣ける
天井に向いた顔に涙がつたう、止まらないし
止めなくてもよい、くらいに毎日泣いている

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